【不定期】自意識過剰の勘違い勇者は、今日も聖女に縋りつく！

聖女メローナと勇者カースの章

第五話 謝罪…

　現在、冒険者ギルドのカウンターの前で私メローナは、カースから…

　「メローナ、戻って来てくれないか？」
　「え、普通に嫌ですけど。」

　謝罪も無しに一方的に戻って来てくれ宣言を受けていた。

　「メローナが出て行った事で俺達のパーティーはもうボロボロなんだ！」
　「それは…自業自得なのでは？　私は最初に言いましたよね…本当に宜しいのですかと。　その問いにカースは何て答えましたっけ？」
　「だから…それを踏まえて戻って来て欲しいと。」
　
　この男は何を言っているのでしょうか？
　あ、ホームに入れなくて前で騒いでいたという話を聞きましたね。
　あのホームは私が加入している事で入れたというのに、自分の力と勘違いしていたなんて…なんて滑稽なんでしょうか？

　「時間の無駄ですから、カースはさっさと新しいメンバーを探したらどうですか？　私は何を言われても戻る気なんてさらさらありませんので。」
　「な…何故⁉」
　「だって、先程から聞いていれば…貴女は私に謝罪をしましたか？　一方的に戻って来て欲しいとか言われて戻る訳ないでしょ？」
　「そ…それは、俺が悪かった！」
　「はい、謝罪は受け取りました。」
　「じゃあ、戻って来て…」
　「…あげる訳ないでしょう！　謝罪は受け取りましたけど、それとこれとは話が別です。」

　私は立ち去ろうとすると、カースは道を塞いできた。

　「まだ何か？」
　「男がここまで頭を下げているのに…何故それが伝わらないんだ！」
　「なら、聞きますけど…貴方が私に言った事は覚えているんですか？　結構ディスっていましたよね？」
　「俺は何か言ったのか？」
　「覚えていないのでしたら別に良いです。　もう2度と貴方には関わらないのでそのつもりで…」

　私はカースの横を通り過ぎようとすると、更に回り込んで来た。

　「はぁ…まだ何か？」
　「俺は何を言ったかは覚えていないが…聖女ならそれ位の事を水に流すとかは出来ないのか？」
　「都合の良い解釈ですね。　私は貴方からかなり酷い事を言われているというのに、それを覚えてない何て…」
　「どうしたら許してくれる？」
　「どうしたらも何も、私に言った事を全て思い出したら…その件は許してあげましょう！」
　「わかった、少し待っていてくれ！」

　さて、メローナはカースにしばし思い出す時間を与えました。
　カースは本当に思い出すのでしょうか？