王位を捨ててでも

とおい

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王位を捨ててでも

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「え、それって俺のこと好きってこと?…ほんとに?」
「ほんとだよ。だから、好きだから、付き合って欲しい」 
柊は、煌の手を掴んだ。
「俺でよければ、よろしくお願いします」
「ありがとう!」
煌は立ち上がり、柊の手を引いて抱きしめた。
「大切にする!」
    
自室に戻り、ベッドに座って話した。
「煌くんのお父さんって、怖いのかな…?俺男だし、煌くんと付き合ってもメリット無いから、怒られるかも…」 
「大丈夫だよ。反対されてどうしても無理そうだったら、僕王にならなくてもいいし。その時は、瑳来が喜んで代わってくれるよ」
「…」
柊は、俯いた。
「…煌には、王様になって欲しいな」 
「心配しないで。僕、ちょっと父さんと話してくるね。柊は気まずいだろうし、ここで待ってて」
「分かった。ありがとう」
煌は、父の自室に向かった。

「父さん。入るよ?」
「なんだ、煌か。いいぞ」
煌はドアを開け、中に入った。
「父さん、柊くんのことなんだけど」 
「瑳来から聞いたぞ。あんなワガママが通じるとでも思っているのか?煌は、次期王の立場なんだぞ?」
煌の父は、煌をまっすぐ見た。
「そんなこと分かってる。でも、王だからって庶民と付き合ったらダメなんておかしいと思うんだ!」
「いい加減にしろ!女ならまだしも、男じゃないか。跡継ぎが産めなくてどうする!」
煌を探し回っていた柊は、煌の父の部屋の前で立ち止まった。
「…?」
ドアの前で聞き耳を立てる。
「そんなことあとから考えるし、父さんが口出しすることじゃない」
煌は、父に向かってはっきりと言い放った。
「それに、無理矢理許嫁と結婚させられるくらいなら王になんかならなくていい」
「なんだと…?」
「だから、自分が好きな人と一緒にいられないなら王なんかなりたくないって言ったんだ!」
「な…っ」
煌は、全力で叫んだ。
「僕は、王位を捨ててでも柊くんと一緒にいる!!」
柊は思わずドアを開け、中に入った。
「あ、柊くん…?」
「俺も、煌くんと一緒にいたいです。これは次期王様だからとか、贅沢できるからとか、そういう理由じゃありません。俺は煌くんが好きだし、煌くんも俺を好きって言ってくれたからです!」
「…」 
煌の父は、柊を見た。
「うちの財産目当てかと思っていたが、そうではないようだな」
煌の父は柊に歩み寄り、頭を撫でた。
「分かった。うちの煌をやろう」
「ありがとうございます!」
煌は、柊の輝を握った。
「良かった!ありがとう。柊くんがいなかったらだめだったかもしれない」
「ただし自惚れるなよ。煌は次期王なんだからな」
「うん。ありがとう父さん!」
煌と柊は、自室に戻った。

「柊くん、ありがとう!」
煌は柊に抱きつき、軽くキスをした。
   
END                                                           
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