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「そこの! もっと右! 杭の打ち方が甘いわよ! 地盤が緩いんだから、もっと深く!」
「へい、お嬢(ボス)!」
「こっちは資材が足りないわ! 発注した木材はまだ届かないの!? 遅延損害金を請求するわよ!」
「ひぃっ! す、すぐ確認します!」
荒野の真ん中に、私の怒声が響き渡る。
皇帝シリウスとの遭遇から三日。
私は一睡もせずに、拠点設営の指揮を執っていた。
王都から連れてきた冒険者グループ『黒の金貨団』と、高給につられて集まってきた流れの職人たち。彼らをアメとムチ(主に金貨と請求書)で使い倒し、何もない荒野に「仮設事務所兼倉庫」を突貫工事で建てさせたのだ。
「お嬢様。少しお休みになっては? 目の下のクマが、新しい種類のメイクのようになっています」
ベッキーが冷えたお茶(貴重な水だ)を差し出しながら、心配そうに……いや、呆れたように言う。
「休んでいる暇なんてないわ。見てよ、この惨状を」
私は荒野を見渡した。
地面からは相変わらず硫黄臭い蒸気が吹き出し、遠くでは魔物の遠吠えが聞こえる。
環境は最悪。ライフラインはゼロ。
だが、私の目には、ここが巨大な「建設予定地」にしか見えていない。
「今はただの荒野だけど、頭の中にはもう『ミルク帝国』の設計図ができあがっているの。温泉街のメインストリートはあっち、魔石加工工場は風下のあっち、そして私の豪華絢爛な屋敷は一番高い丘の上!」
「……お嬢様の脳内では、すでに遷都が完了しているのですね」
その時だった。
「て、敵襲ぅぅぅっ!!」
見張りの冒険者が、声を裏返して叫んだ。
「南東からデカいのが来るぞ! 『フレイム・サラマンダー(火トカゲ)』だ!」
作業の手が止まり、現場に緊張が走る。
フレイム・サラマンダー。
体長五メートルを超える巨大なトカゲで、口から高熱の火炎を吐き、その体表は触れるだけで火傷するほどの熱を帯びている。
この辺りの生態系の頂点に君臨する、厄介なAランク魔物だ。
職人たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。
「ひぃぃ! おしまいだ! 焼き殺される!」
「落ち着きなさい!」
私は手元の図面を丸めて、近くの木箱をバン!と叩いた。
全員の視線が私に集まる。
私は片眼鏡の位置を直し、迫り来る真っ赤な巨体を冷静に見据えた。
「あれは『敵』ではありません」
「はあ!? お嬢、何言ってんだ!? あれはどう見てもヤバイ魔物だろ!」
冒険者のリーダーが唾を飛ばして抗議する。
「いいえ、違います」
私はニヤリと笑った。
「あれは、向こうから勝手に歩いてきた『自走式・高性能暖房器具(兼・耐熱素材)』よ!」
「……はい?」
「聞くが良い、我が精鋭たちよ! あのトカゲの体内にある『火炎袋』は、一つで金貨百枚の値がつく! その耐熱性の皮は、消防服や鍛冶師のエプロンとして最高級品! 骨は漢方薬、肉は滋養強壮の珍味!」
私は電卓を高速で叩き、その画面を彼らに見せつけた。
「推定市場価格、しめて金貨三百五十枚! これはボーナス・ステージよ!」
その瞬間。
冒険者たちの目から恐怖の色が消え、代わりにギラギラとした欲望の炎が宿った。
「き、金貨三百五十枚だと……?」
「一人頭、いくらになるんだ……?」
「総員、戦闘準備! ただし!」
私は大声で命令を下す。
「絶対に『皮を焦がすな』! 火炎袋を傷つけたら、その分は報酬から天引きするわよ! 商品価値を考えなさい! 綺麗に『解体』するのよ!」
「「「うおおおおぉぉぉっ!! 了解だ、雇い主(ボス)!!」」」
さっきまで逃げ腰だった男たちが、野獣のような雄叫びを上げてサラマンダーに突撃していく。
もはや、どちらが魔物かわからない光景だ。
「……お嬢様の扇動スキルは、国を一つ傾けるレベルですね」
ベッキーが感心したように呟く。
「失礼ね。適切なインセンティブを与えただけよ」
私は腕組みをして、戦況(という名の仕入れ作業)を見守った。
◇
数十分後。
「……なんだ、これは」
馬蹄の音と共に現れたのは、氷の皇帝シリウスだった。
彼は数名の近衛騎士だけを連れて、約束通り私の「実力」を視察に来たらしい。
だが、彼が目にしたのは、予想していた光景とは全く違っていたはずだ。
荒野の真ん中で、巨大なフレイム・サラマンダーが横たわっている。
そして、その周囲で、男たちが嬉々として巨大なナタやノコギリを振るい、手際よく魔物を「解体」していたのだ。
「おい、そっちの皮、引っ張りすぎだ! 傷がつく!」
「火炎袋、慎重に取り出せよ! 破れたらお嬢に殺されるぞ!」
まるで、巨大なマグロの解体ショーのような熱気。
血なまぐさい現場だが、そこに悲壮感は一切ない。あるのは「早く換金したい」という熱意だけだ。
「ようこそお越しくださいました、陛下」
私は現場監督用のヘルメットを小脇に抱え、シリウスを出迎えた。
「ちょうど今、新鮮な『素材』が入荷したところですわ」
「……ミルク、貴様」
シリウスは馬から降り、解体現場を見下ろした。
その美しい顔が、信じられないものを見るように引きつっている。
「あれはAランクの魔物だぞ。一個中隊で当たっても苦戦する相手だ。それを、こんな短時間で……しかも、これほど綺麗に解体するとは」
「彼らはプロですから。金のためなら、地獄の業火の中でもステップを踏めますわ」
「……貴様、怖いものはないのか?」
シリウスが私の方を向き、真剣な眼差しで問うた。
「怖いもの? ありますわよ」
私は即答した。
「『赤字』と『税務調査』です。あれに比べれば、火を吹くトカゲなんて可愛いペットみたいなものですわ」
「……っ、くくく!」
シリウスがまた、肩を震わせて笑い出した。
「ははは! そうか、赤字の方が怖いか! 貴様、本当にブレないな!」
彼は涙を拭いながら、私の前に立った。
「認めてやる。貴様はただの強欲な女ではない。……常識の枠を外れた、本物の『怪物』だ」
「お褒めに預かり光栄ですわ(怪物? 最高の褒め言葉ね)」
シリウスはマントを翻し、解体されたサラマンダーの「火炎袋」を指差した。
「その『火炎袋』。我が軍で買い取ろう。冬の行軍で暖を取るのに使える。言い値でいいぞ」
「あら、本当ですの!?」
「ああ。その代わり……」
シリウスは懐から、一枚の書類を取り出した。
それは、帝国の国境検問所の通過許可証だった。
「貴様のところは、まだ食料や資材の供給が安定していないだろう。当面の間、我が帝国の商人がここに出入りすることを許可する。必要な物資があれば、優先的に回してやろう」
私は息を呑んだ。
それは、私が今一番欲しかった「物流ルートの確保」の提案だった。
王国の商人は、王家を恐れてまだこの地に近づこうとしない。
帝国の支援があれば、開発スピードは一気に加速する。
「……陛下。貴方、意外と商才がおありなのでは?」
「フン。投資対象が潰れてしまっては、元も子もないからな」
シリウスはニヤリと笑った。
「さあ、商談だ、ミルク。俺を満足させる『商品』を、これからいくらでも生み出してもらうぞ」
私は震える手で(嬉しさで)許可証を受け取った。
「ええ、もちろんですわ! 骨の髄まで……いえ、帝国の国庫が空になるまで、取引させていただきます!」
荒野の真ん中で、悪役令嬢と氷の皇帝の、固い握手(という名の密約)が交わされた。
その様子を見ていたベッキーが、手帳にこっそりと書き込んだ。
『本日、お嬢様が隣国を経済的に支配するための第一歩を踏み出した。……世界の終わりは近いかもしれない』
こうして、魔物をも「資源」に変える私の錬金術が、ついに本格始動したのである。
「へい、お嬢(ボス)!」
「こっちは資材が足りないわ! 発注した木材はまだ届かないの!? 遅延損害金を請求するわよ!」
「ひぃっ! す、すぐ確認します!」
荒野の真ん中に、私の怒声が響き渡る。
皇帝シリウスとの遭遇から三日。
私は一睡もせずに、拠点設営の指揮を執っていた。
王都から連れてきた冒険者グループ『黒の金貨団』と、高給につられて集まってきた流れの職人たち。彼らをアメとムチ(主に金貨と請求書)で使い倒し、何もない荒野に「仮設事務所兼倉庫」を突貫工事で建てさせたのだ。
「お嬢様。少しお休みになっては? 目の下のクマが、新しい種類のメイクのようになっています」
ベッキーが冷えたお茶(貴重な水だ)を差し出しながら、心配そうに……いや、呆れたように言う。
「休んでいる暇なんてないわ。見てよ、この惨状を」
私は荒野を見渡した。
地面からは相変わらず硫黄臭い蒸気が吹き出し、遠くでは魔物の遠吠えが聞こえる。
環境は最悪。ライフラインはゼロ。
だが、私の目には、ここが巨大な「建設予定地」にしか見えていない。
「今はただの荒野だけど、頭の中にはもう『ミルク帝国』の設計図ができあがっているの。温泉街のメインストリートはあっち、魔石加工工場は風下のあっち、そして私の豪華絢爛な屋敷は一番高い丘の上!」
「……お嬢様の脳内では、すでに遷都が完了しているのですね」
その時だった。
「て、敵襲ぅぅぅっ!!」
見張りの冒険者が、声を裏返して叫んだ。
「南東からデカいのが来るぞ! 『フレイム・サラマンダー(火トカゲ)』だ!」
作業の手が止まり、現場に緊張が走る。
フレイム・サラマンダー。
体長五メートルを超える巨大なトカゲで、口から高熱の火炎を吐き、その体表は触れるだけで火傷するほどの熱を帯びている。
この辺りの生態系の頂点に君臨する、厄介なAランク魔物だ。
職人たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。
「ひぃぃ! おしまいだ! 焼き殺される!」
「落ち着きなさい!」
私は手元の図面を丸めて、近くの木箱をバン!と叩いた。
全員の視線が私に集まる。
私は片眼鏡の位置を直し、迫り来る真っ赤な巨体を冷静に見据えた。
「あれは『敵』ではありません」
「はあ!? お嬢、何言ってんだ!? あれはどう見てもヤバイ魔物だろ!」
冒険者のリーダーが唾を飛ばして抗議する。
「いいえ、違います」
私はニヤリと笑った。
「あれは、向こうから勝手に歩いてきた『自走式・高性能暖房器具(兼・耐熱素材)』よ!」
「……はい?」
「聞くが良い、我が精鋭たちよ! あのトカゲの体内にある『火炎袋』は、一つで金貨百枚の値がつく! その耐熱性の皮は、消防服や鍛冶師のエプロンとして最高級品! 骨は漢方薬、肉は滋養強壮の珍味!」
私は電卓を高速で叩き、その画面を彼らに見せつけた。
「推定市場価格、しめて金貨三百五十枚! これはボーナス・ステージよ!」
その瞬間。
冒険者たちの目から恐怖の色が消え、代わりにギラギラとした欲望の炎が宿った。
「き、金貨三百五十枚だと……?」
「一人頭、いくらになるんだ……?」
「総員、戦闘準備! ただし!」
私は大声で命令を下す。
「絶対に『皮を焦がすな』! 火炎袋を傷つけたら、その分は報酬から天引きするわよ! 商品価値を考えなさい! 綺麗に『解体』するのよ!」
「「「うおおおおぉぉぉっ!! 了解だ、雇い主(ボス)!!」」」
さっきまで逃げ腰だった男たちが、野獣のような雄叫びを上げてサラマンダーに突撃していく。
もはや、どちらが魔物かわからない光景だ。
「……お嬢様の扇動スキルは、国を一つ傾けるレベルですね」
ベッキーが感心したように呟く。
「失礼ね。適切なインセンティブを与えただけよ」
私は腕組みをして、戦況(という名の仕入れ作業)を見守った。
◇
数十分後。
「……なんだ、これは」
馬蹄の音と共に現れたのは、氷の皇帝シリウスだった。
彼は数名の近衛騎士だけを連れて、約束通り私の「実力」を視察に来たらしい。
だが、彼が目にしたのは、予想していた光景とは全く違っていたはずだ。
荒野の真ん中で、巨大なフレイム・サラマンダーが横たわっている。
そして、その周囲で、男たちが嬉々として巨大なナタやノコギリを振るい、手際よく魔物を「解体」していたのだ。
「おい、そっちの皮、引っ張りすぎだ! 傷がつく!」
「火炎袋、慎重に取り出せよ! 破れたらお嬢に殺されるぞ!」
まるで、巨大なマグロの解体ショーのような熱気。
血なまぐさい現場だが、そこに悲壮感は一切ない。あるのは「早く換金したい」という熱意だけだ。
「ようこそお越しくださいました、陛下」
私は現場監督用のヘルメットを小脇に抱え、シリウスを出迎えた。
「ちょうど今、新鮮な『素材』が入荷したところですわ」
「……ミルク、貴様」
シリウスは馬から降り、解体現場を見下ろした。
その美しい顔が、信じられないものを見るように引きつっている。
「あれはAランクの魔物だぞ。一個中隊で当たっても苦戦する相手だ。それを、こんな短時間で……しかも、これほど綺麗に解体するとは」
「彼らはプロですから。金のためなら、地獄の業火の中でもステップを踏めますわ」
「……貴様、怖いものはないのか?」
シリウスが私の方を向き、真剣な眼差しで問うた。
「怖いもの? ありますわよ」
私は即答した。
「『赤字』と『税務調査』です。あれに比べれば、火を吹くトカゲなんて可愛いペットみたいなものですわ」
「……っ、くくく!」
シリウスがまた、肩を震わせて笑い出した。
「ははは! そうか、赤字の方が怖いか! 貴様、本当にブレないな!」
彼は涙を拭いながら、私の前に立った。
「認めてやる。貴様はただの強欲な女ではない。……常識の枠を外れた、本物の『怪物』だ」
「お褒めに預かり光栄ですわ(怪物? 最高の褒め言葉ね)」
シリウスはマントを翻し、解体されたサラマンダーの「火炎袋」を指差した。
「その『火炎袋』。我が軍で買い取ろう。冬の行軍で暖を取るのに使える。言い値でいいぞ」
「あら、本当ですの!?」
「ああ。その代わり……」
シリウスは懐から、一枚の書類を取り出した。
それは、帝国の国境検問所の通過許可証だった。
「貴様のところは、まだ食料や資材の供給が安定していないだろう。当面の間、我が帝国の商人がここに出入りすることを許可する。必要な物資があれば、優先的に回してやろう」
私は息を呑んだ。
それは、私が今一番欲しかった「物流ルートの確保」の提案だった。
王国の商人は、王家を恐れてまだこの地に近づこうとしない。
帝国の支援があれば、開発スピードは一気に加速する。
「……陛下。貴方、意外と商才がおありなのでは?」
「フン。投資対象が潰れてしまっては、元も子もないからな」
シリウスはニヤリと笑った。
「さあ、商談だ、ミルク。俺を満足させる『商品』を、これからいくらでも生み出してもらうぞ」
私は震える手で(嬉しさで)許可証を受け取った。
「ええ、もちろんですわ! 骨の髄まで……いえ、帝国の国庫が空になるまで、取引させていただきます!」
荒野の真ん中で、悪役令嬢と氷の皇帝の、固い握手(という名の密約)が交わされた。
その様子を見ていたベッキーが、手帳にこっそりと書き込んだ。
『本日、お嬢様が隣国を経済的に支配するための第一歩を踏み出した。……世界の終わりは近いかもしれない』
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