19 / 20
クズ聖女とゲス勇者の章
閑話 モブ娘たちの努力
しおりを挟む
私の名前はエーファ、年齢は17歳でカミュ様と同じ年。
今日もカミュ様に美味しい料理を届ける為に頑張ります!
朝4時…
私はベッドから起きてから身支度を整えると、畑に行って作物を収穫する事から始めます。
家族にはその日1日分の料理を鍋で作り置きし、もう1つの鍋にはカミュ様への料理を用意致します。
他の2人に比べて私のは肉が入っていませんが、栄養を補える豆料理が得意なのでそれをお作りして持って行きます。
味付けは岩塩のみですが、長くじっくりと煮込む事により、野菜の甘みと岩塩の塩が馴染んで丁度良い味付けに変化します。
「お肉が入っていないから、高級感はあまりない田舎の素朴な料理なのよね。」
完成した料理をいつも通り、カミュ様にお持ち致します。
カミュ様はいつもお仰います。
「今日も美味しそうだな。肉が入っていないが、この味付けや肉に変わる食材で栄養面を心配してくれてありがとう!」
私はカミュ様の眩しい笑顔にくらくらしています。
カミュ様は他の子達の料理も一緒に持って行きます。
味の比較をされるかもしれませんが、私のはきっと大丈夫!
他の2人よりはマシなはずよ!
いつも前向きなエーファだった。
~~~~~~~~~~~~
私の名前はビーナ、年齢は16歳で猟師の娘。
父が猟師をしていて、毎日多くの魔物を狩って来るので、今日もカミュ君の為に料理を作ります。
「若い物は肉が大好きなんだよ!」
父の言葉を信じて、私の料理は肉中心のメニューです。
とは言っても、ステーキばかりではただの肉焼きなので、料理とは呼べません。
私は毎日思考を凝らして、食べやすい肉料理を開発して行きました。
まず、魔物の骨で旨味を引き出してから、その後に肉と少量のニンニクや野菜を入れて煮込んで行きます。
野菜を入れる事により、肉の臭みを消してくれます。
そして煮込んだ事により、溶けた野菜を取り除いてから、肉のみのシチューを持っていきます。
「今日も悪いな…おっと、俺の好きな肉料理か!」
「味は薄めにしてあるよ。」
「いつも悪いな、俺の為に…」
カミュ君の爽やかなイケメンフェイスに、私の鼓動は高鳴ります。
カミュ君は他の子達の料理を受け取ると、一緒に持って帰りますが…選ばれるのは私の料理の筈です!
さて、明日もカミュ君の為に料理を作らなきゃ!
~~~~~~~~~~~~
私はシータ、年齢は15歳で三人娘の中で割と裕福な家庭です。
裕福とは言っても、所詮は田舎の家で貴族には到底及びません。
そんな私の得意とする物は料理で、家には商人から仕入れた様々な調味料があります。
今日も、カミュ君の為に料理を作りますわ!
私の用意する料理は、肉と野菜のスープとパンです。
肉は湯煎して油気を取り除いてから、塩と調味料で味を調えて…
野菜は煮込む事により野菜の甘みを引き出してから、仕上げ前に肉を入れてから一煮立ちさせる。
パンは作る過程で少し置いてからふっくらさせたものを焼いて仕上げるという…王都の街で作るやり方をそのまま実行しています。
そして完成させた料理をカミュ様に持って行くと?
「シータの料理はいつも美味しそうだね。僕はシータの料理が一番好きだな。」
勿論カミュ様がそうおっしゃるときは、あの2人がいない時です。
そうは言ってもカミュ様は、社交辞令で2人の料理を貰ってからちゃんと持ち帰ります。
ですが、カミュ様の私の料理が一番と言ったあの笑顔は嘘ではありません。
エーファやビーナには悪いですが、カミュ様の心は私が戴ですわ!
~~~~~~~~~~~~
帰路につくカミュは、家に入る前に貰った料理を開けてみた。
「エーファは相変わらず野菜だけの料理かよ…俺は動物じゃねーんだぞ!」
そう言ってエーファの料理を豚の皿に入れてから「餌だ喰え!」と言って器に入れた。
「ビーナも相変わらず肉料理だが、油でギドギドじゃねぇか!俺を太らせる気かよ、冗談じゃねぇぜ!」
そう言って豚の皿に餌の追加としてビーナの肉料理を追加した。
「一番まともだと言えるのはシータ位だが…味付けはイマイチだし、調味料の使い方がなってねぇな!それにパンも中身がスカスカでパサパサだしよ。これならまだ自分で作った方がマシだな。」
カミュは豚の皿にシータの料理を追加してやった。
豚は喜んでがっついていた。
「俺様に喰わせたいと思うなら、もっとまともな物を作って来いよ!こんな豚が喜んで喰う様な物を俺に喰わせようとするんじゃねぇよ!」
カミュは思った。
やはり、俺のイケメンを生かせるのは王都の貴族令嬢くらいだと。
そして…貴族令嬢と結婚をしてから楽に人生を生きて、毎日美味い物を喰いながら豪遊するのがカミュの目標だった。
「この村にいる間は、あの女共でも少しは役に立つんだし、次は金でもせびってみるかね?」
カミュは豚の家畜五世を見て微笑んだ。
豚の名前は、家畜五世…四世までは既に出荷されていた。
丸々太れたのは、モブ娘達のお陰なのだが…カミュはその事には一切感謝などしていなかった。
そう…彼女達の努力は全くの無駄に終わっていた。
いや、今迄の家畜を出荷出来た訳だから全くの無駄という訳ではないか。
カミュは外面はイケメンだが、中身は最低なゲスだった。
果たして…この回の最終回を迎えるまでに、お気に入り登録人数はどれくらい減るのだろうか?
今日もカミュ様に美味しい料理を届ける為に頑張ります!
朝4時…
私はベッドから起きてから身支度を整えると、畑に行って作物を収穫する事から始めます。
家族にはその日1日分の料理を鍋で作り置きし、もう1つの鍋にはカミュ様への料理を用意致します。
他の2人に比べて私のは肉が入っていませんが、栄養を補える豆料理が得意なのでそれをお作りして持って行きます。
味付けは岩塩のみですが、長くじっくりと煮込む事により、野菜の甘みと岩塩の塩が馴染んで丁度良い味付けに変化します。
「お肉が入っていないから、高級感はあまりない田舎の素朴な料理なのよね。」
完成した料理をいつも通り、カミュ様にお持ち致します。
カミュ様はいつもお仰います。
「今日も美味しそうだな。肉が入っていないが、この味付けや肉に変わる食材で栄養面を心配してくれてありがとう!」
私はカミュ様の眩しい笑顔にくらくらしています。
カミュ様は他の子達の料理も一緒に持って行きます。
味の比較をされるかもしれませんが、私のはきっと大丈夫!
他の2人よりはマシなはずよ!
いつも前向きなエーファだった。
~~~~~~~~~~~~
私の名前はビーナ、年齢は16歳で猟師の娘。
父が猟師をしていて、毎日多くの魔物を狩って来るので、今日もカミュ君の為に料理を作ります。
「若い物は肉が大好きなんだよ!」
父の言葉を信じて、私の料理は肉中心のメニューです。
とは言っても、ステーキばかりではただの肉焼きなので、料理とは呼べません。
私は毎日思考を凝らして、食べやすい肉料理を開発して行きました。
まず、魔物の骨で旨味を引き出してから、その後に肉と少量のニンニクや野菜を入れて煮込んで行きます。
野菜を入れる事により、肉の臭みを消してくれます。
そして煮込んだ事により、溶けた野菜を取り除いてから、肉のみのシチューを持っていきます。
「今日も悪いな…おっと、俺の好きな肉料理か!」
「味は薄めにしてあるよ。」
「いつも悪いな、俺の為に…」
カミュ君の爽やかなイケメンフェイスに、私の鼓動は高鳴ります。
カミュ君は他の子達の料理を受け取ると、一緒に持って帰りますが…選ばれるのは私の料理の筈です!
さて、明日もカミュ君の為に料理を作らなきゃ!
~~~~~~~~~~~~
私はシータ、年齢は15歳で三人娘の中で割と裕福な家庭です。
裕福とは言っても、所詮は田舎の家で貴族には到底及びません。
そんな私の得意とする物は料理で、家には商人から仕入れた様々な調味料があります。
今日も、カミュ君の為に料理を作りますわ!
私の用意する料理は、肉と野菜のスープとパンです。
肉は湯煎して油気を取り除いてから、塩と調味料で味を調えて…
野菜は煮込む事により野菜の甘みを引き出してから、仕上げ前に肉を入れてから一煮立ちさせる。
パンは作る過程で少し置いてからふっくらさせたものを焼いて仕上げるという…王都の街で作るやり方をそのまま実行しています。
そして完成させた料理をカミュ様に持って行くと?
「シータの料理はいつも美味しそうだね。僕はシータの料理が一番好きだな。」
勿論カミュ様がそうおっしゃるときは、あの2人がいない時です。
そうは言ってもカミュ様は、社交辞令で2人の料理を貰ってからちゃんと持ち帰ります。
ですが、カミュ様の私の料理が一番と言ったあの笑顔は嘘ではありません。
エーファやビーナには悪いですが、カミュ様の心は私が戴ですわ!
~~~~~~~~~~~~
帰路につくカミュは、家に入る前に貰った料理を開けてみた。
「エーファは相変わらず野菜だけの料理かよ…俺は動物じゃねーんだぞ!」
そう言ってエーファの料理を豚の皿に入れてから「餌だ喰え!」と言って器に入れた。
「ビーナも相変わらず肉料理だが、油でギドギドじゃねぇか!俺を太らせる気かよ、冗談じゃねぇぜ!」
そう言って豚の皿に餌の追加としてビーナの肉料理を追加した。
「一番まともだと言えるのはシータ位だが…味付けはイマイチだし、調味料の使い方がなってねぇな!それにパンも中身がスカスカでパサパサだしよ。これならまだ自分で作った方がマシだな。」
カミュは豚の皿にシータの料理を追加してやった。
豚は喜んでがっついていた。
「俺様に喰わせたいと思うなら、もっとまともな物を作って来いよ!こんな豚が喜んで喰う様な物を俺に喰わせようとするんじゃねぇよ!」
カミュは思った。
やはり、俺のイケメンを生かせるのは王都の貴族令嬢くらいだと。
そして…貴族令嬢と結婚をしてから楽に人生を生きて、毎日美味い物を喰いながら豪遊するのがカミュの目標だった。
「この村にいる間は、あの女共でも少しは役に立つんだし、次は金でもせびってみるかね?」
カミュは豚の家畜五世を見て微笑んだ。
豚の名前は、家畜五世…四世までは既に出荷されていた。
丸々太れたのは、モブ娘達のお陰なのだが…カミュはその事には一切感謝などしていなかった。
そう…彼女達の努力は全くの無駄に終わっていた。
いや、今迄の家畜を出荷出来た訳だから全くの無駄という訳ではないか。
カミュは外面はイケメンだが、中身は最低なゲスだった。
果たして…この回の最終回を迎えるまでに、お気に入り登録人数はどれくらい減るのだろうか?
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ざまぁされるための努力とかしたくない
こうやさい
ファンタジー
ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。
けどなんか環境違いすぎるんだけど?
例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。
作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
続・冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
の続編です。
アンドリューもそこそこ頑張るけど、続編で苦労するのはその息子かな?
辺境から結局建国することになったので、事務処理ハンパねぇー‼ってのを息子に押しつける俺です。楽隠居を決め込むつもりだったのになぁ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる