神の手違いで女子に転生してしまった俺の話聞きます??

蒼霧雪枷

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一章 転生しました

4。俺に見抜けぬもふもふは無い

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 そんなこんなで、オニキスと出会った次の日のことである。

「ステータスオープン!」

 異世界三日目という訳で、そろそろオニキスの言っていた「この世界と俺の魂の同調」とやらが出来たのでは、と思ったのだが…

「うん、何も変わってねぇな」

 やはり変わらずバグってるHPMP、測定不能のレベルが記されてるだけだった。
 同調とやらはいつになったらできるんだろうな。あれか?スキルとか使いまくったら早く終わるかな?

 とりあえず朝食を済ませる。これも、勿論スキルだ。いやー、【料理】スキルめっちゃ便利。そしてめっちゃうまい。スキル様々である。
 そのままのノリで、家のなかを漁った時に見つけた大量の何かの金属や毛皮、とても硬い甲羅のようなものを加工することにした。
 スキル【鑑定】は他のスキルの説明も見れるらしく、とにかく持ってるスキル全ての説明を見た。
 そこで気になったのはスキル【錬金術】。どうやら王道RPGよろしく、材料を揃えると対象のアイテムの"強化"や"付与"が出来るらしい。
 この強化は【錬金術】だけではなく、【鍛治】【裁縫】【刀匠】等々、製作系のスキルならそれにあった強化が出来るらしい。
 【錬金術】は完成したアイテムに属性をつけたり、便利な性能をつけたり出来るらしく、作るアイテムの素材にも同様につけられるようだ。
 なので、まず素材の一つに風魔法属性をつけ、も一つに土魔法属性をつける。それで作ったアイテムには、風と土の魔法属性がついている。

 今作った外套がまさしくそれである。

 効果は、天候や土の状態を感じ取ったり、空気で見えない足場を作ったりなどなど…結構便利な物が出来たんじゃないかな?
 外套じゃなくて、今度は靴で同じものを作ってみる。外套は解体して違う付与をしました。楽しくなったので、先日作ったものを解体して作り直したりもした。
 それがどんな結果になるなんて、今の俺には分からなかった。分かっていたらこんなにも作らなかったな。まぁ、それを後悔するのは大分後の話である。


「でっきたー!!」

 日が沈みはじめてようやく、全身装備が出来ました!!
 外套は、潜伏というか隠伏というか、とりあえず隠れやすさを滅茶苦茶あげた。靴はさっき言った効果で作って、服やズボンは防御力と【偽装】スキルの補助になるようにした。
 マジックボックスのバッグも作った。俺には無限収納があるけど、ただのバッグだと見破られる可能性がある。なので、本当にマジックボックスにしておいて、大事なものは無限収納に仕舞うことにしたのだ。

「ふっふーん!流石俺!めっちゃ頭いい!!」
「そうだな、異世界三日目でそこまで考えられるのは凄いと思うぞ」
「だろー???……………え?」

 隣から聞こえてきた声に思わず返事をしたが、この家には現在俺しかいなかったことを思い出す。と言うことは、隣から聞こえてきた声は誰の…?
 反射的に体が動いた。振り向き様に後ろへと跳び、とっさに距離を取る。





 先程まで俺がいた場所のすぐ横にいたのは、褐色の肌で黒い髪の長身の男。顔の左右横には大きな獣のような耳、男の背後にはふっさふさの黒い尻尾……いかんいかん、衝動に駈られてはいけない。
 こちらを見る目は金色で、よくよく見れば髪も耳も尻尾もただの黒ではなく、少し青を混ぜたような綺麗な黒だった。おや、あの色には見覚えがあるぞ?

「…オニキス?」

 あり得ない、いやしかし?などと混乱した俺から溢れた言葉に、目の前の黒い男は目を見張った。

「驚いた…一目で分かるのか。ふむ…目は良いようだな。正解だ」

 え、マジで?と言葉を失った俺を無視して、男の体が歪んだ。うん、歪んだ。
 呆然と立ち尽くす俺の前で、一瞬歪んだ男の体は獣へと変わる。大きさこそ違うが、それは昨日見た姿で。

「えっ!?本当にオニキス!?何で!?お前、変身魔法とか使えるのか!!つーかちいせぇ!!」
「まて、はしゃぐな、おい、毛をわしゃわしゃと撫でるな!!あ、まて、そこは……クゥン…」

 はっ!!しまった、前世で飼っていた犬と同じくらいの大きさなせいで、ついつい同じように撫でてしまった。いや、でも気持ち良さそうだし別にいいのか?
 しばらく撫でていれば、今度は我に返ったオニキスが俺から距離を取る。なぜ。

「す、末恐ろしいやつだ…この俺をああも手玉にとるとは…」

 物凄く警戒しながら人型に変身した。あぁ、もふもふ…

「全く…油断も隙もないな。宣言通り遊びに来てみれば、何やら随分と集中していたようでな。人型になり、勝手にお邪魔していた。驚かせたのは悪かったと思っている」
「あぁ…それは俺もごめん。色々と試してたら楽しくなっちゃって。声でもかけてくれれば良かったのに」
「何度呼び掛けても返事がなかったのだ。それに、邪魔をしては悪いだろう?」

 昨日もそうだが、わざわざ俺を送ってくれたり、こう邪魔をしないようにしてくれたり。大分紳士だなこのもふもふさん。

「その呼び方やめろ」
「えっ、エスパー…だと…!?」
「いや…何故かツッコまなければいけない気がして…」

 成る程、どこの世界でもツッコミの人は苦労するらしい。

「時にレイよ、何故お前は俺の正体がすぐに分かったのだ?人型になれるとは一言も言った記憶がないのだが…ステータスを見たような気配もなかったしな」
「え、あぁ…毛並みが一緒だった」
「俺はお前が恐ろしいよ」

 なぜだ。

───────

 あのあと、せっかくオニキスが来たので夕飯をご馳走した。そのまま泊まらないかと誘ったら怒られた。でも泊まってくれた。獣の姿で。至福です。

 そして朝、流石に飯の材料が足りなくなったことに気づく。
 街に買いに行けばいいのか?前はどうやって食料を調達していたのか分からない俺は、とりあえずオニキスに助けを求めてみた。
 そしたら意外なことに、以前の俺の話を聞けた。

「前のお前なら、たまに森の中で走り回っているのを見かけた事がある。その手には包丁を持っていたな。しかもでかいやつ」
「なにそれ、こわっ」
「あとは…ごくたまに近くの街へ行っていたな。恐らく、魔物を倒したときの魔石や素材でも売りに行っていたのだろう。見かけただから分からないがな」

 へー。意外と知り合いというか、元々顔見知りみたいな感じだったのか。
 しかし、それよりも気になることがひとつ。

「魔石ってなに?」
「ん?あぁ…魔物の核みたいな物だ。魔物の強さで質が変わり、色々な用途に使われるな。詳しいことはそこの大量の本の何れかに書いてあるだろう」
「いやぁ、多すぎてどれに手をつければいいのやら…気づけばすぐに日が暮れるから」

 そう、自称神から貰ったあの大量の本は、大量過ぎてどれに何をかかれているのか、どれが必要な知識なのか分からないのだ。
 暇を潰せ過ぎてしまい、気づけば一日が終わっていそうだ。

「それなら、著者が不明のものだけを読めばよい」
「え、不明なやつ?なんで?」

 不明なものより、著者が書かれている方が情報が正しいのでは?

「著者不明のものの大半は俺の知り合いが書いたものでな。諸事情で素性を隠しているが、その知識や情報は確かだ。歴史なんかは、実際にその時代に生きたからな。間違ったことなど一切書かれていない」
「へぇ~、凄い人もいるもんだな。どんな人?髭の長い仙人みたいな人かな?」
「……若い男だ」
「………若い男?」
「…若い男」

 あれ?そういえば、著者不明の本って結構あったような…?というか、歴史って言うことは昔のことだよね?実際に生きて若いって…?もしや人間じゃない…??
 あまりのことに混乱してしまうが、オニキスはさらに混乱することを言ってきた。

「あいつは悠に三千年ほど生きているからな。なんなら、この世界で一番神に近いかもしれん」

 ステータスがバグってる俺より神に近いとは。やっぱり人間じゃないのか?俺みたいに【人を超越した何か】っていう称号つけられてたりしない?

「それは…人なの?」
「人だ。誰よりも人として生きているが…あー…いや、もはや天使だな。本職の聖職者も死にたくなるレベルの聖人だ」

 人じゃなくて天使だそうです。マジで何者だ、その人。

「ついでに言えば、とある学園で数百年に何年か勤める謎の最強教師がいるらしいが、十中八九その人だ。確か、そろそろその時期だな」
「いや、なにしてんのその人!?全面的に教育に協力的だね!?なに!?三千年も生きている人って、この世界には結構いるの!?」
「いるにはいるが、一般人にはいないな。だから数百年立ってから戻るのだ」
「あっ、一応世間体は気にしてるんだね!?バレないようにはしてるんだね!?」
「ちなみに、そこの学園長も種族は違うが、同じく三千年生きている」
「学園長グルだった!?」

 なんだ、その学園。無茶苦茶にも程があるだろう。あ、でも少し行ってみたい気もする。
 というか、言ってしまえば規格外仲間な訳で、会ってみたいよね。

「呼び出すこともできるが?」
「出来るんだ…いや、いいよ。この世界に慣れてからにする」
「そうか。じゃあ、今日は狩りにでもいくか」
「……??」

 かり?仮?KARI?

「狩りー!?!?えっ、何を狩るの!?異世界四日目にして魔物狩りですか!?えー、えー、ちょっと待って武器作る!!!」
「落ち着け、バカ」

 狩りという単語でテンションMAXになった俺は、そのままの勢いで武器を作ったのだが、調子に乗って強化と付与をしたら却下された。
 何がダメだったのだろう。



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