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「ココア、貴様ぁぁぁ!! 家門に泥を塗る気かぁぁぁ!!」
ガナッシュ伯爵家の当主、そして私の実父であるベルナルドの怒号が、執務室の窓ガラスを震わせた。
彼は私の開発した『悪役令嬢の火吹きスナック』のパッケージを握りつぶし、顔を真っ赤にして震えている。
私はそんな父の前で、優雅にカップをソーサーに置いた。
「あらお父様、泥ではありませんわ。唐辛子の粉末です。目に入ると危険ですので、乱暴に扱うのはお控えください」
「ふざけるな! なんだこれは! 王太子殿下に婚約破棄された挙げ句、こんな下品な商品を売りさばくなど!」
「下品? これは大衆のニーズを的確に捉えたヒット商品です。見てください、昨日の売上だけで、お父様が苦労して輸入している高級絨毯の月間利益を超えましたよ?」
私が売上帳簿を提示すると、父は一瞬言葉に詰まった。
根っからの商人である父は、数字の説得力に弱い。
しかし、今回はそれ以上に「貴族としての体面」が邪魔をしているようだ。
「金の問題ではない! ガナッシュ家は王家御用達の由緒ある家柄だ! お前の行動は、王室への反逆と取られかねん!」
「反逆? まさか。私はただ、理不尽な婚約破棄に対する精神的ケアを、製菓活動を通じて行っているだけです」
「理屈をこねるな! いいか、今すぐ店を畳んで、王宮へ謝罪に行け! そして殿下に泣いて許しを請うのだ!」
父の要求は予想通りだった。
この家は、王家という太客に依存しすぎている。
殿下がどれだけ無能でも、彼らが「白」と言えば黒いカラスも白く塗るのがガナッシュ家の方針だ。
だが、私は違う。
黒字のカラスしか愛せない。
「お断りします」
「……なんだと?」
「謝罪する理由がありません。それに、あの赤字垂れ流し王子の機嫌を取るために、私の貴重な人生と資産を浪費するのは、経営判断として『否』です」
きっぱりと言い放つと、父のこめかみに青筋が浮かび上がった。
「き、貴様……親の命令が聞けんのか!」
「間違った命令に従うのは、忠誠ではなく思考停止です」
「黙れ黙れ黙れぇ!!」
父が机をバンと叩く。
「そこまで言うなら、もう知らん! 貴様のような親不孝者は、この家には置いておけん! 勘当だ! 今すぐ出て行け!」
その言葉が出た瞬間、私の心の中で「契約成立」の鐘がカランカランと鳴り響いた。
待っていました、その言葉。
私は表情を引き締め、懐からあらかじめ用意していた一枚の書類を取り出す。
「お父様、今の言葉、取り消しませんね?」
「ああ、二言はない! ガナッシュ家の敷居を二度と跨げると思うな!」
「承知いたしました。では、こちらの『離縁状兼遺産相続放棄書』にサインをお願いします」
「は……?」
父が目を丸くする。
「口約束では、後で『やっぱり戻ってこい』とか『借金の連帯保証人になれ』とか言われた時に面倒ですから。法的に完全に縁を切るための書類です。さあ、どうぞ」
「お、お前……まさか、最初からこれを狙って……」
「時は金なりです。早くサインを。それとも、私が稼いだ『火吹きスナック』の利益、家の雑収入として計上される前に持ち出されてもよろしいので?」
「ぐぬぬ……可愛げのない娘め!」
父は奪い取るようにペンを取り、乱暴に署名した。
私は書類を確認し、大切に鞄にしまう。
「ありがとうございます。これにて、私は晴れて自由の身。ココア・ガナッシュ改め、ただのココアとして生きていきます」
「ふん! 路頭に迷って泣きついてきても知らんからな!」
「ご心配なく。お父様こそ、王子の借金の肩代わりで破産しないよう、お気をつけて」
私は優雅にカーテシー(礼)をし、執務室を後にした。
背後で何かが割れる音がしたが、それはもう「他人の家」の事情である。
***
「お嬢様……本当に出て行かれるのですか?」
屋敷の裏口。
最小限の荷物をまとめた私を見送りながら、侍女のモカが泣いていた。
「ええ。これからは一人よ」
「私も! 私もお連れください! お給金なんていりません!」
モカが私のスカートを掴む。
彼女は優秀な侍女だ。計算もできるし、何より私の奇行に慣れている。
連れて行きたいのは山々だが、今の私には彼女を雇うだけの固定費を賄う保証がない。
労働力を不当に搾取するのは、私の美学に反するのだ。
「ダメよ、モカ。タダ働きなんてさせられないわ」
「で、でもぉ……」
「それに、この家に残って、定期的に内部情報を流してちょうだい。父が王子の借金をどう処理するか、とかね」
私はウィンクをして見せる。
モカは涙を拭い、強く頷いた。
「……わかりました。お嬢様のスパイとして、しっかり働きます!」
「いい子ね。事業が軌道に乗ったら、倍の給料でヘッドハンティングに来るから。それまで待っていなさい」
「はいっ! お待ちしております!」
モカに見送られ、私は長年暮らした屋敷を後にした。
さて、感傷に浸っている暇はない。
まずは拠点(ねじろ)の確保だ。
***
王都の東側、下町エリア。
貴族街とは違い、路地は狭く、空気は少し埃っぽい。
だが、ここには「生活」という名の活気がある。
私は不動産屋で手に入れた物件リストを片手に、とある建物の前に立っていた。
「……ここね」
かつては雑貨屋だったという、木造二階建ての古びた建物。
壁の塗装は剥げ、看板は傾き、窓ガラスは煤けている。
立地は悪くない。
メインストリートから一本入った路地裏だが、人の通りはそれなりにある。
何より、家賃が破格だった。
「おや、こんなボロ屋に何の用だい? お嬢ちゃん」
声をかけてきたのは、向かいの酒場の主人らしき髭面の男だ。
「ここを借りようと思いまして」
「ここを? やめときな。前の借り主も『幽霊が出る』って言って一ヶ月で逃げ出したんだ。商売なんかできやしねえよ」
「幽霊?」
私は目を輝かせた。
「ええ。素晴らしいわ」
「はあ?」
「幽霊が出るということは、夜間の警備員がいらないということでしょう? 人件費削減になりますわ」
「……へ?」
男が呆気にとられるのを無視し、私は大家との交渉に向かった。
大家は耳の遠いおじいさんだったが、私が「幽霊物件であることを承知の上で、さらに現状復帰(リフォーム)は自費でやるから家賃を三割まけろ」と交渉すると、厄介払いができたとばかりに快諾してくれた。
鍵を受け取り、ギギィ……と錆びついたドアを開ける。
中は埃とカビの臭いが充満していた。
床には正体不明のゴミが散乱し、蜘蛛の巣がシャンデリアのように垂れ下がっている。
普通の令嬢なら悲鳴を上げて卒倒するレベルだろう。
だが、私は床の強度を確かめるように踏みしめ、満足げに笑った。
「梁(はり)はしっかりしているし、広さも十分。掃除と修繕さえすれば、立派な店舗兼住居になるわ」
私はドレスの袖をまくり上げ、髪を紐で縛った。
「さあ、始めましょうか。私の城作りを!」
箒を手に取り、まずは入口の蜘蛛の巣を払う。
埃が舞い上がり、咳き込む。
汚い。きつい。
けれど、この埃の一つ一つさえも、今は愛おしい。
これは誰の指図も受けない、私だけの労働なのだから。
「まずは一階を店舗スペースに改装して……二階は事務室と寝室に。資金は王子の手切れ金があるから当面は大丈夫。問題は、何を売るかだけど……」
ブツブツと独り言を言いながら、私は一心不乱に床を磨き続けた。
夕日が差し込む頃には、床板の一部が本来の艶を取り戻していた。
「ふぅ……」
額の汗を拭い、床に座り込む。
お腹がグゥと鳴った。
そういえば、朝から何も食べていない。
鞄から、商品開発の残りの『激辛クッキー』を取り出し、齧る。
「……辛っ」
でも、美味しい。
実家の豪華なディナーよりも、埃まみれの店で食べるこの一枚の方が、ずっと美味しく感じる。
「ここで稼ぐのよ。金貨の山を築いて、いつかあの王子や父を見返してやるんだから」
その時、ドアがノックされた。
「……おや? 『貸店舗』の札を見て来たんだが、もう決まってしまったのかな?」
落ち着いた、深みのある男性の声。
私が振り返ると、入口に背の高い人影が立っていた。
逆光で顔は見えないが、仕立ての良い服を着ていることだけはわかる。
「あ、すみません! まだ開店準備中で……」
「いや、客として来たわけではないんだ。この建物の構造に興味があってね。築百年を超える建築様式だと聞いていたのだが」
男はズカズカと中に入ってくると、汚れた床や壁を愛おしそうに撫で始めた。
「ほう……この柱の継ぎ目、素晴らしい。今の建築技術では再現できないロストテクノロジーだ」
「はあ……」
なんだこの人。
埃だらけの廃屋に入ってきて、いきなり柱を褒めるなんて。
でも、身なりからして金払いは良さそうだ。
私の商売人センサーがピピッと反応する。
「あの、もしよろしければ、お茶でもいかがですか? あいにく激辛クッキーしかありませんが」
私が差し出すと、男は初めてこちらを向き、驚いたように瞬きをした。
「……君は、昨夜の夜会で王太子を論破していた令嬢ではないか?」
月明かりに照らされたその顔は、隣国の公爵にして若き実業家、ルーカス・ヴァレンタインだった。
これが、私と私の「最高のお客様」との出会いだった。
ガナッシュ伯爵家の当主、そして私の実父であるベルナルドの怒号が、執務室の窓ガラスを震わせた。
彼は私の開発した『悪役令嬢の火吹きスナック』のパッケージを握りつぶし、顔を真っ赤にして震えている。
私はそんな父の前で、優雅にカップをソーサーに置いた。
「あらお父様、泥ではありませんわ。唐辛子の粉末です。目に入ると危険ですので、乱暴に扱うのはお控えください」
「ふざけるな! なんだこれは! 王太子殿下に婚約破棄された挙げ句、こんな下品な商品を売りさばくなど!」
「下品? これは大衆のニーズを的確に捉えたヒット商品です。見てください、昨日の売上だけで、お父様が苦労して輸入している高級絨毯の月間利益を超えましたよ?」
私が売上帳簿を提示すると、父は一瞬言葉に詰まった。
根っからの商人である父は、数字の説得力に弱い。
しかし、今回はそれ以上に「貴族としての体面」が邪魔をしているようだ。
「金の問題ではない! ガナッシュ家は王家御用達の由緒ある家柄だ! お前の行動は、王室への反逆と取られかねん!」
「反逆? まさか。私はただ、理不尽な婚約破棄に対する精神的ケアを、製菓活動を通じて行っているだけです」
「理屈をこねるな! いいか、今すぐ店を畳んで、王宮へ謝罪に行け! そして殿下に泣いて許しを請うのだ!」
父の要求は予想通りだった。
この家は、王家という太客に依存しすぎている。
殿下がどれだけ無能でも、彼らが「白」と言えば黒いカラスも白く塗るのがガナッシュ家の方針だ。
だが、私は違う。
黒字のカラスしか愛せない。
「お断りします」
「……なんだと?」
「謝罪する理由がありません。それに、あの赤字垂れ流し王子の機嫌を取るために、私の貴重な人生と資産を浪費するのは、経営判断として『否』です」
きっぱりと言い放つと、父のこめかみに青筋が浮かび上がった。
「き、貴様……親の命令が聞けんのか!」
「間違った命令に従うのは、忠誠ではなく思考停止です」
「黙れ黙れ黙れぇ!!」
父が机をバンと叩く。
「そこまで言うなら、もう知らん! 貴様のような親不孝者は、この家には置いておけん! 勘当だ! 今すぐ出て行け!」
その言葉が出た瞬間、私の心の中で「契約成立」の鐘がカランカランと鳴り響いた。
待っていました、その言葉。
私は表情を引き締め、懐からあらかじめ用意していた一枚の書類を取り出す。
「お父様、今の言葉、取り消しませんね?」
「ああ、二言はない! ガナッシュ家の敷居を二度と跨げると思うな!」
「承知いたしました。では、こちらの『離縁状兼遺産相続放棄書』にサインをお願いします」
「は……?」
父が目を丸くする。
「口約束では、後で『やっぱり戻ってこい』とか『借金の連帯保証人になれ』とか言われた時に面倒ですから。法的に完全に縁を切るための書類です。さあ、どうぞ」
「お、お前……まさか、最初からこれを狙って……」
「時は金なりです。早くサインを。それとも、私が稼いだ『火吹きスナック』の利益、家の雑収入として計上される前に持ち出されてもよろしいので?」
「ぐぬぬ……可愛げのない娘め!」
父は奪い取るようにペンを取り、乱暴に署名した。
私は書類を確認し、大切に鞄にしまう。
「ありがとうございます。これにて、私は晴れて自由の身。ココア・ガナッシュ改め、ただのココアとして生きていきます」
「ふん! 路頭に迷って泣きついてきても知らんからな!」
「ご心配なく。お父様こそ、王子の借金の肩代わりで破産しないよう、お気をつけて」
私は優雅にカーテシー(礼)をし、執務室を後にした。
背後で何かが割れる音がしたが、それはもう「他人の家」の事情である。
***
「お嬢様……本当に出て行かれるのですか?」
屋敷の裏口。
最小限の荷物をまとめた私を見送りながら、侍女のモカが泣いていた。
「ええ。これからは一人よ」
「私も! 私もお連れください! お給金なんていりません!」
モカが私のスカートを掴む。
彼女は優秀な侍女だ。計算もできるし、何より私の奇行に慣れている。
連れて行きたいのは山々だが、今の私には彼女を雇うだけの固定費を賄う保証がない。
労働力を不当に搾取するのは、私の美学に反するのだ。
「ダメよ、モカ。タダ働きなんてさせられないわ」
「で、でもぉ……」
「それに、この家に残って、定期的に内部情報を流してちょうだい。父が王子の借金をどう処理するか、とかね」
私はウィンクをして見せる。
モカは涙を拭い、強く頷いた。
「……わかりました。お嬢様のスパイとして、しっかり働きます!」
「いい子ね。事業が軌道に乗ったら、倍の給料でヘッドハンティングに来るから。それまで待っていなさい」
「はいっ! お待ちしております!」
モカに見送られ、私は長年暮らした屋敷を後にした。
さて、感傷に浸っている暇はない。
まずは拠点(ねじろ)の確保だ。
***
王都の東側、下町エリア。
貴族街とは違い、路地は狭く、空気は少し埃っぽい。
だが、ここには「生活」という名の活気がある。
私は不動産屋で手に入れた物件リストを片手に、とある建物の前に立っていた。
「……ここね」
かつては雑貨屋だったという、木造二階建ての古びた建物。
壁の塗装は剥げ、看板は傾き、窓ガラスは煤けている。
立地は悪くない。
メインストリートから一本入った路地裏だが、人の通りはそれなりにある。
何より、家賃が破格だった。
「おや、こんなボロ屋に何の用だい? お嬢ちゃん」
声をかけてきたのは、向かいの酒場の主人らしき髭面の男だ。
「ここを借りようと思いまして」
「ここを? やめときな。前の借り主も『幽霊が出る』って言って一ヶ月で逃げ出したんだ。商売なんかできやしねえよ」
「幽霊?」
私は目を輝かせた。
「ええ。素晴らしいわ」
「はあ?」
「幽霊が出るということは、夜間の警備員がいらないということでしょう? 人件費削減になりますわ」
「……へ?」
男が呆気にとられるのを無視し、私は大家との交渉に向かった。
大家は耳の遠いおじいさんだったが、私が「幽霊物件であることを承知の上で、さらに現状復帰(リフォーム)は自費でやるから家賃を三割まけろ」と交渉すると、厄介払いができたとばかりに快諾してくれた。
鍵を受け取り、ギギィ……と錆びついたドアを開ける。
中は埃とカビの臭いが充満していた。
床には正体不明のゴミが散乱し、蜘蛛の巣がシャンデリアのように垂れ下がっている。
普通の令嬢なら悲鳴を上げて卒倒するレベルだろう。
だが、私は床の強度を確かめるように踏みしめ、満足げに笑った。
「梁(はり)はしっかりしているし、広さも十分。掃除と修繕さえすれば、立派な店舗兼住居になるわ」
私はドレスの袖をまくり上げ、髪を紐で縛った。
「さあ、始めましょうか。私の城作りを!」
箒を手に取り、まずは入口の蜘蛛の巣を払う。
埃が舞い上がり、咳き込む。
汚い。きつい。
けれど、この埃の一つ一つさえも、今は愛おしい。
これは誰の指図も受けない、私だけの労働なのだから。
「まずは一階を店舗スペースに改装して……二階は事務室と寝室に。資金は王子の手切れ金があるから当面は大丈夫。問題は、何を売るかだけど……」
ブツブツと独り言を言いながら、私は一心不乱に床を磨き続けた。
夕日が差し込む頃には、床板の一部が本来の艶を取り戻していた。
「ふぅ……」
額の汗を拭い、床に座り込む。
お腹がグゥと鳴った。
そういえば、朝から何も食べていない。
鞄から、商品開発の残りの『激辛クッキー』を取り出し、齧る。
「……辛っ」
でも、美味しい。
実家の豪華なディナーよりも、埃まみれの店で食べるこの一枚の方が、ずっと美味しく感じる。
「ここで稼ぐのよ。金貨の山を築いて、いつかあの王子や父を見返してやるんだから」
その時、ドアがノックされた。
「……おや? 『貸店舗』の札を見て来たんだが、もう決まってしまったのかな?」
落ち着いた、深みのある男性の声。
私が振り返ると、入口に背の高い人影が立っていた。
逆光で顔は見えないが、仕立ての良い服を着ていることだけはわかる。
「あ、すみません! まだ開店準備中で……」
「いや、客として来たわけではないんだ。この建物の構造に興味があってね。築百年を超える建築様式だと聞いていたのだが」
男はズカズカと中に入ってくると、汚れた床や壁を愛おしそうに撫で始めた。
「ほう……この柱の継ぎ目、素晴らしい。今の建築技術では再現できないロストテクノロジーだ」
「はあ……」
なんだこの人。
埃だらけの廃屋に入ってきて、いきなり柱を褒めるなんて。
でも、身なりからして金払いは良さそうだ。
私の商売人センサーがピピッと反応する。
「あの、もしよろしければ、お茶でもいかがですか? あいにく激辛クッキーしかありませんが」
私が差し出すと、男は初めてこちらを向き、驚いたように瞬きをした。
「……君は、昨夜の夜会で王太子を論破していた令嬢ではないか?」
月明かりに照らされたその顔は、隣国の公爵にして若き実業家、ルーカス・ヴァレンタインだった。
これが、私と私の「最高のお客様」との出会いだった。
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