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39. サリーの部屋と勉
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(サリーの部屋と勉)
私の部屋は、二階の全て……
一人っ子のいいところは、部屋を独占できるということかな……
二階の階段を中心に八畳二間と六畳とお風呂とトイレが一緒になったユニット式の洗面所……
二階にいるだけで、快適に暮らせる。
でも、私は、八畳一間とトイレしか使っていない。
あまり広くても、掃除が大変だ……
こぢんまりとしたところで、南向きの八畳の部屋を私の部屋にしている。
この部屋は、大きな窓とベランダが付いている。
そこに机とベッドとクローゼット、ドレッサーテーブル、大きな立ち鏡、いくつかの縫いぐるみたち……
余り物が置いていないのが好きだ……
ハナちゃんに逢ってから、私も部屋にいるときは、裸でいることが好きになった……
でも、さすがに、すっぽんぽんで部屋を走り回るのは抵抗があって、ショート丈のワンピースパジャマを裸の上から着ている。
お姉さんと比べると、私はまだ、花も恥じらう乙女なのだ……
体を締め付けるものがないと言うことが、心の解放にも繋がっているようで、それだけで気持ちがいい……
このままどこかに飛んで行ってしまいそうだ……
それよりも、問題なのが勉だ……
私は、ワンピースパジャマを脱いで、ベッドに座った。
「……、出てきなさいよ……、いるんでしょう……」
「……、えへー、……」
勉は、机の椅子に座って私を見ていた。
「えへ、じゃないわよ……、一つ訊きたいんだけど……、あのお化けたちは、持っているお金を全部カタリーナに置いていくの……?」
「えー、それは知らないけど……」
「うそー、……、貴方は、お化けたちがお金を持っていることも知っていたわ……、それで、いくらお金を使っても、次に現れるときは、元の金額に戻ることも知っていたわ……、カタリーナのレジのお金が、売り上げ以上に入っているのはなぜ……?」
「……、でも、儲かっていいじゃない……」
「……、誰が入れているのよ……?」
「……、僕じゃないよ……」
「……、本当かしら……? 何処からか盗んできたお金ではないでしょうねー」
「それは、違うと思うよ……」
「……、どうして、そう言い切れるのよー、誰が入れているか知っているのね……」
「……、知らないよ……」
「……、じゃ―、今日はこれでおしまい……」
私は、脱いだワンピースパジャマを、また頭から着た。
「えー、今日は一緒に寝させてくれないの……?」
「……、だって、貴方、何か隠しているもの……、信用できないわー、そんな人と一緒に寝られると思うの……? 寝ている間に殺されちゃうわ……」
「……、殺さないよ……」
「じゃー、教えて、どうして、お金がいっぱいあるのよ……?」
「……、僕を脅迫しているの……?」
「脅迫じゃないでしょう……、私のお願いよ……、こんな小さなお願いも叶えてもらえないのなら、恋人関係も考え直さないといけないわね……、私のこと好きじゃーないみたいだから……」
「……、好きなことと、カタリーナのお金とは関係ないじゃん……」
「あるわよ……、私に教えてくれることが、好きでいてくれることの証なのよ……、その代わりに、私は好きな人と一緒に寝てあげられるのだから……、裸で寝てあげられることが、私の好きなことの証なのよ……」
「……、好きだよ……、……」
「うそよ……、言葉は信用できないわ……、さー、帰って、帰って……」
私は、勉の腕を掴んで、ドアの方に押しやった。
「……、分かったよ……、……、話すよ……」
「……、話さなくても、君はもう知っているじゃない……、君の思っている通りだよ……」
「……、ハナちゃんね……」
「……、そうだよ……」
「でも、どうして、どうやって、あんな大金が手に入るのよ……、どこかで盗んでこない限り、有り得ないでしょう……」
「ハナちゃんは、盗みなどしていないよ……、盗んだお金ではカタリーナに迷惑が掛かるから……」
「じゃーどうしてなのよ……?」
「ハナちゃんは、病院で亡くなったから、お化けになっても一文無しなんだ……、そこで、お金を持って、現世に未練を持ってさまよっている幽霊たちを、カタリーナに集めて、生まれ変わるための道しるべになっていたんだ……、時には人生の生き方を説いてね……」
「……、じゃーいいことじゃない……」
「そうだよ……、でも、その時に幽霊たちの持っていたお金を全部もらって、サザンクロスに送り出していたんだ……、でも、幽霊たちは、また戻ってきちゃうんだ……、やっぱり、元いた世界がいいみたいで……、お化けになった体でもね……」
「今の貴方と同じなのね……」
「そして、また説得して、諭して送り出す……、その繰り返し……」
「そのたびに、お金が入ってくるのね……」
「そう言うこと……、じゃー、分かったでしょう、もういいでしょう……、一緒に寝たい……」
私は、もう一度、パジャマを脱いでベッドに座った。
「貴方も服、脱いで、ベッドにいらっしゃいよ……」
私は、ベッドに仰向けになって寝転がった……
勉は裸になって、私の胸にしがみ付くように、ベッドに入ってきた。
「貴方は、いくらお金を持っているの……?」
「僕は、ちょうどカタリーナで本を読もうと出かけるところだったから、一五〇〇円しか持っていなかったんだ……」
「……、それもハナちゃんにあげるの……?」
「僕は、ハナちゃんにお金を渡したことはないよ……、ハナちゃんだって小銭は要らないと思うよ……」
「それでも、変ね……、ジャンダルムの絵の穴を塞いでからも、幽霊たちは、出てきているわよね……、貴方みたいに……、それはなぜ……?」
「……、あの話は、カタリーナの怪談物語で、僕が作ったお話だよ……」
「でも、あの絵がなくなってから、お店は暇になって、お金も増えなくなったわ……」
「……、そうだね……、僕も、君から離れられなくなったし……」
「……、分かったわ……、カタリーナにお金を入れていたのは、奈緒さんのお兄さんなのね……」
「二人で、やっていたんでしょう……?」
「……、えー、……」
「……、それで、お兄さんは、生まれ変わって行っちゃったから、お金が増えなくなった……、元のお店に戻ったのね……」
「……、そうなんだ……、僕は、ハナちゃんが入れていると思ったよ……、だからこの話は、秘密だったんだ……、ハナちゃんに口止めされていたんだ……」
「……、じゃー、他にも秘密はあるのね……?」
「……、ないよ……、これだけだよ……」
「うそー、まだあるでしょうー、……?」
「……、ないよー、……」
「うそよー、……」
私は、彼をベッドから床に突き落としてから、彼に背中を向けて、寝ころんだ……
「……えー、……、もう秘密なんかないよ……」
彼は、床から這い上がってきて、私の背中から胸を掴んだ……
私の部屋は、二階の全て……
一人っ子のいいところは、部屋を独占できるということかな……
二階の階段を中心に八畳二間と六畳とお風呂とトイレが一緒になったユニット式の洗面所……
二階にいるだけで、快適に暮らせる。
でも、私は、八畳一間とトイレしか使っていない。
あまり広くても、掃除が大変だ……
こぢんまりとしたところで、南向きの八畳の部屋を私の部屋にしている。
この部屋は、大きな窓とベランダが付いている。
そこに机とベッドとクローゼット、ドレッサーテーブル、大きな立ち鏡、いくつかの縫いぐるみたち……
余り物が置いていないのが好きだ……
ハナちゃんに逢ってから、私も部屋にいるときは、裸でいることが好きになった……
でも、さすがに、すっぽんぽんで部屋を走り回るのは抵抗があって、ショート丈のワンピースパジャマを裸の上から着ている。
お姉さんと比べると、私はまだ、花も恥じらう乙女なのだ……
体を締め付けるものがないと言うことが、心の解放にも繋がっているようで、それだけで気持ちがいい……
このままどこかに飛んで行ってしまいそうだ……
それよりも、問題なのが勉だ……
私は、ワンピースパジャマを脱いで、ベッドに座った。
「……、出てきなさいよ……、いるんでしょう……」
「……、えへー、……」
勉は、机の椅子に座って私を見ていた。
「えへ、じゃないわよ……、一つ訊きたいんだけど……、あのお化けたちは、持っているお金を全部カタリーナに置いていくの……?」
「えー、それは知らないけど……」
「うそー、……、貴方は、お化けたちがお金を持っていることも知っていたわ……、それで、いくらお金を使っても、次に現れるときは、元の金額に戻ることも知っていたわ……、カタリーナのレジのお金が、売り上げ以上に入っているのはなぜ……?」
「……、でも、儲かっていいじゃない……」
「……、誰が入れているのよ……?」
「……、僕じゃないよ……」
「……、本当かしら……? 何処からか盗んできたお金ではないでしょうねー」
「それは、違うと思うよ……」
「……、どうして、そう言い切れるのよー、誰が入れているか知っているのね……」
「……、知らないよ……」
「……、じゃ―、今日はこれでおしまい……」
私は、脱いだワンピースパジャマを、また頭から着た。
「えー、今日は一緒に寝させてくれないの……?」
「……、だって、貴方、何か隠しているもの……、信用できないわー、そんな人と一緒に寝られると思うの……? 寝ている間に殺されちゃうわ……」
「……、殺さないよ……」
「じゃー、教えて、どうして、お金がいっぱいあるのよ……?」
「……、僕を脅迫しているの……?」
「脅迫じゃないでしょう……、私のお願いよ……、こんな小さなお願いも叶えてもらえないのなら、恋人関係も考え直さないといけないわね……、私のこと好きじゃーないみたいだから……」
「……、好きなことと、カタリーナのお金とは関係ないじゃん……」
「あるわよ……、私に教えてくれることが、好きでいてくれることの証なのよ……、その代わりに、私は好きな人と一緒に寝てあげられるのだから……、裸で寝てあげられることが、私の好きなことの証なのよ……」
「……、好きだよ……、……」
「うそよ……、言葉は信用できないわ……、さー、帰って、帰って……」
私は、勉の腕を掴んで、ドアの方に押しやった。
「……、分かったよ……、……、話すよ……」
「……、話さなくても、君はもう知っているじゃない……、君の思っている通りだよ……」
「……、ハナちゃんね……」
「……、そうだよ……」
「でも、どうして、どうやって、あんな大金が手に入るのよ……、どこかで盗んでこない限り、有り得ないでしょう……」
「ハナちゃんは、盗みなどしていないよ……、盗んだお金ではカタリーナに迷惑が掛かるから……」
「じゃーどうしてなのよ……?」
「ハナちゃんは、病院で亡くなったから、お化けになっても一文無しなんだ……、そこで、お金を持って、現世に未練を持ってさまよっている幽霊たちを、カタリーナに集めて、生まれ変わるための道しるべになっていたんだ……、時には人生の生き方を説いてね……」
「……、じゃーいいことじゃない……」
「そうだよ……、でも、その時に幽霊たちの持っていたお金を全部もらって、サザンクロスに送り出していたんだ……、でも、幽霊たちは、また戻ってきちゃうんだ……、やっぱり、元いた世界がいいみたいで……、お化けになった体でもね……」
「今の貴方と同じなのね……」
「そして、また説得して、諭して送り出す……、その繰り返し……」
「そのたびに、お金が入ってくるのね……」
「そう言うこと……、じゃー、分かったでしょう、もういいでしょう……、一緒に寝たい……」
私は、もう一度、パジャマを脱いでベッドに座った。
「貴方も服、脱いで、ベッドにいらっしゃいよ……」
私は、ベッドに仰向けになって寝転がった……
勉は裸になって、私の胸にしがみ付くように、ベッドに入ってきた。
「貴方は、いくらお金を持っているの……?」
「僕は、ちょうどカタリーナで本を読もうと出かけるところだったから、一五〇〇円しか持っていなかったんだ……」
「……、それもハナちゃんにあげるの……?」
「僕は、ハナちゃんにお金を渡したことはないよ……、ハナちゃんだって小銭は要らないと思うよ……」
「それでも、変ね……、ジャンダルムの絵の穴を塞いでからも、幽霊たちは、出てきているわよね……、貴方みたいに……、それはなぜ……?」
「……、あの話は、カタリーナの怪談物語で、僕が作ったお話だよ……」
「でも、あの絵がなくなってから、お店は暇になって、お金も増えなくなったわ……」
「……、そうだね……、僕も、君から離れられなくなったし……」
「……、分かったわ……、カタリーナにお金を入れていたのは、奈緒さんのお兄さんなのね……」
「二人で、やっていたんでしょう……?」
「……、えー、……」
「……、それで、お兄さんは、生まれ変わって行っちゃったから、お金が増えなくなった……、元のお店に戻ったのね……」
「……、そうなんだ……、僕は、ハナちゃんが入れていると思ったよ……、だからこの話は、秘密だったんだ……、ハナちゃんに口止めされていたんだ……」
「……、じゃー、他にも秘密はあるのね……?」
「……、ないよ……、これだけだよ……」
「うそー、まだあるでしょうー、……?」
「……、ないよー、……」
「うそよー、……」
私は、彼をベッドから床に突き落としてから、彼に背中を向けて、寝ころんだ……
「……えー、……、もう秘密なんかないよ……」
彼は、床から這い上がってきて、私の背中から胸を掴んだ……
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