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「おい! なんだこの茶は! 泥水か!?」
王宮の王太子執務室。
ジェラルド殿下の怒声が、虚しく響き渡った。
彼が投げつけたティーカップが床で砕け散り、薄茶色の液体が高級な絨毯(ただし、まだローンが残っている)に染み込んでいく。
執務机の前で直立不動の姿勢をとっていた側近の従者は、無表情のまま答えた。
「泥水ではございません、殿下。出涸らしの茶葉を三回再利用した、『エコ・ティー』でございます」
「エコだ!? 私は王太子だぞ! 最高級の『ゴールデン・ダージリン』を持ってこいと言ったはずだ!」
「在庫がございません。また、新たに購入する予算もございません」
「予算がないだと? どういうことだ! 王室予算があるだろう!」
ジェラルド殿下がバンバンと机を叩く。
従者は溜息をつきたいのを堪え、分厚い帳簿を開いた。
「申し上げにくいのですが、殿下の個人予算および王室からの配当金は、今月分どころか来年分まで全て『前借り』として消化済みです」
「な、なんだと……? そんなに使った覚えはないぞ!」
「いいえ、お使いです。マシュマロ様への贈り物、毎晩のパーティー、カジノでの『視察』、そして新しい白馬の購入……」
「白馬は必要経費だ! 王子が徒歩で移動できるか!」
「その白馬のエサ代も滞納しております。昨日、馬小屋の管理人が『もう干し草しか食わせられん』と嘆いておりました」
「ぐぬぬ……!」
ジェラルド殿下は頭を抱えて椅子に崩れ落ちた。
おかしい。
今までこんなことはなかった。
どれだけ浪費しても、翌日には新しい茶葉が補充され、仕立ての良い服が届き、馬はツヤツヤしていたはずだ。
「おい、先月まではどうなっていたんだ? 魔法のように金が湧いて出ていたではないか」
「魔法ではございません。ココア様です」
従者が淡々と事実を告げる。
「ココア様が、ご自身の私財を投じて不足分を補填し、さらに業者に頭を下げて支払いを猶予させ、綿密な資金繰りで帳尻を合わせていたのです」
「……あいつが?」
「はい。『殿下がみすぼらしい格好をしていては、国の恥ですから』と。裏で全ての請求書を処理しておられました」
ジェラルド殿下は言葉を失った。
ココア・ガナッシュ。
地味で、口うるさくて、金のことばかり言う可愛げのない女だと思っていた。
「おい、ジェラルド! また無駄遣いをしたのか!?」
「その剣、本当に必要ですか? 先週買ったばかりでしょう?」
彼女の小言が、今になって脳裏に蘇る。
あれはただのケチではなく、破綻寸前の財政を食い止めるための防波堤だったのか。
「だ、だが! あいつはいなくなった! なら、誰か別の者が管理すればいいだけの話だろう!」
「誰もできません」
従者が即答する。
「ココア様の管理能力は異常でした。殿下の使途不明金を即座に把握し、複数の口座をパズルのように組み合わせて黒字に見せかける手腕……あれは神業です。我々凡人には、現在の火の車状態をどうすることもできません」
「くそっ……! つまり、私は文無しということか!」
「正確には、文無し以下の『借金まみれ』でございます。現在、王都中の商店から督促状が届いております」
従者が指差した先には、未開封の手紙の山があった。
赤い封筒ばかりだ。
「見たくない! 捨てろ! 燃やしてしまえ!」
「燃やしても借金は消えません」
その時、執務室のドアがノックもなしに開いた。
「ジェラルド様ぁ~! 酷いですわ、私、いじめられましたの!」
飛び込んできたのは、聖女マシュマロだ。
彼女は涙目で駆け寄り、ジェラルド殿下の膝に座り込んだ(椅子がギシッと悲鳴を上げた)。
「おお、マシュマロ! どうしたんだ、そんなに泣いて」
「昨日の夜会ですわ! あのココアってば、私のネックレスを『安物』だなんて……! 悔しくて悔しくて、夜も眠れませんでしたわ!(グースカ寝ていたが)」
「ああ、あの件か……。すまない、私がもっとしっかりしていれば」
「そうですわよ! 殿下がピシッと言ってくださればよかったのに! ……で、私考えましたの」
マシュマロはパッと顔を上げ、濡れた瞳で上目遣いをした。
「私の名誉を挽回するために、もっと大きくて、誰が見ても本物ってわかる宝石を買ってくださいな!」
「えっ」
ジェラルド殿下の顔が引きつる。
「ほら、王室御用達の『スター・ジュエリー』に、素敵なサファイアの首飾りがありましたの。お値段たったの金貨八百枚!」
「は、八百枚……」
「安いものですわよね? 私の傷ついた心に比べれば! ね? 買ってくださいますわよね?」
マシュマロがジェラルド殿下の胸板を指でつんつんする。
いつもなら、「ああ、もちろんさ。君の笑顔のためなら安いものだ」と言ってサインをする場面だ。
だが、今の彼には「出涸らしのお茶」しか用意できない。
「そ、それは……その、今はちょっと時期が悪いというか……」
「時期? 愛を示すのに時期なんて関係ありますの?」
「いや、そうなんだが……実は今、王室の予算編成の時期で、一時的に口座が凍結されていてだな……」
苦しい言い訳をする。
マシュマロの目が、一瞬だけスッと細められたのを、殿下は見逃した。
「……あら。殿下ともあろうお方が、たかが金貨八百枚を用立てられないとおっしゃるの?」
「い、いや! そんなことはない! ただ、手持ちの現金がないだけで……」
「じゃあ、ツケでいいじゃありませんか。王太子殿下のお名前があれば、サイン一つでしょう?」
「そ、それが……そのサインが、もう効かないというか……」
店のブラックリストに載っているとは言えない。
ジェラルド殿下が脂汗を流して視線を泳がせると、マシュマロはふくれっ面をして立ち上がった。
「もう! 殿下のケチ! ココアさんと同じこと言わないでくださいまし!」
「ケチではない! 堅実なのだ!」
「宝石の一つも買えない男なんて、堅実じゃなくて甲斐性なしって言いますのよ!」
マシュマロはプンプンと怒って部屋を出て行ってしまった。
「マ、マシュマロ! 待ってくれ!」
追いかけようと立ち上がった殿下だったが、空腹とめまいでその場によろめいた。
「殿下、お加減が優れないようですね」
従者が冷ややかに見下ろす。
「昼食の時間ですが、どうなさいますか? 食堂からは『パンの耳しか残っていない』との報告が来ておりますが」
「パンの耳……」
かつては最高級のステーキやフルコースを当然のように食べていた。
それが今や、パンの耳。
「……ココアの店に行けば、何か食わせてくれるだろうか」
ふと、そんな弱気な考えが頭をよぎる。
昨日のホットドッグの味。
あのジューシーなソーセージと、ピリ辛のソース。
思い出しただけで口の中に唾液が溢れる。
「いけません、殿下。あそこに行けば、また高い金を請求されます。現在の殿下の所持金は……ゼロです」
「くそっ……! なんでだ! なんで私はこんな目に!」
ジェラルド殿下は窓の外、活気に満ちた城下町を見下ろした。
そこには、ココアの店『ウィックド・カフェ』の看板が見える。
行列ができている。
人々が笑っている。
ココアが笑っている(主に金を見て)。
「あいつがいなくなってから、何もかもが狂い始めた……。まさか、私が生かされていたのは、あいつの手のひらの上だったというのか……?」
初めて突きつけられた現実に、ジェラルド殿下は戦慄した。
だが、時すでに遅し。
この後、さらなる地獄が彼を待ち受けている。
「失礼します」
部屋に入ってきたのは、王宮の財務官だった。
顔色が悪い。手には一枚の羊皮紙を持っている。
「殿下……大変申し上げにくいのですが」
「なんだ、今度は何だ!」
「隣国のルーカス・ヴァレンタイン公爵より、正式な抗議文と請求書が届きました」
「ルーカス公爵から!?」
「はい。『昨晩の夜会における精神的苦痛に対する慰謝料』ならびに『当家が立て替えていたガナッシュ商会への融資焦げ付き分の補填要求』です。……その額、国家予算の一割に相当します」
「…………」
ジェラルド殿下の視界が暗転した。
「お、終わった……」
彼は白目を剥いて、その場に卒倒した。
従者は倒れた主君を見ても動じず、淡々と呟いた。
「水を一杯持ってまいれ。……もちろん、水道水でな」
アホ王子の転落人生は、まだ始まったばかりである。
王宮の王太子執務室。
ジェラルド殿下の怒声が、虚しく響き渡った。
彼が投げつけたティーカップが床で砕け散り、薄茶色の液体が高級な絨毯(ただし、まだローンが残っている)に染み込んでいく。
執務机の前で直立不動の姿勢をとっていた側近の従者は、無表情のまま答えた。
「泥水ではございません、殿下。出涸らしの茶葉を三回再利用した、『エコ・ティー』でございます」
「エコだ!? 私は王太子だぞ! 最高級の『ゴールデン・ダージリン』を持ってこいと言ったはずだ!」
「在庫がございません。また、新たに購入する予算もございません」
「予算がないだと? どういうことだ! 王室予算があるだろう!」
ジェラルド殿下がバンバンと机を叩く。
従者は溜息をつきたいのを堪え、分厚い帳簿を開いた。
「申し上げにくいのですが、殿下の個人予算および王室からの配当金は、今月分どころか来年分まで全て『前借り』として消化済みです」
「な、なんだと……? そんなに使った覚えはないぞ!」
「いいえ、お使いです。マシュマロ様への贈り物、毎晩のパーティー、カジノでの『視察』、そして新しい白馬の購入……」
「白馬は必要経費だ! 王子が徒歩で移動できるか!」
「その白馬のエサ代も滞納しております。昨日、馬小屋の管理人が『もう干し草しか食わせられん』と嘆いておりました」
「ぐぬぬ……!」
ジェラルド殿下は頭を抱えて椅子に崩れ落ちた。
おかしい。
今までこんなことはなかった。
どれだけ浪費しても、翌日には新しい茶葉が補充され、仕立ての良い服が届き、馬はツヤツヤしていたはずだ。
「おい、先月まではどうなっていたんだ? 魔法のように金が湧いて出ていたではないか」
「魔法ではございません。ココア様です」
従者が淡々と事実を告げる。
「ココア様が、ご自身の私財を投じて不足分を補填し、さらに業者に頭を下げて支払いを猶予させ、綿密な資金繰りで帳尻を合わせていたのです」
「……あいつが?」
「はい。『殿下がみすぼらしい格好をしていては、国の恥ですから』と。裏で全ての請求書を処理しておられました」
ジェラルド殿下は言葉を失った。
ココア・ガナッシュ。
地味で、口うるさくて、金のことばかり言う可愛げのない女だと思っていた。
「おい、ジェラルド! また無駄遣いをしたのか!?」
「その剣、本当に必要ですか? 先週買ったばかりでしょう?」
彼女の小言が、今になって脳裏に蘇る。
あれはただのケチではなく、破綻寸前の財政を食い止めるための防波堤だったのか。
「だ、だが! あいつはいなくなった! なら、誰か別の者が管理すればいいだけの話だろう!」
「誰もできません」
従者が即答する。
「ココア様の管理能力は異常でした。殿下の使途不明金を即座に把握し、複数の口座をパズルのように組み合わせて黒字に見せかける手腕……あれは神業です。我々凡人には、現在の火の車状態をどうすることもできません」
「くそっ……! つまり、私は文無しということか!」
「正確には、文無し以下の『借金まみれ』でございます。現在、王都中の商店から督促状が届いております」
従者が指差した先には、未開封の手紙の山があった。
赤い封筒ばかりだ。
「見たくない! 捨てろ! 燃やしてしまえ!」
「燃やしても借金は消えません」
その時、執務室のドアがノックもなしに開いた。
「ジェラルド様ぁ~! 酷いですわ、私、いじめられましたの!」
飛び込んできたのは、聖女マシュマロだ。
彼女は涙目で駆け寄り、ジェラルド殿下の膝に座り込んだ(椅子がギシッと悲鳴を上げた)。
「おお、マシュマロ! どうしたんだ、そんなに泣いて」
「昨日の夜会ですわ! あのココアってば、私のネックレスを『安物』だなんて……! 悔しくて悔しくて、夜も眠れませんでしたわ!(グースカ寝ていたが)」
「ああ、あの件か……。すまない、私がもっとしっかりしていれば」
「そうですわよ! 殿下がピシッと言ってくださればよかったのに! ……で、私考えましたの」
マシュマロはパッと顔を上げ、濡れた瞳で上目遣いをした。
「私の名誉を挽回するために、もっと大きくて、誰が見ても本物ってわかる宝石を買ってくださいな!」
「えっ」
ジェラルド殿下の顔が引きつる。
「ほら、王室御用達の『スター・ジュエリー』に、素敵なサファイアの首飾りがありましたの。お値段たったの金貨八百枚!」
「は、八百枚……」
「安いものですわよね? 私の傷ついた心に比べれば! ね? 買ってくださいますわよね?」
マシュマロがジェラルド殿下の胸板を指でつんつんする。
いつもなら、「ああ、もちろんさ。君の笑顔のためなら安いものだ」と言ってサインをする場面だ。
だが、今の彼には「出涸らしのお茶」しか用意できない。
「そ、それは……その、今はちょっと時期が悪いというか……」
「時期? 愛を示すのに時期なんて関係ありますの?」
「いや、そうなんだが……実は今、王室の予算編成の時期で、一時的に口座が凍結されていてだな……」
苦しい言い訳をする。
マシュマロの目が、一瞬だけスッと細められたのを、殿下は見逃した。
「……あら。殿下ともあろうお方が、たかが金貨八百枚を用立てられないとおっしゃるの?」
「い、いや! そんなことはない! ただ、手持ちの現金がないだけで……」
「じゃあ、ツケでいいじゃありませんか。王太子殿下のお名前があれば、サイン一つでしょう?」
「そ、それが……そのサインが、もう効かないというか……」
店のブラックリストに載っているとは言えない。
ジェラルド殿下が脂汗を流して視線を泳がせると、マシュマロはふくれっ面をして立ち上がった。
「もう! 殿下のケチ! ココアさんと同じこと言わないでくださいまし!」
「ケチではない! 堅実なのだ!」
「宝石の一つも買えない男なんて、堅実じゃなくて甲斐性なしって言いますのよ!」
マシュマロはプンプンと怒って部屋を出て行ってしまった。
「マ、マシュマロ! 待ってくれ!」
追いかけようと立ち上がった殿下だったが、空腹とめまいでその場によろめいた。
「殿下、お加減が優れないようですね」
従者が冷ややかに見下ろす。
「昼食の時間ですが、どうなさいますか? 食堂からは『パンの耳しか残っていない』との報告が来ておりますが」
「パンの耳……」
かつては最高級のステーキやフルコースを当然のように食べていた。
それが今や、パンの耳。
「……ココアの店に行けば、何か食わせてくれるだろうか」
ふと、そんな弱気な考えが頭をよぎる。
昨日のホットドッグの味。
あのジューシーなソーセージと、ピリ辛のソース。
思い出しただけで口の中に唾液が溢れる。
「いけません、殿下。あそこに行けば、また高い金を請求されます。現在の殿下の所持金は……ゼロです」
「くそっ……! なんでだ! なんで私はこんな目に!」
ジェラルド殿下は窓の外、活気に満ちた城下町を見下ろした。
そこには、ココアの店『ウィックド・カフェ』の看板が見える。
行列ができている。
人々が笑っている。
ココアが笑っている(主に金を見て)。
「あいつがいなくなってから、何もかもが狂い始めた……。まさか、私が生かされていたのは、あいつの手のひらの上だったというのか……?」
初めて突きつけられた現実に、ジェラルド殿下は戦慄した。
だが、時すでに遅し。
この後、さらなる地獄が彼を待ち受けている。
「失礼します」
部屋に入ってきたのは、王宮の財務官だった。
顔色が悪い。手には一枚の羊皮紙を持っている。
「殿下……大変申し上げにくいのですが」
「なんだ、今度は何だ!」
「隣国のルーカス・ヴァレンタイン公爵より、正式な抗議文と請求書が届きました」
「ルーカス公爵から!?」
「はい。『昨晩の夜会における精神的苦痛に対する慰謝料』ならびに『当家が立て替えていたガナッシュ商会への融資焦げ付き分の補填要求』です。……その額、国家予算の一割に相当します」
「…………」
ジェラルド殿下の視界が暗転した。
「お、終わった……」
彼は白目を剥いて、その場に卒倒した。
従者は倒れた主君を見ても動じず、淡々と呟いた。
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