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「――準備はいいか、ヨーネリア」
「はい。いつでも出撃可能です」
今夜は王宮主催の舞踏会。
本来なら、貴族の男女が優雅にダンスを踊り、愛を語らう場である。
しかし、私たちにとっては違う。
ここは『情報収集』と『派閥の牽制』、そして『売られた喧嘩を買う』ための戦場だ。
ベルンシュタイン公爵邸のエントランス。
アレクセイ閣下は、漆黒の夜会服に身を包み、いつも以上に冷徹な美貌を輝かせていた。
対する私は――。
「……ふむ。やはり、そのドレスは素晴らしいな」
閣下が私の姿を見て、満足そうに頷いた。
私が着ているのは、今夜のために特注した『ミッドナイトブルー』のドレス。
一見すると、シンプルで洗練されたAラインのドレスだ。
しかし、その本質は別にある。
「解説しましょう、閣下」
私はドレスの裾を少し持ち上げてみせた。
「まず、スカート部分。通常よりもスリットを深く入れてあります。これにより、緊急時にはドレスを着たまま全力疾走、およびハイキックが可能です」
「機動性は重要だ」
「次に、ウエスト部分。コルセットを排除し、特殊な伸縮素材を使用しました。これにより、フルコースの料理を完食しても腹部が圧迫されず、長時間の演説でも呼吸が乱れません」
「エネルギー補給と持久力の確保だな」
「そして、ここが最大の特徴です」
私はドレスのドレープ(ひだ)に隠されたポケットから、シュッと音を立てて『何か』を取り出した。
「小型計算機、メモ帳、そして印鑑。全て隠しポケットに収納可能です。ダンスの最中に密約を交わしても、その場で即座に契約書を作成できます」
「完璧だ」
閣下は感嘆の声を漏らした。
「美しさと機能性、そして攻撃力を兼ね備えている。まさに君のための『戦闘服』だ」
「ありがとうございます。ちなみに靴のヒールは鋼鉄製ですので、護身用の武器にもなります」
「頼もしい限りだ。では、行こうか。……私の自慢の婚約者を、見せびらかしにな」
閣下が私の手を取り、エスコートする。
私たちは戦場へ向かう戦士の顔つきで、馬車に乗り込んだ。
◇
王宮の大広間。
シャンデリアの輝き、オーケストラの調べ、そして香水の匂い。
私たちが会場に入った瞬間、ざわめきが広がった。
「あれは……アレクセイ公爵?」
「隣にいるのは、噂のヨーネリア嬢か?」
「なんて凛々しい立ち姿だ……」
「ドレスの色が地味じゃない? もっとフリルとか付ければいいのに」
好意的な視線と、品定めするような視線が交差する。
しかし、私たちは動じない。背筋を伸ばし、堂々と会場を歩く。
その時。
「よ、ヨーネリア! 来ていたのか!」
人混みをかき分けて現れたのは、クラーク殿下だった。
隣には、今日もピンク色のドレスを着たミーナ様がいる。
殿下は私の姿を見て、鼻で笑った。
「はん! なんだその地味なドレスは! 色は暗いし、飾りもない! まるで喪服じゃないか!」
殿下は大声で嘲笑した。
「ミーナを見ろ! このふんわりとしたリボン! レース! これこそが王太子の婚約者に相応しい『可愛らしさ』だぞ!」
「あー、殿下。そのリボン、さっきスープに浸かってましたよ」
ミーナ様が冷静に突っ込むが、殿下は聞こえていない。
「ヨーネリア、お前には華がないんだよ! そんな格好でダンスが踊れるのかね?」
周囲の貴族たちも、「確かに地味ね」「色気がないわ」とヒソヒソ笑っている。
私は扇を口元に当て、冷ややかに殿下を見下ろした。
「殿下。このドレスの価値が理解できないとは……美的センスの欠如を疑いますわ」
「な、なんだと!?」
「フリルやレースは、可動域を制限し、火災のリスクを高め、さらにスープに浸かるという衛生上の問題もあります。非効率の塊です」
「可愛ければいいんだよ!」
「機能美こそが至高です」
平行線だ。
そこで、隣にいたアレクセイ閣下が口を開いた。
「クラーク殿下。貴方の目は節穴ですか?」
「なっ……! 不敬だぞアレクセイ!」
「事実を申し上げたまでです。よくご覧なさい。彼女のドレスのラインを」
閣下は私の腰に手を回し、グイッと引き寄せた。
「無駄な装飾がないからこそ、彼女の姿勢の良さと、身体のラインの美しさが際立っている。……まるで研ぎ澄まされた名刀のようだ」
「め、名刀……?」
「さらに、この深い青色は知性の象徴。彼女の冷徹な瞳の色とも調和している。……私にとっては、どんな宝石よりも彼女の方が輝いて見えますが?」
閣下は私の耳元で囁いた。
「特に、このスリットから覗く脚のラインが……計算され尽くしていて唆(そそ)る」
「……閣下、それはセクハラぎりぎりです」
「事実だ」
閣下の堂々たる溺愛(?)発言に、周囲の令嬢たちが頬を赤らめ、殿下が口をあんぐりと開けた。
「ぐぬぬ……! 負け惜しみを!」
その時、ミーナ様が私の前に飛び出してきた。
「あのっ! ヨーネリア様!」
「……なんですか、ミーナ様」
「そのドレス……どこで仕立てたんですか!?」
ミーナ様は目をキラキラさせて、私のドレスを凝視している。
「え?」
「すごい! ポケット付いてますよね!? これならお菓子を隠し持てます! それに、動きやすそう! 私、フリフリのドレスだと転びそうで怖くて……!」
「……まあ、隠しポケットの用途はお菓子ではありませんが」
「カッコイイです! 『出来る女』って感じです! 私も次からそういうのにします!」
「おいミーナ! やめろ! 君はピンクだ! フリルだ!」
殿下が悲鳴を上げるが、ミーナ様は聞く耳を持たない。
「ヨーネリア様、後で仕立て屋を紹介してください!」
「検討しておきます」
結局、殿下の「地味攻撃」は、閣下の「溺愛フィルター」とミーナ様の「信者フィルター」によって無効化された。
「……音楽が始まりましたね」
オーケストラがワルツを奏で始めた。
閣下は私の前に跪き、手を差し出した。
「踊っていただけますか? 私の美しき戦友(パートナー)」
「喜んで。……ただし、足を踏んだらペナルティですよ?」
「善処しよう」
私たちはホールの中央へと進み出た。
ステップを踏む。
私のドレスは、回転するたびに美しく翻り、足元の動きを妨げない。
「……踊りやすい」
「だろう? 君の動きに合わせて設計されている」
私たちは流れるように踊った。
周囲のカップルが優雅さ(見た目)重視で緩慢に動く中、私たちのダンスはキレがあった。
キレすぎて、もはや格闘技の演舞に見えるかもしれない。
「ターン、三回」
「御意」
クルクルクルッ! ピタッ!
遠心力を利用した高速スピンからの、完璧な静止。
ドレスの裾がバサッと音を立てて舞い、私の鋼鉄ヒールが床をカツンと鳴らす。
「おお……」
会場から、ため息ともどよめきともつかない声が漏れた。
それは「美しい」というより、「強い」という称賛だった。
「最高だ、ヨーネリア」
閣下は踊りながら、恍惚とした表情で言った。
「君とのダンスは、まるで難解なパズルを解いている時のような高揚感がある」
「……それは褒め言葉として受け取っておきます」
曲が終わると、会場からは割れんばかりの拍手が起こった。
私たちは息一つ切らさず、優雅に礼をした。
「……ふふっ」
私は顔を上げ、小さく笑った。
「どうしました?」
「いえ。……意外と悪くないものですね、舞踏会も」
「そうか。なら、次はタンゴでも踊るか?」
「いいですね。もっと激しく、情熱的に行きましょう」
私たちは互いに不敵な笑みを交わした。
部屋の隅で、クラーク殿下が「な、なんであんなにキレキレなんだ……」と引いているのが見えたが、もはやどうでもよかった。
今夜の勝者は、間違いなく私たちなのだから。
そして、この舞踏会をきっかけに、王都の社交界では「機能性ドレス」が密かなブームとなる。
「ポケット付きドレス、入荷待ち三ヶ月」というニュースが新聞に載るのは、もう少し先の話である。
「はい。いつでも出撃可能です」
今夜は王宮主催の舞踏会。
本来なら、貴族の男女が優雅にダンスを踊り、愛を語らう場である。
しかし、私たちにとっては違う。
ここは『情報収集』と『派閥の牽制』、そして『売られた喧嘩を買う』ための戦場だ。
ベルンシュタイン公爵邸のエントランス。
アレクセイ閣下は、漆黒の夜会服に身を包み、いつも以上に冷徹な美貌を輝かせていた。
対する私は――。
「……ふむ。やはり、そのドレスは素晴らしいな」
閣下が私の姿を見て、満足そうに頷いた。
私が着ているのは、今夜のために特注した『ミッドナイトブルー』のドレス。
一見すると、シンプルで洗練されたAラインのドレスだ。
しかし、その本質は別にある。
「解説しましょう、閣下」
私はドレスの裾を少し持ち上げてみせた。
「まず、スカート部分。通常よりもスリットを深く入れてあります。これにより、緊急時にはドレスを着たまま全力疾走、およびハイキックが可能です」
「機動性は重要だ」
「次に、ウエスト部分。コルセットを排除し、特殊な伸縮素材を使用しました。これにより、フルコースの料理を完食しても腹部が圧迫されず、長時間の演説でも呼吸が乱れません」
「エネルギー補給と持久力の確保だな」
「そして、ここが最大の特徴です」
私はドレスのドレープ(ひだ)に隠されたポケットから、シュッと音を立てて『何か』を取り出した。
「小型計算機、メモ帳、そして印鑑。全て隠しポケットに収納可能です。ダンスの最中に密約を交わしても、その場で即座に契約書を作成できます」
「完璧だ」
閣下は感嘆の声を漏らした。
「美しさと機能性、そして攻撃力を兼ね備えている。まさに君のための『戦闘服』だ」
「ありがとうございます。ちなみに靴のヒールは鋼鉄製ですので、護身用の武器にもなります」
「頼もしい限りだ。では、行こうか。……私の自慢の婚約者を、見せびらかしにな」
閣下が私の手を取り、エスコートする。
私たちは戦場へ向かう戦士の顔つきで、馬車に乗り込んだ。
◇
王宮の大広間。
シャンデリアの輝き、オーケストラの調べ、そして香水の匂い。
私たちが会場に入った瞬間、ざわめきが広がった。
「あれは……アレクセイ公爵?」
「隣にいるのは、噂のヨーネリア嬢か?」
「なんて凛々しい立ち姿だ……」
「ドレスの色が地味じゃない? もっとフリルとか付ければいいのに」
好意的な視線と、品定めするような視線が交差する。
しかし、私たちは動じない。背筋を伸ばし、堂々と会場を歩く。
その時。
「よ、ヨーネリア! 来ていたのか!」
人混みをかき分けて現れたのは、クラーク殿下だった。
隣には、今日もピンク色のドレスを着たミーナ様がいる。
殿下は私の姿を見て、鼻で笑った。
「はん! なんだその地味なドレスは! 色は暗いし、飾りもない! まるで喪服じゃないか!」
殿下は大声で嘲笑した。
「ミーナを見ろ! このふんわりとしたリボン! レース! これこそが王太子の婚約者に相応しい『可愛らしさ』だぞ!」
「あー、殿下。そのリボン、さっきスープに浸かってましたよ」
ミーナ様が冷静に突っ込むが、殿下は聞こえていない。
「ヨーネリア、お前には華がないんだよ! そんな格好でダンスが踊れるのかね?」
周囲の貴族たちも、「確かに地味ね」「色気がないわ」とヒソヒソ笑っている。
私は扇を口元に当て、冷ややかに殿下を見下ろした。
「殿下。このドレスの価値が理解できないとは……美的センスの欠如を疑いますわ」
「な、なんだと!?」
「フリルやレースは、可動域を制限し、火災のリスクを高め、さらにスープに浸かるという衛生上の問題もあります。非効率の塊です」
「可愛ければいいんだよ!」
「機能美こそが至高です」
平行線だ。
そこで、隣にいたアレクセイ閣下が口を開いた。
「クラーク殿下。貴方の目は節穴ですか?」
「なっ……! 不敬だぞアレクセイ!」
「事実を申し上げたまでです。よくご覧なさい。彼女のドレスのラインを」
閣下は私の腰に手を回し、グイッと引き寄せた。
「無駄な装飾がないからこそ、彼女の姿勢の良さと、身体のラインの美しさが際立っている。……まるで研ぎ澄まされた名刀のようだ」
「め、名刀……?」
「さらに、この深い青色は知性の象徴。彼女の冷徹な瞳の色とも調和している。……私にとっては、どんな宝石よりも彼女の方が輝いて見えますが?」
閣下は私の耳元で囁いた。
「特に、このスリットから覗く脚のラインが……計算され尽くしていて唆(そそ)る」
「……閣下、それはセクハラぎりぎりです」
「事実だ」
閣下の堂々たる溺愛(?)発言に、周囲の令嬢たちが頬を赤らめ、殿下が口をあんぐりと開けた。
「ぐぬぬ……! 負け惜しみを!」
その時、ミーナ様が私の前に飛び出してきた。
「あのっ! ヨーネリア様!」
「……なんですか、ミーナ様」
「そのドレス……どこで仕立てたんですか!?」
ミーナ様は目をキラキラさせて、私のドレスを凝視している。
「え?」
「すごい! ポケット付いてますよね!? これならお菓子を隠し持てます! それに、動きやすそう! 私、フリフリのドレスだと転びそうで怖くて……!」
「……まあ、隠しポケットの用途はお菓子ではありませんが」
「カッコイイです! 『出来る女』って感じです! 私も次からそういうのにします!」
「おいミーナ! やめろ! 君はピンクだ! フリルだ!」
殿下が悲鳴を上げるが、ミーナ様は聞く耳を持たない。
「ヨーネリア様、後で仕立て屋を紹介してください!」
「検討しておきます」
結局、殿下の「地味攻撃」は、閣下の「溺愛フィルター」とミーナ様の「信者フィルター」によって無効化された。
「……音楽が始まりましたね」
オーケストラがワルツを奏で始めた。
閣下は私の前に跪き、手を差し出した。
「踊っていただけますか? 私の美しき戦友(パートナー)」
「喜んで。……ただし、足を踏んだらペナルティですよ?」
「善処しよう」
私たちはホールの中央へと進み出た。
ステップを踏む。
私のドレスは、回転するたびに美しく翻り、足元の動きを妨げない。
「……踊りやすい」
「だろう? 君の動きに合わせて設計されている」
私たちは流れるように踊った。
周囲のカップルが優雅さ(見た目)重視で緩慢に動く中、私たちのダンスはキレがあった。
キレすぎて、もはや格闘技の演舞に見えるかもしれない。
「ターン、三回」
「御意」
クルクルクルッ! ピタッ!
遠心力を利用した高速スピンからの、完璧な静止。
ドレスの裾がバサッと音を立てて舞い、私の鋼鉄ヒールが床をカツンと鳴らす。
「おお……」
会場から、ため息ともどよめきともつかない声が漏れた。
それは「美しい」というより、「強い」という称賛だった。
「最高だ、ヨーネリア」
閣下は踊りながら、恍惚とした表情で言った。
「君とのダンスは、まるで難解なパズルを解いている時のような高揚感がある」
「……それは褒め言葉として受け取っておきます」
曲が終わると、会場からは割れんばかりの拍手が起こった。
私たちは息一つ切らさず、優雅に礼をした。
「……ふふっ」
私は顔を上げ、小さく笑った。
「どうしました?」
「いえ。……意外と悪くないものですね、舞踏会も」
「そうか。なら、次はタンゴでも踊るか?」
「いいですね。もっと激しく、情熱的に行きましょう」
私たちは互いに不敵な笑みを交わした。
部屋の隅で、クラーク殿下が「な、なんであんなにキレキレなんだ……」と引いているのが見えたが、もはやどうでもよかった。
今夜の勝者は、間違いなく私たちなのだから。
そして、この舞踏会をきっかけに、王都の社交界では「機能性ドレス」が密かなブームとなる。
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