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一章 転生しました
3。お友達が出来ました
しおりを挟む『で?貴様、誰だ』
随分と威圧しながら聞いてくるこのお方。森の中でたまたま出会った運命のもふもふである。いやぁ、あれを知ったら並大抵のもふもふじゃあ満足できねぇよ。
いや、俺ならできるわ。どんなもふもふも愛せる自信あるわ。じゃなきゃ、真のモフリストは名乗れぬ。
『おい、聞いてるのか?』
「全く聞いてなかったです!!もふもふさん!!」
『よし、じゃあまずその呼び方やめろ』
そういわれて、何故!?と思ってしまう。それが顔に出ていたのか、苛立った様に尻尾を地面に叩きつけるもふもふさん。
あぁ、風圧で砂埃がこっちに…
「ごほっ…あっ、目が、目がぁぁぁぁ……」
『む、すまん』
砂埃が目に入り、ついついどっかのラピ○タ王のようなことを言ってしまう。
と、次の瞬間。ベロン、と何か生暖かい湿ったものが俺の顔に触れて離れた。
その拍子に目に入った砂は取れたようだが、俺の頭は理解に追い付いていない。
どうやら舐められたらしいと気づいた俺の行動は早かった。
『……おい、何故横になる』
「是非お食べください…あなたの毛並みの糧になるのなら、喜んでこの身をもふもふ神に差し出しましょう…」
『おい、まて、何を言っている!?そして、俺はそんな神ではない!!』
そのままじっとしていたのだが、いつまでたっても食べられる気配がないので、諦めて起き上がる。
「…ちっ」
『今舌打ちしたな?なんだ、貴様死にたいのか??』
「もふ神様に食われるなら、モフリストとして本望です……」
『やめろ、俺を変な宗教に巻き込むな。人間は不味いから嫌いだ』
「えーーー」
『こいつ…』
なんか怒ってるみたいだけど、いやぁ、良い毛並みだなぁ、本当に。
しかし、宗教か…いいな、それ。もふもふの神様を崇め奉り、もふもふ好きがもふもふ好きのためのもふもふをひたすら愛でて保護するもふもふ愛好協会とか。
いいねぇ…作ろうかな……
『…おい、今お前ろくでもないこと考えてるだろ』
なにっ、何故ばれた!?
『はぁ…分かりやす過ぎる……』
なんだとう……
「こほん。それより、あんた何者?」
『俺が先にそれ、聞いたんだよなぁ…』
「あ、そうだった。俺はレイメイ。すぐそこの小屋で暮らしてる」
『レイメイ?ふむ…ステータスには「レイ・マルグス」とあるが、これは?』
「えっ!?ステータスみれんの!?ってか、あれ?【偽装】かけてたはず…」
もふもふさんが俺のステータスを見れたのも驚きだが、それ以前に【偽装】が発動していない?
しかし、自分で確認してみたが【偽装】はきちんと発動していた。え、じゃあなんで??
『ふむ、異世界からの転生人か。ならば、わからなくとも仕方がないだろう。【偽装】などの偽るスキルは、自分より圧倒的に強い相手には効かない』
マジで??てか、俺より圧倒的に強いとか、もふもふさんどんだけ強いの??俺、なんか測定不能とかでてたりするぐらいなのに。
『しかし、それにしてはお前の魔力は強いからな…恐らく、記憶が戻ったことによりこの世界とお前の魂の同調が不安定になってしまったのだろう。だからステータスにも不備が出て、俺がお前の【偽装】を突破できたのだろうな』
???なるほど??つまり、俺のステータスの測定不能とか、あのバグってるとしか思えないHPMPはマジでバグってた訳??
「ということは俺、もしかしたらもふもふさんより強かったり…?」
『そ の 呼 び 方 ヤ メ ロ。…あぁ、恐らくこの世界に存在する中でかなり強い部類に入るだろうな』
おぉい!!あの自称神やりやがったな!?!?やめろよ!!俺はのんびり暮らしたいんだ!!
なんか、王道で世界を巡る旅に出そうな能力寄越すなよ!!!フラグか!?なんだ、これもフラグか!?!?
あと、
「もふもふさん呼びが嫌なら、名前教えてください!!!」
『何故そうなる!?』
「だって、友達でしょう!?」
『いつ、誰が、誰とそうなったぁぁ!?』
あれ?違うの?そんなっ…せっかく、勇気を出して言ったのに……
『おい、やめろ、なんだその目は…何故そんな潤んだ目で見る…!!』
じーっともふもふさんを見つめる。ほれほれ、早く教えんかい。そして友達と認めろ。さもなくばモフるぞ。
『…っ!?な、なんだ!?何をした!?何故か物凄い寒気が…!あー、もう!!友達、友達だな!あと、名前なんてない!!ただし、そのもふもふさんという呼び方は嫌だ!威厳の欠片もない!!』
やったー!!お友達できたー!!わーい!!!
あ、名前ないの。よし、俺がつけてやろうじゃないか。
「わかった!もふもふさん以外で名前だな!!そうだなぁ……"オニキス"なんてどうだろう?悪いことを跳ね返す、黒い宝石なんだ!ぴったりだろう?」
自信満々に胸を張って言う。これなら絶対に気に入ってくれるはずだ。昔飼ってた黒い犬もめっちゃ喜んでたから。
『ほぅ…黒は不吉だと追い出された俺に、悪を跳ね返す名前だと…?』
おう?なんか言ったようだけど、小さな呟きだったから聞き逃した。
「悪い、聞こえなかった。何か言ったか?」
『いや?いいだろう。オニキス、気に入ったぞ!今から俺はオニキスと名乗ることにしよう』
「お、よかったー!あ、そろそろ暗くなるし、俺はもう帰るな!すぐそこの小屋だからいつでも…」
『ふむ、送ってやろう』
「え?おわっ!?」
突然体が浮いた。驚いていれば、いつの間にやら俺は黒い毛並みの中に。
そして、オニキスは俺を乗せたまま森を駆けた。
「お、おおお!?」
『しかし、あの小娘がこんな面白い奴になろうとはな。喜べレイ。次は俺から遊びに行ってやろう』
「お、本当か!!じゃあ楽しみに待ってるなー!」
たった少しだけ会話しただけで、俺の家まで戻ってきてしまった。
すごい、流石狼みたいな見た目してるだけある。はっえー!!
『それでは、またな』
「おう!絶対遊びにこいよー!」
『あぁ、それまでお前も気を付けろよ。一応女なのだから』
「え」
そういって颯爽と森の奥へと消えていくオニキス。
そう、まだ彼には【偽装】は効かず、先程本来のステータスを見られたはずなのだ。
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