31 / 65
第二章 本章スタート
第二話 カーリスの実力
しおりを挟む
テルパはカフェテラスに向かう時に、もう1度カーリスの情報を確認した。
カーリス・ドリーム・ドートリッシュ公爵令嬢。
父親は王家の盾の王国近衛騎士団の騎士団長のハインリヒだ。
「あのおっさんの娘だったのか。という事は、親子揃って頑固そうだね。」
テルパは闇の閃光の時代に王宮に呼ばれた際に、王国近衛騎士団のハインリヒには面識がある。
基本的に騎士団と冒険者の関係は非常に悪い為に、貴族から選出されている騎士団から見れば、貴族ではない平民や他国の者達である冒険者の事はあまり良く思っていない。
騎士団の中には冒険者の実力を認めている者達も中にはいるが、基本は騎士団よりも下の存在に見られる傾向がある。
そして団長のハインリヒも典型的な貴族既出なので、冒険者を快くは思っていなかった。
「ジョブがパラディンで聖騎士の加護持ちねぇ?」
パラディンは騎士系のジョブで最上位のジョブである。
しかも加護持ちとなると、戦場に出れば負け知らずで生還をするという力を持つのだが…?
それは実際に戦場で活躍している場合であって、学生で戦場をほとんど知らない者だとただの宝の持ち腐れであった。
「兄妹の中では剣術に長けていて、父親とは互角…ねぇ?」
加護持ちの場合にはそういう事はたまにあるが、兄妹や父親が大した事が無くて実力はそう高くないと取れなくもない。
普通に考えて戦場で戦って来た者と戦場を知らぬ者が互角とは考えにくい。
兄妹や父親が手加減をしていたか、本当に兄妹や父親のレベルが低いのか?
「なら、カーリスの相手は剣で良いでしょう。完膚なきまでに叩きのめしましょう!」
テルパはカフェテラスで1人で居るカーリスを見付けると声を掛けた。
「ちっ…先生もしつこいね!」
「あの書き込みはどういう事でしょうか?」
「先生とアタイでは勝負にならないから、優しさのつもりでやっただけなんだけどな。」
「そうですか…そうですよね、私とカーリスさんでは相手になりませんよね。」
「分かっているじゃないかせんせ…」
「戦場を碌に知らない子供が私に勝てる訳もありませんからね。カーリスさんは引き際を解っていらっしゃる。」
「なんだと…⁉」
「最近の騎士は実力を見抜けずに自分の方が強いと思っている人が多いですからね。貴女のお父様を見ていれば良く解ります。」
「面白い事を言うじゃないか!先生は余程自信があるんだな?」
「自信ではなく事実を述べただけですよ。貴女に比べたら、まだゴブリンの方が手強いでしょうし…」
カーリスは分かり易い程に挑発に引っ掛かってくれた。
天狗になっている上にプライドが高い…更にゴブリン以下とまで言われた日には、さすがのカーリスも黙ってはいられない。
「先生が痛い目に遭って学園を去るのが可哀想だと思って手を出さないでいたが、ここまで馬鹿にされるとアタイのプライドが許さない!」
「そして場所を指定してまた来ない気ですよね?これだから口ばっかで実力が無い人は…そんなに負けるのが怖いのですか?」
「上等だ!今すぐ叩きのめしてやるよ‼」
カーリスはテーブルに立て掛けてあった剣を取ると立ち上がった。
「さすがに此処でやったら被害が出ますからね。場所を移動しますね。」
テルパは転移魔法である場所に移動した。
そこはダンジョン80層にある古代王国跡の闘技場だった。
「中々お誂え向きの場所じゃねぇか!散々舐めた口を聞いたんだ、覚悟は出来ているよな?」
「はて?それは自分自身に言い聞かせた言葉でしょうか?」
「ぬかせ!」
カーリスは私に対して喉を目掛けて突いて来た…と思ったら軌道を変えて左から斬り掛かって来た。
テルパはそこへ剣を合わせてからカーリスの剣を下に向けていなすと、カーリスは体勢を崩して地面に手を付いた瞬間に首元に剣を当てた。
「口だけで呆気なかったですね。戦場ではこれで勝負が決まっていましたよ。」
「なら殺れよ!」
「いえいえ、この程度ではやりませんよ。貴女を完膚なきまでに叩きのめそうと思っていますから。」
「調子に乗るな‼」
カーリスは私の頭に向けて斬り掛かって来た。
だがその攻撃を剣で躱すと、一歩踏み込んでから体の向きを変えようとして…柄がカーリスの顔を殴ってしまった。
「あ、ごめんなさい!止めるつもりが当たってしまいました。」
「態とだろ?」
「そうです、態とですよ。あれだけの口を叩いた癖に、この程度の攻撃も躱す事が出来ない何て…それで良く私に痛い目を遭わすとか言えたものですね?」
「くっ…!」
カーリスは再び振り被って強撃を入れて来た…が、私は剣で弾いた。
すかさずカーリスの首に刀身を当てた。
そしてカーリスは再び斬り掛かって来たが、全て弾かれて首に心臓に…という感じで全ての急所に刀身を当てた。
「いい加減、実力の差に気付いてくれませんか?これで貴女は何度死にました?」
「まだだ!アタイの本気の剣を見せてやる‼」
「おや?とっくに本気だと思っていましたけど?」
「抜かせ‼奥義!紅蓮蝶の舞‼」
多彩な方向からの高速剣で私目掛けて攻撃を仕掛けて来た…が、それ等の剣を合わす事も無く全て躱してから首に刀身を当てた。
「何で…この技を躱せるんだ⁉この技は親父でさえ躱せなかったのに…」
「それは親心で正面から受けていただけで、本来なら躱せたでしょうね。それにこの技ですが、動いている的に当てる様に訓練はしましたか?軌道から察するに、動いていない標的に対しての攻撃に見えましたが?」
カーリスは地面に剣を差して膝をついて頭を垂れていた。
言葉通りに完膚なきまでに叩きのめした…というか、少しやり過ぎた。
このままそっとしておこうかとも思ったのだったが、そうも言っていられない状況になったのだった。
「あら?さすがに少し騒ぎ過ぎましたか!」
「あぁ?」
闘技場にデュラハンとシャドウナイトが10体現れた。
「な…何だよアイツ等は⁉」
「ここは学園内の闘技場ではなく、私が作ったダンジョンの闘技場だったのですよ。だけど少し騒ぎすぎて魔物達に見付かってしまったようです。」
「こんな奴等…」
「デュラハンとシャドウナイトの9匹を引き受けますので、1匹はカーリスさんにお願いします。パラディンなのですから、1匹位は倒せるでしょ?」
テルパは敵を引き付ける挑発スキルでデュラハンとシャドウナイトを引き付けて場所を変えた。
カーリスは目の前にいるシャドウナイト相手に剣を構えた。
「アタイは今ムシャクシャしているんだ!八つ当たりに付き合って貰うぞ‼」
カーリスは攻撃を仕掛ける…がシャドウナイトはカーリスの剣を簡単に弾いた。
カーリスは何度も攻撃を仕掛けるが、シャドウナイトに掠る事どころか攻撃を当てる事が出来なかった。
シャドウナイトは反撃として、剣先でカーリスの体を剣先で軽く斬って行った。
致命傷にはならないが、動く度に傷口から血が流れていた。
カーリスは追い込まれる度に剣の鋭さが増して行った…が、それでもシャドウナイトに攻撃を一切当てる事が出来なかった。
「パラディンで加護持ちでもその程度ですか?」
「先生⁉先生が引き受けた魔物達はどうしたんですか⁉」
「倒したに決まっているじゃないですか。あの程度は敵ではありませんから…」
「くっ…先生、見てないで助けるという事はしないんですか!」
「危なくなったら助けますよ。ですがまだ余裕がありそうではないですか!頑張って倒してみてくださいね。」
結構…無茶振りを振った。
此処はダンジョンの80階層で、敵の強さはレベル80と同程度…カーリスが如何に優れたジョブで加護持ちであっても、本当の死闘を知らない者に勝てる訳が無かった。
カーリスは何度もシャドウナイトに斬り掛かるが、その攻撃は全て避けられた。そして反撃で手の甲の腱を斬られると、剣を落として拾い上げる事が出来なくなっていた。
カーリスは地面に落ちた剣を何度も触れて持ち上げようとするが、手に力が入らずに拾い上げる事が出来なかった。
そしてシャドウナイトはカーリスの剣を踏み付けながら、カーリスを蹴り飛ばした。
カーリスは吹っ飛んで行き、すぐに体勢を起こしたが…手元に武器が無いのであたふたと左右を確認しているだけだった。
「そろそろ助けてあげましょうかねぇ。それにしても、シャドウナイトの攻撃はイヤらしい攻撃をしますが…あんな風に設定したっけ?」
シャドウナイトはまるで弱者をいたぶる様に剣では攻撃せずに、拳で殴ったり足で蹴りを入れていた。
カーリスは殴られて蹴られる度に分かり易くダメージが表面に表れていた。
そして涙目になりながらも体を丸めて攻撃に耐えていた。
「カーリスさん、助けはいりますか?」
「見てないで助けてくれよ!」
「助ける為には条件があります。これから先生の言う事には絶対服従で、今後は真面目に授業に出ると約束をして下さればお助けしますよ。」
「分かったから助けてくれ!」
「あ、でも…カーリスさんは先生との約束を平気で破りましたよね?そんな人の話を真に受ける程、先生は馬鹿ではありませんよ。」
あの時の出来事を少々意地悪く仕返しをした。
「分かったから、早く助けて下さい!」
テルパはシャドウナイトの攻撃を魔法で拘束して止めた。
「貴女の口約束は信用出来ませんので、契約魔法を使用しますね。アグリメンス!」
「そんな物を使用しなくても約束は守る‼」
「拘束…解きますよ?」
「わ、分かった!アグリメンス‼」
互いの契約が完了し、テルパは剣でシャドウナイトを消滅させた。
「これで約束は果たされましたので、明日から宜しくお願いしますね!」
「アタイが手古摺っていた相手をあんな一瞬で…」
「先生は色々な場所で死ぬ様な位の経験をしていますからね。ヒール!」
カーリスの怪我を完全回復させると、カーリスは立ち上がって落ちていた剣を拾った。
「これからアタイは先生の授業に出てやるよ。だが、それは先生に従う訳ではない!このダンジョンは先生が作ったダンジョンだって言ったよな?」
「はい、このダンジョンは先生が演習場の疑似魔物の装置を廃棄して作ったダンジョンです。」
「ならアタイの目標は、強くなってアタイに恥を欠かせたあの魔物を倒す為だ!先生の授業を受ければ、アタイは強くなるんだろ?」
「それはカーリスさん次第ですが、私は貴方が強くなれる様に指導はしていきますよ。」
「なら、アイツを倒せるまで先生に従うよ。」
「目標が低いですが…まぁ、最初はそれ位で良いでしょ。では戻りましょうか!」
テルパは転移魔法を使用すると、カフェテラスに戻って来た。
「授業は明日から開始致しますので、ちゃんと来るのですよ!」
「契約魔法を使ったんだから行くよ。明日から宜しくな!」
カーリスはカフェテラスを出て自室に戻って行った様だ。
「これでまずは1人…残りの4人もこう楽に事が運ぶと良いのですが…?」
テルパの懸念した通り、他の4人はこんなに簡単には行かなかった。
残り4人…5人そろって授業が出来る様になるのはいつになるのだろうか?
カーリス・ドリーム・ドートリッシュ公爵令嬢。
父親は王家の盾の王国近衛騎士団の騎士団長のハインリヒだ。
「あのおっさんの娘だったのか。という事は、親子揃って頑固そうだね。」
テルパは闇の閃光の時代に王宮に呼ばれた際に、王国近衛騎士団のハインリヒには面識がある。
基本的に騎士団と冒険者の関係は非常に悪い為に、貴族から選出されている騎士団から見れば、貴族ではない平民や他国の者達である冒険者の事はあまり良く思っていない。
騎士団の中には冒険者の実力を認めている者達も中にはいるが、基本は騎士団よりも下の存在に見られる傾向がある。
そして団長のハインリヒも典型的な貴族既出なので、冒険者を快くは思っていなかった。
「ジョブがパラディンで聖騎士の加護持ちねぇ?」
パラディンは騎士系のジョブで最上位のジョブである。
しかも加護持ちとなると、戦場に出れば負け知らずで生還をするという力を持つのだが…?
それは実際に戦場で活躍している場合であって、学生で戦場をほとんど知らない者だとただの宝の持ち腐れであった。
「兄妹の中では剣術に長けていて、父親とは互角…ねぇ?」
加護持ちの場合にはそういう事はたまにあるが、兄妹や父親が大した事が無くて実力はそう高くないと取れなくもない。
普通に考えて戦場で戦って来た者と戦場を知らぬ者が互角とは考えにくい。
兄妹や父親が手加減をしていたか、本当に兄妹や父親のレベルが低いのか?
「なら、カーリスの相手は剣で良いでしょう。完膚なきまでに叩きのめしましょう!」
テルパはカフェテラスで1人で居るカーリスを見付けると声を掛けた。
「ちっ…先生もしつこいね!」
「あの書き込みはどういう事でしょうか?」
「先生とアタイでは勝負にならないから、優しさのつもりでやっただけなんだけどな。」
「そうですか…そうですよね、私とカーリスさんでは相手になりませんよね。」
「分かっているじゃないかせんせ…」
「戦場を碌に知らない子供が私に勝てる訳もありませんからね。カーリスさんは引き際を解っていらっしゃる。」
「なんだと…⁉」
「最近の騎士は実力を見抜けずに自分の方が強いと思っている人が多いですからね。貴女のお父様を見ていれば良く解ります。」
「面白い事を言うじゃないか!先生は余程自信があるんだな?」
「自信ではなく事実を述べただけですよ。貴女に比べたら、まだゴブリンの方が手強いでしょうし…」
カーリスは分かり易い程に挑発に引っ掛かってくれた。
天狗になっている上にプライドが高い…更にゴブリン以下とまで言われた日には、さすがのカーリスも黙ってはいられない。
「先生が痛い目に遭って学園を去るのが可哀想だと思って手を出さないでいたが、ここまで馬鹿にされるとアタイのプライドが許さない!」
「そして場所を指定してまた来ない気ですよね?これだから口ばっかで実力が無い人は…そんなに負けるのが怖いのですか?」
「上等だ!今すぐ叩きのめしてやるよ‼」
カーリスはテーブルに立て掛けてあった剣を取ると立ち上がった。
「さすがに此処でやったら被害が出ますからね。場所を移動しますね。」
テルパは転移魔法である場所に移動した。
そこはダンジョン80層にある古代王国跡の闘技場だった。
「中々お誂え向きの場所じゃねぇか!散々舐めた口を聞いたんだ、覚悟は出来ているよな?」
「はて?それは自分自身に言い聞かせた言葉でしょうか?」
「ぬかせ!」
カーリスは私に対して喉を目掛けて突いて来た…と思ったら軌道を変えて左から斬り掛かって来た。
テルパはそこへ剣を合わせてからカーリスの剣を下に向けていなすと、カーリスは体勢を崩して地面に手を付いた瞬間に首元に剣を当てた。
「口だけで呆気なかったですね。戦場ではこれで勝負が決まっていましたよ。」
「なら殺れよ!」
「いえいえ、この程度ではやりませんよ。貴女を完膚なきまでに叩きのめそうと思っていますから。」
「調子に乗るな‼」
カーリスは私の頭に向けて斬り掛かって来た。
だがその攻撃を剣で躱すと、一歩踏み込んでから体の向きを変えようとして…柄がカーリスの顔を殴ってしまった。
「あ、ごめんなさい!止めるつもりが当たってしまいました。」
「態とだろ?」
「そうです、態とですよ。あれだけの口を叩いた癖に、この程度の攻撃も躱す事が出来ない何て…それで良く私に痛い目を遭わすとか言えたものですね?」
「くっ…!」
カーリスは再び振り被って強撃を入れて来た…が、私は剣で弾いた。
すかさずカーリスの首に刀身を当てた。
そしてカーリスは再び斬り掛かって来たが、全て弾かれて首に心臓に…という感じで全ての急所に刀身を当てた。
「いい加減、実力の差に気付いてくれませんか?これで貴女は何度死にました?」
「まだだ!アタイの本気の剣を見せてやる‼」
「おや?とっくに本気だと思っていましたけど?」
「抜かせ‼奥義!紅蓮蝶の舞‼」
多彩な方向からの高速剣で私目掛けて攻撃を仕掛けて来た…が、それ等の剣を合わす事も無く全て躱してから首に刀身を当てた。
「何で…この技を躱せるんだ⁉この技は親父でさえ躱せなかったのに…」
「それは親心で正面から受けていただけで、本来なら躱せたでしょうね。それにこの技ですが、動いている的に当てる様に訓練はしましたか?軌道から察するに、動いていない標的に対しての攻撃に見えましたが?」
カーリスは地面に剣を差して膝をついて頭を垂れていた。
言葉通りに完膚なきまでに叩きのめした…というか、少しやり過ぎた。
このままそっとしておこうかとも思ったのだったが、そうも言っていられない状況になったのだった。
「あら?さすがに少し騒ぎ過ぎましたか!」
「あぁ?」
闘技場にデュラハンとシャドウナイトが10体現れた。
「な…何だよアイツ等は⁉」
「ここは学園内の闘技場ではなく、私が作ったダンジョンの闘技場だったのですよ。だけど少し騒ぎすぎて魔物達に見付かってしまったようです。」
「こんな奴等…」
「デュラハンとシャドウナイトの9匹を引き受けますので、1匹はカーリスさんにお願いします。パラディンなのですから、1匹位は倒せるでしょ?」
テルパは敵を引き付ける挑発スキルでデュラハンとシャドウナイトを引き付けて場所を変えた。
カーリスは目の前にいるシャドウナイト相手に剣を構えた。
「アタイは今ムシャクシャしているんだ!八つ当たりに付き合って貰うぞ‼」
カーリスは攻撃を仕掛ける…がシャドウナイトはカーリスの剣を簡単に弾いた。
カーリスは何度も攻撃を仕掛けるが、シャドウナイトに掠る事どころか攻撃を当てる事が出来なかった。
シャドウナイトは反撃として、剣先でカーリスの体を剣先で軽く斬って行った。
致命傷にはならないが、動く度に傷口から血が流れていた。
カーリスは追い込まれる度に剣の鋭さが増して行った…が、それでもシャドウナイトに攻撃を一切当てる事が出来なかった。
「パラディンで加護持ちでもその程度ですか?」
「先生⁉先生が引き受けた魔物達はどうしたんですか⁉」
「倒したに決まっているじゃないですか。あの程度は敵ではありませんから…」
「くっ…先生、見てないで助けるという事はしないんですか!」
「危なくなったら助けますよ。ですがまだ余裕がありそうではないですか!頑張って倒してみてくださいね。」
結構…無茶振りを振った。
此処はダンジョンの80階層で、敵の強さはレベル80と同程度…カーリスが如何に優れたジョブで加護持ちであっても、本当の死闘を知らない者に勝てる訳が無かった。
カーリスは何度もシャドウナイトに斬り掛かるが、その攻撃は全て避けられた。そして反撃で手の甲の腱を斬られると、剣を落として拾い上げる事が出来なくなっていた。
カーリスは地面に落ちた剣を何度も触れて持ち上げようとするが、手に力が入らずに拾い上げる事が出来なかった。
そしてシャドウナイトはカーリスの剣を踏み付けながら、カーリスを蹴り飛ばした。
カーリスは吹っ飛んで行き、すぐに体勢を起こしたが…手元に武器が無いのであたふたと左右を確認しているだけだった。
「そろそろ助けてあげましょうかねぇ。それにしても、シャドウナイトの攻撃はイヤらしい攻撃をしますが…あんな風に設定したっけ?」
シャドウナイトはまるで弱者をいたぶる様に剣では攻撃せずに、拳で殴ったり足で蹴りを入れていた。
カーリスは殴られて蹴られる度に分かり易くダメージが表面に表れていた。
そして涙目になりながらも体を丸めて攻撃に耐えていた。
「カーリスさん、助けはいりますか?」
「見てないで助けてくれよ!」
「助ける為には条件があります。これから先生の言う事には絶対服従で、今後は真面目に授業に出ると約束をして下さればお助けしますよ。」
「分かったから助けてくれ!」
「あ、でも…カーリスさんは先生との約束を平気で破りましたよね?そんな人の話を真に受ける程、先生は馬鹿ではありませんよ。」
あの時の出来事を少々意地悪く仕返しをした。
「分かったから、早く助けて下さい!」
テルパはシャドウナイトの攻撃を魔法で拘束して止めた。
「貴女の口約束は信用出来ませんので、契約魔法を使用しますね。アグリメンス!」
「そんな物を使用しなくても約束は守る‼」
「拘束…解きますよ?」
「わ、分かった!アグリメンス‼」
互いの契約が完了し、テルパは剣でシャドウナイトを消滅させた。
「これで約束は果たされましたので、明日から宜しくお願いしますね!」
「アタイが手古摺っていた相手をあんな一瞬で…」
「先生は色々な場所で死ぬ様な位の経験をしていますからね。ヒール!」
カーリスの怪我を完全回復させると、カーリスは立ち上がって落ちていた剣を拾った。
「これからアタイは先生の授業に出てやるよ。だが、それは先生に従う訳ではない!このダンジョンは先生が作ったダンジョンだって言ったよな?」
「はい、このダンジョンは先生が演習場の疑似魔物の装置を廃棄して作ったダンジョンです。」
「ならアタイの目標は、強くなってアタイに恥を欠かせたあの魔物を倒す為だ!先生の授業を受ければ、アタイは強くなるんだろ?」
「それはカーリスさん次第ですが、私は貴方が強くなれる様に指導はしていきますよ。」
「なら、アイツを倒せるまで先生に従うよ。」
「目標が低いですが…まぁ、最初はそれ位で良いでしょ。では戻りましょうか!」
テルパは転移魔法を使用すると、カフェテラスに戻って来た。
「授業は明日から開始致しますので、ちゃんと来るのですよ!」
「契約魔法を使ったんだから行くよ。明日から宜しくな!」
カーリスはカフェテラスを出て自室に戻って行った様だ。
「これでまずは1人…残りの4人もこう楽に事が運ぶと良いのですが…?」
テルパの懸念した通り、他の4人はこんなに簡単には行かなかった。
残り4人…5人そろって授業が出来る様になるのはいつになるのだろうか?
121
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる