14 / 28
14
しおりを挟む
「……行きたくありません」
水曜日の午後。
私は招待状をデスクの上に放り投げ、深い溜息をついた。
「時間の無駄です。生産性がゼロです。この時間があれば、北部の運河建設の進捗状況を確認できるのに」
「そう言うな。これも社交(仕事)のうちだ」
アレクセイ閣下が、苦笑しながら私を宥めた。
招待状の送り主は、マリベル侯爵令嬢。
『反宰相派』の筆頭貴族の娘であり、社交界の女王蜂(自称)だ。
「『ヨーネリア様の新しい門出をお祝いするお茶会』……だそうです。字面は綺麗ですが、行間から『お前を吊るし上げて笑い者にしてやる』という殺意が滲み出ています」
「だろうな。誘拐に失敗した連中の腹いせだろう」
閣下は涼しい顔で紅茶を啜った。
「断ってもいいが、そうすると『逃げた』と噂されるぞ。君のプライドが許さないのではないか?」
「うっ……」
痛いところを突かれた。
私は「逃亡」という言葉が嫌いだ。戦略的撤退ならまだしも、敵前逃亡は私の美学に反する。
「……わかりました。行きます」
私は立ち上がり、戦闘服(ドレス)の準備をするためにクローゼットへ向かった。
「ただし、タダでは帰りませんよ。彼女たちの家の『弱み』というお土産をたっぷり持ち帰ってきますから」
「ほどほどにな。……あまりいじめすぎるなよ?」
「それは向こうの出方次第です」
私は不敵に微笑んだ。
◇
会場となったのは、マリベル侯爵邸の広大な庭園だった。
咲き誇る薔薇、高級な磁器、そして着飾った令嬢たち。
しかし、その空気はピリピリと張り詰めている。
「ごきげんよう、ヨーネリア様。お忙しい中、よくいらっしゃいましたわ」
主催者のマリベル様が、扇で口元を隠しながら近づいてきた。
その目は笑っていない。
「てっきり、お仕事でお疲れで、欠席されるかと思っていましたのよ? ほら、最近は宰相閣下の『雑用係』として、あくせく働いていらっしゃるそうですから」
先制攻撃だ。
周囲の令嬢たちが「クスッ」と嘲笑を漏らす。
「公爵令嬢だったのに、労働者階級に落ちるなんてお可哀想」
「きっとお金に困っていらっしゃるのね」
なるほど。そういう路線か。
私は扇をパチリと開き、優雅に微笑み返した。
「ご配慮ありがとうございます、マリベル様。ですが、ご心配には及びませんわ」
「あら、強がらなくてよろしくてよ?」
「強がり? まさか。私は『国の運営』という、最も高尚でクリエイティブな業務に携わっているのですから」
私は胸を張った。
「貴女方がドレスの色選びに三時間迷っている間に、私は三つの法案を通し、国の税収を五%向上させました。……私の労働が、貴女方の優雅な生活(インフラ)を支えているという自覚はおありで?」
「なっ……!?」
マリベル様の眉がピクリと動く。
「な、生意気な! 所詮は労働でしょう! 貴族の令嬢たるもの、労働など下々の者がすることですわ! 私たちは美しく着飾り、殿方に見初められることこそが仕事なのです!」
「ふむ。つまり貴女は『観賞用植物』であると?」
「は?」
「自ら生産活動を行わず、ただそこにいて養われるだけの存在。……経済学的に言えば『扶養家族』あるいは『金食い虫』ですが」
「き、金食い虫ですってぇ!?」
周囲がざわつく。
私は畳み掛けた。
「それに、殿方に見初められるのが仕事と仰いますが……マリベル様、貴女の婚約者のドルン伯爵令息、最近視線が冷たくありませんか?」
「えっ……な、なんでそれを」
「彼が経営する貿易会社、先月の決算で大赤字を出しましたからね。貴女が先週お買い上げになったそのダイヤのネックレス……彼の会社の運転資金を圧迫している原因の一つですよ」
「うそ……」
マリベル様の顔が青ざめる。
「私なら、ネックレスを売って彼に補填してあげますけどね。それが『内助の功』というものでは?」
「ぐぬぬ……!」
マリベル様は言葉に詰まった。
そこへ、取り巻きの一人が加勢に入ってきた。
「よ、よくもマリベル様にそんな口を! 貴女だって、クラーク殿下に婚約破棄された『傷物』じゃないの!」
「そうよそうよ! 殿下に愛想を尽かされたくせに!」
来た。婚約破棄ネタだ。
想定の範囲内である。
私は紅茶を一口飲み、ふうと息を吐いた。
「……情報が古いですね。アップデートをお勧めします」
「なんですって?」
「殿下に捨てられたのではありません。私が殿下を『損切り』したのです」
「そんぎり?」
聞き慣れない単語に、令嬢たちが首をかしげる。
「将来性のない株を持ち続ける投資家はいませんでしょう? 殿下の成長曲線と、私の労力コストを比較検討した結果、これ以上の投資は無駄だと判断して手放したのです」
私はにっこりと笑った。
「おかげで今は、優良物件(アレクセイ閣下)に再就職できました。株価もストップ高ですわ」
「な、なんて可愛げのない言い方……!」
「可愛げ? それは数字になりますか? 国の予算になりますか?」
「なりませんけど……!」
「なら不要です。感情論で腹は膨れませんから」
完全論破である。
令嬢たちは「うぐぐ……」と唸り、反論の糸口を探している。
その時だった。
「す、すごいですわ……!」
庭木の茂みから、感動に震える声が聞こえた。
ガサガサッ!
「キャッ!? な、何!?」
飛び出してきたのは、頭に葉っぱをつけたミーナ様だった。
なぜここにいる。
「ミーナ!? 貴女、クラーク殿下の新しい……!」
マリベル様が指差す。
ミーナ様はそれを無視し、私の元へ駆け寄ってきた。
手にはメモ帳とペン。
「ヨーネリアお姉様! 今の『損切り』の下り、最高でした! 『可愛げは数字になりますか?』――名言です! 座右の銘にします!」
「……ミーナ様。なぜ貴女がここに?」
「招待されてないんですけど、お姉様の雄姿を見たくて塀を乗り越えてきました!」
「不法侵入です。警備兵を呼びますよ」
「そんなことより、見てくださいこれ!」
ミーナ様は、一枚の紙を広げた。
それは、なんとも下手くそな……いや、味のある似顔絵だった。
私が令嬢たちを言葉のナイフで滅多刺しにしている図だ。タイトルは『断罪の女神』。
「これをお姉様のファンクラブ会報の表紙にします!」
「ファンクラブがあるんですか!?」
「はい! 会員番号1番は私、2番はクラーク殿下(無理やり入会させました)、3番はアレクセイ閣下(勝手に登録しました)です!」
「……解散させなさい、今すぐ」
カオスだ。
マリベル様たちがポカンとしている。
「な、なんなのよこれ……。わけがわからないわ……」
マリベル様が頭を抱えた。
「もういいわ! 帰って頂戴! 貴女がいると空気が悪くなるわ!」
「あら、残念。これから皆様の実家の『脱税リスト』を読み上げて、経営改善のアドバイスをして差し上げようと思いましたのに」
私が懐から分厚いファイルを取り出すと、令嬢たちの顔色が一斉に変わった。
「えっ」
「脱税……?」
「お父様の裏帳簿……?」
「ご希望の方には、この場で公表しますが?」
「い、いえっ! 結構です!」
「お引き取りください! お土産のケーキはホールで差し上げますから!」
「二度と呼ばないで!」
彼女たちは悲鳴を上げて散り散りになった。
完全勝利である。
私はファイルをしまい、満足げに頷いた。
「ふむ。効率的に片付きましたね」
「さすがです、お姉様! 悪を断つその姿、痺れます!」
ミーナ様がパチパチと拍手をする。
「さて、ミーナ様。帰りますよ」
「はい! お供します!」
「その前に、貴女には不法侵入の始末書を書いてもらいます」
「ええーっ!?」
私たちは優雅に(片方は連行される形で)お茶会会場を後にした。
帰り道、私はもらったホールケーキの箱を手に、少しだけ笑みがこぼれた。
「……閣下と食べるには、少し甘すぎるかしら」
「私が毒見しますよ!」
「貴女にはあげません」
こうして『お茶会戦争』は、私の圧勝で幕を閉じた。
翌日から、私の元には貴族の令嬢たちから「経営相談」の手紙が殺到することになるのだが……それはまた、別の話である。
水曜日の午後。
私は招待状をデスクの上に放り投げ、深い溜息をついた。
「時間の無駄です。生産性がゼロです。この時間があれば、北部の運河建設の進捗状況を確認できるのに」
「そう言うな。これも社交(仕事)のうちだ」
アレクセイ閣下が、苦笑しながら私を宥めた。
招待状の送り主は、マリベル侯爵令嬢。
『反宰相派』の筆頭貴族の娘であり、社交界の女王蜂(自称)だ。
「『ヨーネリア様の新しい門出をお祝いするお茶会』……だそうです。字面は綺麗ですが、行間から『お前を吊るし上げて笑い者にしてやる』という殺意が滲み出ています」
「だろうな。誘拐に失敗した連中の腹いせだろう」
閣下は涼しい顔で紅茶を啜った。
「断ってもいいが、そうすると『逃げた』と噂されるぞ。君のプライドが許さないのではないか?」
「うっ……」
痛いところを突かれた。
私は「逃亡」という言葉が嫌いだ。戦略的撤退ならまだしも、敵前逃亡は私の美学に反する。
「……わかりました。行きます」
私は立ち上がり、戦闘服(ドレス)の準備をするためにクローゼットへ向かった。
「ただし、タダでは帰りませんよ。彼女たちの家の『弱み』というお土産をたっぷり持ち帰ってきますから」
「ほどほどにな。……あまりいじめすぎるなよ?」
「それは向こうの出方次第です」
私は不敵に微笑んだ。
◇
会場となったのは、マリベル侯爵邸の広大な庭園だった。
咲き誇る薔薇、高級な磁器、そして着飾った令嬢たち。
しかし、その空気はピリピリと張り詰めている。
「ごきげんよう、ヨーネリア様。お忙しい中、よくいらっしゃいましたわ」
主催者のマリベル様が、扇で口元を隠しながら近づいてきた。
その目は笑っていない。
「てっきり、お仕事でお疲れで、欠席されるかと思っていましたのよ? ほら、最近は宰相閣下の『雑用係』として、あくせく働いていらっしゃるそうですから」
先制攻撃だ。
周囲の令嬢たちが「クスッ」と嘲笑を漏らす。
「公爵令嬢だったのに、労働者階級に落ちるなんてお可哀想」
「きっとお金に困っていらっしゃるのね」
なるほど。そういう路線か。
私は扇をパチリと開き、優雅に微笑み返した。
「ご配慮ありがとうございます、マリベル様。ですが、ご心配には及びませんわ」
「あら、強がらなくてよろしくてよ?」
「強がり? まさか。私は『国の運営』という、最も高尚でクリエイティブな業務に携わっているのですから」
私は胸を張った。
「貴女方がドレスの色選びに三時間迷っている間に、私は三つの法案を通し、国の税収を五%向上させました。……私の労働が、貴女方の優雅な生活(インフラ)を支えているという自覚はおありで?」
「なっ……!?」
マリベル様の眉がピクリと動く。
「な、生意気な! 所詮は労働でしょう! 貴族の令嬢たるもの、労働など下々の者がすることですわ! 私たちは美しく着飾り、殿方に見初められることこそが仕事なのです!」
「ふむ。つまり貴女は『観賞用植物』であると?」
「は?」
「自ら生産活動を行わず、ただそこにいて養われるだけの存在。……経済学的に言えば『扶養家族』あるいは『金食い虫』ですが」
「き、金食い虫ですってぇ!?」
周囲がざわつく。
私は畳み掛けた。
「それに、殿方に見初められるのが仕事と仰いますが……マリベル様、貴女の婚約者のドルン伯爵令息、最近視線が冷たくありませんか?」
「えっ……な、なんでそれを」
「彼が経営する貿易会社、先月の決算で大赤字を出しましたからね。貴女が先週お買い上げになったそのダイヤのネックレス……彼の会社の運転資金を圧迫している原因の一つですよ」
「うそ……」
マリベル様の顔が青ざめる。
「私なら、ネックレスを売って彼に補填してあげますけどね。それが『内助の功』というものでは?」
「ぐぬぬ……!」
マリベル様は言葉に詰まった。
そこへ、取り巻きの一人が加勢に入ってきた。
「よ、よくもマリベル様にそんな口を! 貴女だって、クラーク殿下に婚約破棄された『傷物』じゃないの!」
「そうよそうよ! 殿下に愛想を尽かされたくせに!」
来た。婚約破棄ネタだ。
想定の範囲内である。
私は紅茶を一口飲み、ふうと息を吐いた。
「……情報が古いですね。アップデートをお勧めします」
「なんですって?」
「殿下に捨てられたのではありません。私が殿下を『損切り』したのです」
「そんぎり?」
聞き慣れない単語に、令嬢たちが首をかしげる。
「将来性のない株を持ち続ける投資家はいませんでしょう? 殿下の成長曲線と、私の労力コストを比較検討した結果、これ以上の投資は無駄だと判断して手放したのです」
私はにっこりと笑った。
「おかげで今は、優良物件(アレクセイ閣下)に再就職できました。株価もストップ高ですわ」
「な、なんて可愛げのない言い方……!」
「可愛げ? それは数字になりますか? 国の予算になりますか?」
「なりませんけど……!」
「なら不要です。感情論で腹は膨れませんから」
完全論破である。
令嬢たちは「うぐぐ……」と唸り、反論の糸口を探している。
その時だった。
「す、すごいですわ……!」
庭木の茂みから、感動に震える声が聞こえた。
ガサガサッ!
「キャッ!? な、何!?」
飛び出してきたのは、頭に葉っぱをつけたミーナ様だった。
なぜここにいる。
「ミーナ!? 貴女、クラーク殿下の新しい……!」
マリベル様が指差す。
ミーナ様はそれを無視し、私の元へ駆け寄ってきた。
手にはメモ帳とペン。
「ヨーネリアお姉様! 今の『損切り』の下り、最高でした! 『可愛げは数字になりますか?』――名言です! 座右の銘にします!」
「……ミーナ様。なぜ貴女がここに?」
「招待されてないんですけど、お姉様の雄姿を見たくて塀を乗り越えてきました!」
「不法侵入です。警備兵を呼びますよ」
「そんなことより、見てくださいこれ!」
ミーナ様は、一枚の紙を広げた。
それは、なんとも下手くそな……いや、味のある似顔絵だった。
私が令嬢たちを言葉のナイフで滅多刺しにしている図だ。タイトルは『断罪の女神』。
「これをお姉様のファンクラブ会報の表紙にします!」
「ファンクラブがあるんですか!?」
「はい! 会員番号1番は私、2番はクラーク殿下(無理やり入会させました)、3番はアレクセイ閣下(勝手に登録しました)です!」
「……解散させなさい、今すぐ」
カオスだ。
マリベル様たちがポカンとしている。
「な、なんなのよこれ……。わけがわからないわ……」
マリベル様が頭を抱えた。
「もういいわ! 帰って頂戴! 貴女がいると空気が悪くなるわ!」
「あら、残念。これから皆様の実家の『脱税リスト』を読み上げて、経営改善のアドバイスをして差し上げようと思いましたのに」
私が懐から分厚いファイルを取り出すと、令嬢たちの顔色が一斉に変わった。
「えっ」
「脱税……?」
「お父様の裏帳簿……?」
「ご希望の方には、この場で公表しますが?」
「い、いえっ! 結構です!」
「お引き取りください! お土産のケーキはホールで差し上げますから!」
「二度と呼ばないで!」
彼女たちは悲鳴を上げて散り散りになった。
完全勝利である。
私はファイルをしまい、満足げに頷いた。
「ふむ。効率的に片付きましたね」
「さすがです、お姉様! 悪を断つその姿、痺れます!」
ミーナ様がパチパチと拍手をする。
「さて、ミーナ様。帰りますよ」
「はい! お供します!」
「その前に、貴女には不法侵入の始末書を書いてもらいます」
「ええーっ!?」
私たちは優雅に(片方は連行される形で)お茶会会場を後にした。
帰り道、私はもらったホールケーキの箱を手に、少しだけ笑みがこぼれた。
「……閣下と食べるには、少し甘すぎるかしら」
「私が毒見しますよ!」
「貴女にはあげません」
こうして『お茶会戦争』は、私の圧勝で幕を閉じた。
翌日から、私の元には貴族の令嬢たちから「経営相談」の手紙が殺到することになるのだが……それはまた、別の話である。
3
あなたにおすすめの小説
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)
10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~
緑谷めい
恋愛
ドーラは金で買われたも同然の妻だった――
レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。
※ 全10話完結予定
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる