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27. 一つになったアトリエの中の裸婦
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(一つになったアトリエの中の裸婦)
「お姉さん、持ってきたわよ……」
お姉さんは、ハナちゃんの裸婦の横に、自分の裸婦の絵をくっ付けるように掛けた。
「ハナ、ごめんね。ハナの横に私の裸婦を掛けなくて……、でも、最初は約束通り、掛けていたのよ。でも、だんだん、見るのが辛くなったのよ……、だって、二枚の絵を見ていると涙が止まらないのよ。それで、しまちゃった。怒っているでしょうね……、寂しいのは嫌だって言っていたから……」
お姉さんは、ハナの絵に話しかけていた。泣きながら、話しかけていた。
「だから、出ていらっしゃいよ。いるんでしょう……、ここにいるんでしょう……?」
お姉さんは、その場で服を脱ぎだした。
「……、お姉さん、駄目よ! ここは店の中よ……」
「いいわよ! 今日はお休みだから……、サリーも早く裸になって……」
「えー、そんな……、私まで……」
「ハナー、出てきなさいよ……、三人で寝るんでしょうー、凄いことやるんでしょう……」
お姉さんは、ためらっている私の服を脱がし始めた……
「……、お姉さんー、駄目よー、……」
「大丈夫よ、脱がしてあげるから、じっとしてなさ……、脱がされるなら恥ずかしくないでしょう」
「でもー、……」
「ハナー、サリーも脱いだわよー、早く出てきなさい……、今度はあなたの番よ……、ハナ、……」
ハナちゃんは、それでも現れなかった。
お姉さんは、私の体にしがみ付いて、跪いて、泣いていた。
私は、泣き止まない、裸のお姉さんを抱きかかえるように二階へ上がった。
私たちが、去ったあと……、ハナちゃんはそこにいた……
勉もいつもの席に座って、俯いて分厚い本を読んでいた。
「どうして、逢ってあげないの……?」
「……、逢っているわよ……、毎日、彼女の傍にいるから……」
「……、でも、出てきてあげないんだね……」
「……、そう、私がカナの前に出たら、……、一度でも出たら……、もうー、離れられない……、そのまま、私の世界に連れて行ってしまいそうだから……」
「でも、サリーちゃんのときは出てきたじゃない……?」
「それは、最初だったから……、私も裸のサリーちゃんを抱きしめたかったのよ……、でも、二度目は駄目よ……、私もサリーちゃん、欲しくなっちゃうから……」
「……、それで、いいの……?」
「……、それで、いいのよ……」
「……、寂しいね……」
「寂しいわよ……、もうー、慣れたけど……」
「……、僕は、慣れないよ……、ちっとも……」
「分かっているのね……、貴方は、どうして出てきたのよ……?」
「もちろん、サリーちゃんの裸が生で見られるので、思わず出てきちゃった……」
「男って、みんな、スケベ―ね……」
「……、でも、この絵より、胸、小さかった……」
「そうね、まだ高校生だからねー、これから大きくなるのよ。でも、肌は、柔らかくて、もちもちで、すべすべよー、抱きしめていると、一緒に溶けちゃいそうよー、そんな彼女、知らないでしょう……?」
「今の言葉で、だいたい想像できたけど……」
「駄目よ、想像なんかでは、本物を抱かないと……」
「そんなこと、できないよ……」
「……、生まれ変わるのね……、また人間に……」
私は、二階に上がってから、お姉さんを裸のままベッドに寝かした。
お姉さんは、ベッドにうつ伏せになりながら更に大きな声で泣いていた。
「ハナちゃんなら、また来るから……、三人で凄いことしましょうって言っていたから……」
「……、もうー、来ないわよー、私のこと怒っているのよー、ハナのこと忘れて、男なんか追いかけていたから……」
私は、慰める言葉が思いつかなかった……
仕方ないので、私もベッドに上がって、お姉さんの背中に頬を付けて抱きしめた……
どれだけ時間が経ったか分からないが、お姉さんの泣き声が聞こえなくなった。
そう思った時、お姉さんは、仰向けになって、私の頭を胸に抱いた。
「ハナは、三年前に死んでいるのよ……」
「……、えー、死んでいる……?」
「そう、死んでしまったの……、夏休みに入ったら、上高地の徳澤園でキャンプをしようって、計画まで立てて、リュックや登山靴やシュラフまで買ったのよ。それなのに、夏休みに入るなり、また入院……、今度は帰ってこられなかったのよ……、少しずつ、山に慣れて、奥穂高のジャンダルムを見るのが彼女の夢だった……」
「それで、お姉さんは、三年前に奥穂のジャンダルムを見に行って、あの破けたジャンダルムの絵を持って帰ってきたのね……」
「そうー、夏の終わりだったわ……、ハナが見たがっていたジャンダルムをハナの代わりに私が見届けようと思って、初めての登山だったわ……」
お姉さんは、話しているうちに……、寝てしまった。
山から帰って来て、この騒動……、疲れていたのね……
翌朝……
「何をやっているのよ! 裸で、あんたたちは、……」
母の大きな声で、またも起こされた……
お姉さんも、虚ろな眼差しで母を見ていなかった。
母の手には、昨日、お店で脱ぎ散らかした、私たちの服やら下着やらを持っていた。
それを私たちが寝ているベッドに放り投げた。
「まだ、お店に荷物が、たくさんあるのよー、早く片付けて……」
母は、それだけ言うと、お店に下りていった。昨日のお店の騒動も知らないで……
「お姉さん、持ってきたわよ……」
お姉さんは、ハナちゃんの裸婦の横に、自分の裸婦の絵をくっ付けるように掛けた。
「ハナ、ごめんね。ハナの横に私の裸婦を掛けなくて……、でも、最初は約束通り、掛けていたのよ。でも、だんだん、見るのが辛くなったのよ……、だって、二枚の絵を見ていると涙が止まらないのよ。それで、しまちゃった。怒っているでしょうね……、寂しいのは嫌だって言っていたから……」
お姉さんは、ハナの絵に話しかけていた。泣きながら、話しかけていた。
「だから、出ていらっしゃいよ。いるんでしょう……、ここにいるんでしょう……?」
お姉さんは、その場で服を脱ぎだした。
「……、お姉さん、駄目よ! ここは店の中よ……」
「いいわよ! 今日はお休みだから……、サリーも早く裸になって……」
「えー、そんな……、私まで……」
「ハナー、出てきなさいよ……、三人で寝るんでしょうー、凄いことやるんでしょう……」
お姉さんは、ためらっている私の服を脱がし始めた……
「……、お姉さんー、駄目よー、……」
「大丈夫よ、脱がしてあげるから、じっとしてなさ……、脱がされるなら恥ずかしくないでしょう」
「でもー、……」
「ハナー、サリーも脱いだわよー、早く出てきなさい……、今度はあなたの番よ……、ハナ、……」
ハナちゃんは、それでも現れなかった。
お姉さんは、私の体にしがみ付いて、跪いて、泣いていた。
私は、泣き止まない、裸のお姉さんを抱きかかえるように二階へ上がった。
私たちが、去ったあと……、ハナちゃんはそこにいた……
勉もいつもの席に座って、俯いて分厚い本を読んでいた。
「どうして、逢ってあげないの……?」
「……、逢っているわよ……、毎日、彼女の傍にいるから……」
「……、でも、出てきてあげないんだね……」
「……、そう、私がカナの前に出たら、……、一度でも出たら……、もうー、離れられない……、そのまま、私の世界に連れて行ってしまいそうだから……」
「でも、サリーちゃんのときは出てきたじゃない……?」
「それは、最初だったから……、私も裸のサリーちゃんを抱きしめたかったのよ……、でも、二度目は駄目よ……、私もサリーちゃん、欲しくなっちゃうから……」
「……、それで、いいの……?」
「……、それで、いいのよ……」
「……、寂しいね……」
「寂しいわよ……、もうー、慣れたけど……」
「……、僕は、慣れないよ……、ちっとも……」
「分かっているのね……、貴方は、どうして出てきたのよ……?」
「もちろん、サリーちゃんの裸が生で見られるので、思わず出てきちゃった……」
「男って、みんな、スケベ―ね……」
「……、でも、この絵より、胸、小さかった……」
「そうね、まだ高校生だからねー、これから大きくなるのよ。でも、肌は、柔らかくて、もちもちで、すべすべよー、抱きしめていると、一緒に溶けちゃいそうよー、そんな彼女、知らないでしょう……?」
「今の言葉で、だいたい想像できたけど……」
「駄目よ、想像なんかでは、本物を抱かないと……」
「そんなこと、できないよ……」
「……、生まれ変わるのね……、また人間に……」
私は、二階に上がってから、お姉さんを裸のままベッドに寝かした。
お姉さんは、ベッドにうつ伏せになりながら更に大きな声で泣いていた。
「ハナちゃんなら、また来るから……、三人で凄いことしましょうって言っていたから……」
「……、もうー、来ないわよー、私のこと怒っているのよー、ハナのこと忘れて、男なんか追いかけていたから……」
私は、慰める言葉が思いつかなかった……
仕方ないので、私もベッドに上がって、お姉さんの背中に頬を付けて抱きしめた……
どれだけ時間が経ったか分からないが、お姉さんの泣き声が聞こえなくなった。
そう思った時、お姉さんは、仰向けになって、私の頭を胸に抱いた。
「ハナは、三年前に死んでいるのよ……」
「……、えー、死んでいる……?」
「そう、死んでしまったの……、夏休みに入ったら、上高地の徳澤園でキャンプをしようって、計画まで立てて、リュックや登山靴やシュラフまで買ったのよ。それなのに、夏休みに入るなり、また入院……、今度は帰ってこられなかったのよ……、少しずつ、山に慣れて、奥穂高のジャンダルムを見るのが彼女の夢だった……」
「それで、お姉さんは、三年前に奥穂のジャンダルムを見に行って、あの破けたジャンダルムの絵を持って帰ってきたのね……」
「そうー、夏の終わりだったわ……、ハナが見たがっていたジャンダルムをハナの代わりに私が見届けようと思って、初めての登山だったわ……」
お姉さんは、話しているうちに……、寝てしまった。
山から帰って来て、この騒動……、疲れていたのね……
翌朝……
「何をやっているのよ! 裸で、あんたたちは、……」
母の大きな声で、またも起こされた……
お姉さんも、虚ろな眼差しで母を見ていなかった。
母の手には、昨日、お店で脱ぎ散らかした、私たちの服やら下着やらを持っていた。
それを私たちが寝ているベッドに放り投げた。
「まだ、お店に荷物が、たくさんあるのよー、早く片付けて……」
母は、それだけ言うと、お店に下りていった。昨日のお店の騒動も知らないで……
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