俺「重課金疲れた……」ギルメン「俺さんすごい! 次のイベントもお願いします!」

道楽時計

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第三話 ギルド移転とその弊害

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女「すいません……あんなつもりじゃ、なかったんっす」 

俺「…………」 

女「ひょっとして、また引退する気っすか?」 

俺「お前には、関係ない」 

女「なくないっす……。ウチのせいですし……それに、また俺さんがいなくなるの、イヤっす……」 

俺「俺はもう、重課金をしない。そう決めたんだ」 

女「……じゃあ、いっしょにこのギルド、逃げ出さないっすか?」 

俺「え?」 

女「友達が他のギルドにいるんです。そっちに、こっそり移りましょう?」 
女「男さんには……ギルドのみんなには悪いっすけど……。でも、課金したかったら、みんなすればいいはずなんっす」 
女「俺さん祭り上げて、ただで甘い汁啜りたいって、それだけなんっす。別に俺さんが気にするようなことは元来何もないんっす」 
女「引け目感じて辞めなくたって……そんなの、絶対しなくていいはずっす。ウチと……逃げましょう? ふたりで」 


◆◆


女モンク「む、お主が俺殿であるな! 私がここのギルマスだ! よろしくたのむ!」 

俺「ど、どうも」 

女「女モンクちゃん、ウチの昔の同級生なんっすよ」 

俺「へえ……なんで最初からこっちにしなかったんだ?」 

女「ここ、結構レベル高いっすから。その点男さんのところは甘かったんっすけどね……」 

女モンク「そんなもの気にしなくてもいいと言っていたのに。そもそも、ギルドに引き入れるために女をこのゲームに誘っておったのだぞ」 

女「へへへ……」 

男獣戦士「……弱っちいのが来たと思ったら、コネ入団かよ」ボソッ 

俺「…………」 
俺(……なにも起きなきゃいいが) 


◆◆


男商人「いまやでっ!」 

男弓使い「はいダブルアロー! 怯んだとこ外すなよ!」ババッ 

ユニコーン「フー、フー……」ダダダッ 

俺「うらぁっ!」バスッ
ユニコーン「ガアアアッ!」ドゴッ 

俺「ぐっ!」 

男商人「……なんや、300ダメージも安定して入らんのか……はあ」 

男弓使い「あれ? これ、追撃付加来るから死ぬんじゃね」ニヤニヤ 

ユニコーン「フアアアアアッ!」 

俺「くそっ!」 

女騎士「りゃっ!」ガツッ 

ユニコーン「アガッ!?」ドサツ 

俺「あ、ありがと……助かった」 

女騎士「……今、どうして追加を撃たなかった?」 

男弓使い「あ? ちょっと手許狂っただけだろ。なんか言いたいことでもあんのか?」 

俺「…………」 


◆◆


女騎士「む、あのふたりは……?」 

俺「……なぜか今日は効率悪いから、帰るってさ」 

女騎士「はぁ……そうか」 

俺「今日……庇ってくれて、ありがとうな」 

女騎士「…………」 
女騎士「お前、なんでここに入ったんだ?」 

俺「え?」 

女騎士「わかってただろ。こうなるってことくらい」
女騎士「……私も、今日はもう戻ろう」タッタッ 

俺「……なんでここに入った……か」 
俺「俺が聞きてえよ……そんなもん」 
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