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27. 夏の終わりと女子水泳部
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(夏の終わりの女子水泳部)
翌日のお昼……
四人は早速、給食をタッパーに詰めだした。
四人というのは、琴美の友達で志穂といい、同じクラスメートだ。
幼い時からの友達で、同じバイオリンを同じ教室で習っていた。
そして、同じオーケストラ部だ。
琴美が志穂に、昨日のうちに電話して、今日のことを話したのだった。
「なんか、楽しいわねー、ピクニックみたいで……」
琴美は嬉しそうに、お弁当を作る感じで、タッパーに給食を詰める。
「早く、詰めていくわよ、時間ないから……」と真理子。
そして、四人は走ってプールの更衣室に急いだ。
教室の外は、まだ暑く、8月の太陽が精一杯の力で校庭を照り返していた。
更衣室に四人が入ると、真理子は神妙に琴美と志穂に言った。
「これから、水泳部の儀式があるのよ。動いちゃだめよ!」
「なに、儀式って……」
琴美は、異様な雰囲気を感じた。
「互いに、服を脱がし合うことよ。これが神聖な儀式よ」
「そんなの、恥ずかしくって、死んじゃうわ!」
「だから、いいのよ! お互いに恥ずかしいのを我慢して、服を脱がし合うことで、よりいっそう信頼と親しみが増すのよ!」
真理子は、適当に本当っぽい口実を考えた。
「わたしも、真理子に脱がされたのよ。裸の付き合いね……」
雪子は、退く志穂に歩み寄った。
「そうかもしれないけど……」
琴美も一歩後ずさりした。
「いいから、いいから、時間がないから、やるわよ! じっとしているのよ……」
真理子は、琴美のセーラー服のファスナーを上げて、めくりあげて脱がした。
琴美は、真理子にすっぽんぽんにされると恥ずかしがって、胸を手で覆った。
「なにやっているのよ! そんな小さいもの隠してもしょうがないでしょうー」
真理子は、琴美の隠している腕を取って開かせた。
「小さいって言ったわねー、だってー、恥ずかしいわ……」
「なに言ってるのよ! 今度は琴美が脱がす番よ、早くやってよ!」
その横で雪子も、志穂のセーラー服を真理子と同じように脱がした。
「えー、恥ずかしいー、いつもこんなことしているのー?」
志穂もやっぱり両手で隠しながら、後ろを向いた。
「もちろんよ、そのうち癖になって、嬉しくなるから……」
「なに、それー」
「今度は志穂が、私の服を脱がすのよ」と雪子も先を急がせた。
琴美は、それを聴くと真理子のセーラー服を脱がして、同じようにすっぽんぽんにした。
真理子は、恥ずかしがる様子もなく、裸の琴美を抱き寄せた。
「大人の女を教えてあげるわー」
「えー、なにー」
琴美も自然と真理子を抱き寄せる。
「裸で抱き合うの、これが友達の印よー」
真理子は尚も、体を琴美に擦り合わせ馴染ませる。
その横では、志穂が雪子の服を脱がして、感嘆の声を上げた。
「凄いー、綺麗ー、真っ白、赤ちゃんみたい……」
「えー、そうー、だって雪ん子だものー」
雪子も志穂の腕を取って抱き寄せた。
「……、雪子ちゃん、暖かいわー、家いる猫を抱いているみたい……」
志穂は、自分から雪子を抱きしめて、体を擦り合わせて馴染ませた。
「……、あーん、気持ちいいー、雪子ちゃんの肌、ぷよぷよで、すべすべで、暖かいー」
志穂は、尚も体を雪子に擦り合わせて、抱き締める。
「ホント、雪ちゃん、凄い、綺麗、女神様……、わたしも、雪子ちゃん、抱きたいー!」
琴美は、なかなか離れようとしない志穂に構わず、雪子の背中から抱き着いて、雪子の胸を両手で掴んで、体を擦り寄せた。
「ほんと、雪ちゃんの体、暖かくって気持ちいいー、胸も大きくって気持ちいいー」
「もーおー、二人とも何やっているのよー」
真理子は、腕ずくで二人を雪子から引き離して……
「雪子はあたしのものだからねー」と、すかさず雪子を抱きしめた。
「ずるいー、独り占めしちゃー駄目よー」と、琴美も志穂も、もう一度、真理子の横から雪子を抱き寄せる。
「あーんー、また明日ねー、早く着替えて給食、食べるわよー」と、雪子は三人を振り払って水着に着替えだした。
プールは、あの事件以来、夏休みの間に、目隠しフェンスにさらにブルーシートで覆われ、校庭からは、完全に見えなくなっていた。
もともと、校庭とプールのフェンスの間には、ピラカンサスの植え込みが幅一メートルくらいあって、フェンスから人を遠ざけていた。
「確かに、ここはいい場所よねー、なんかリゾートホテルのプールにいるみたいよー」
琴美は、真理子の敷いたバスタオルの上に座って、回りを見回した。
「そこまで、立派じゃないでしょうー」
「でも、ブルーシートはちょっとやりすぎよねー」
「これぐらいやらないと、変態どもが盗撮に来るんでしょうー」
真理子は、タッパーをバスタオルの上に広げた。
「それなら、屋根のある温水プールにして欲しかったわよねー」
琴美もタッパーを広げて言った。
「夏は短いんだから、外のプールじゃー使えるときが短いわよねー」
志穂も話を合わせた。
「そこまで、お金がないのよ。貧乏な街だからー」
琴美は、投げやりに言った。
「それにしても、あの悪の三年生よく棘のあるピラカンサスの木を越えてフェンスを登ってきたわねー」
琴美がブルーシートを眺める。
「まだ、成長しきれずに少し隙間があるからねー」
真理子は早速、給食を口に運ぶ。
「じゃー、また来るんじゃない?」
志穂は、回りを気にしながら言った。
「大丈夫よ、今度来たら、死んでもらうわ!」
そこに、ひと泳ぎしてきた雪子がバスタオルで体を拭きながら言った。
「雪子ちゃん、怖いー」と琴美。
「でも、もうじきプールも終わりよ……、後はどうするの?」
志穂がまじめな顔で雪子を見ながら言った。
「……、それはプールが終われば、女子水泳部も解散よ……」
真理子は、力なく終わりの方は小声になって呟いた。
でも、まだ夏の太陽が、容赦なくプールの上を照らし続けていた。
翌日のお昼……
四人は早速、給食をタッパーに詰めだした。
四人というのは、琴美の友達で志穂といい、同じクラスメートだ。
幼い時からの友達で、同じバイオリンを同じ教室で習っていた。
そして、同じオーケストラ部だ。
琴美が志穂に、昨日のうちに電話して、今日のことを話したのだった。
「なんか、楽しいわねー、ピクニックみたいで……」
琴美は嬉しそうに、お弁当を作る感じで、タッパーに給食を詰める。
「早く、詰めていくわよ、時間ないから……」と真理子。
そして、四人は走ってプールの更衣室に急いだ。
教室の外は、まだ暑く、8月の太陽が精一杯の力で校庭を照り返していた。
更衣室に四人が入ると、真理子は神妙に琴美と志穂に言った。
「これから、水泳部の儀式があるのよ。動いちゃだめよ!」
「なに、儀式って……」
琴美は、異様な雰囲気を感じた。
「互いに、服を脱がし合うことよ。これが神聖な儀式よ」
「そんなの、恥ずかしくって、死んじゃうわ!」
「だから、いいのよ! お互いに恥ずかしいのを我慢して、服を脱がし合うことで、よりいっそう信頼と親しみが増すのよ!」
真理子は、適当に本当っぽい口実を考えた。
「わたしも、真理子に脱がされたのよ。裸の付き合いね……」
雪子は、退く志穂に歩み寄った。
「そうかもしれないけど……」
琴美も一歩後ずさりした。
「いいから、いいから、時間がないから、やるわよ! じっとしているのよ……」
真理子は、琴美のセーラー服のファスナーを上げて、めくりあげて脱がした。
琴美は、真理子にすっぽんぽんにされると恥ずかしがって、胸を手で覆った。
「なにやっているのよ! そんな小さいもの隠してもしょうがないでしょうー」
真理子は、琴美の隠している腕を取って開かせた。
「小さいって言ったわねー、だってー、恥ずかしいわ……」
「なに言ってるのよ! 今度は琴美が脱がす番よ、早くやってよ!」
その横で雪子も、志穂のセーラー服を真理子と同じように脱がした。
「えー、恥ずかしいー、いつもこんなことしているのー?」
志穂もやっぱり両手で隠しながら、後ろを向いた。
「もちろんよ、そのうち癖になって、嬉しくなるから……」
「なに、それー」
「今度は志穂が、私の服を脱がすのよ」と雪子も先を急がせた。
琴美は、それを聴くと真理子のセーラー服を脱がして、同じようにすっぽんぽんにした。
真理子は、恥ずかしがる様子もなく、裸の琴美を抱き寄せた。
「大人の女を教えてあげるわー」
「えー、なにー」
琴美も自然と真理子を抱き寄せる。
「裸で抱き合うの、これが友達の印よー」
真理子は尚も、体を琴美に擦り合わせ馴染ませる。
その横では、志穂が雪子の服を脱がして、感嘆の声を上げた。
「凄いー、綺麗ー、真っ白、赤ちゃんみたい……」
「えー、そうー、だって雪ん子だものー」
雪子も志穂の腕を取って抱き寄せた。
「……、雪子ちゃん、暖かいわー、家いる猫を抱いているみたい……」
志穂は、自分から雪子を抱きしめて、体を擦り合わせて馴染ませた。
「……、あーん、気持ちいいー、雪子ちゃんの肌、ぷよぷよで、すべすべで、暖かいー」
志穂は、尚も体を雪子に擦り合わせて、抱き締める。
「ホント、雪ちゃん、凄い、綺麗、女神様……、わたしも、雪子ちゃん、抱きたいー!」
琴美は、なかなか離れようとしない志穂に構わず、雪子の背中から抱き着いて、雪子の胸を両手で掴んで、体を擦り寄せた。
「ほんと、雪ちゃんの体、暖かくって気持ちいいー、胸も大きくって気持ちいいー」
「もーおー、二人とも何やっているのよー」
真理子は、腕ずくで二人を雪子から引き離して……
「雪子はあたしのものだからねー」と、すかさず雪子を抱きしめた。
「ずるいー、独り占めしちゃー駄目よー」と、琴美も志穂も、もう一度、真理子の横から雪子を抱き寄せる。
「あーんー、また明日ねー、早く着替えて給食、食べるわよー」と、雪子は三人を振り払って水着に着替えだした。
プールは、あの事件以来、夏休みの間に、目隠しフェンスにさらにブルーシートで覆われ、校庭からは、完全に見えなくなっていた。
もともと、校庭とプールのフェンスの間には、ピラカンサスの植え込みが幅一メートルくらいあって、フェンスから人を遠ざけていた。
「確かに、ここはいい場所よねー、なんかリゾートホテルのプールにいるみたいよー」
琴美は、真理子の敷いたバスタオルの上に座って、回りを見回した。
「そこまで、立派じゃないでしょうー」
「でも、ブルーシートはちょっとやりすぎよねー」
「これぐらいやらないと、変態どもが盗撮に来るんでしょうー」
真理子は、タッパーをバスタオルの上に広げた。
「それなら、屋根のある温水プールにして欲しかったわよねー」
琴美もタッパーを広げて言った。
「夏は短いんだから、外のプールじゃー使えるときが短いわよねー」
志穂も話を合わせた。
「そこまで、お金がないのよ。貧乏な街だからー」
琴美は、投げやりに言った。
「それにしても、あの悪の三年生よく棘のあるピラカンサスの木を越えてフェンスを登ってきたわねー」
琴美がブルーシートを眺める。
「まだ、成長しきれずに少し隙間があるからねー」
真理子は早速、給食を口に運ぶ。
「じゃー、また来るんじゃない?」
志穂は、回りを気にしながら言った。
「大丈夫よ、今度来たら、死んでもらうわ!」
そこに、ひと泳ぎしてきた雪子がバスタオルで体を拭きながら言った。
「雪子ちゃん、怖いー」と琴美。
「でも、もうじきプールも終わりよ……、後はどうするの?」
志穂がまじめな顔で雪子を見ながら言った。
「……、それはプールが終われば、女子水泳部も解散よ……」
真理子は、力なく終わりの方は小声になって呟いた。
でも、まだ夏の太陽が、容赦なくプールの上を照らし続けていた。
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