特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?

アノマロカリス

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第二章

第九話 意外な再会と厄介ごとの予感。

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 食事が終わった僕達は、ダーネリアとルーナリアの下着を揃える為に女性服売り場の店に入った。
 そこは、マダム・フロワージュという女主人が経営している女性専門の店らしい。
 一般の服から下着にビキニアーマーまでそろえているという店なのだが、男子禁制という女性達の聖地とも呼べる店だった。
 なので僕とブレイドは、店の外で待っているという感じだった。

 「じゃあ、選んで来るね!」
 「少し時間が掛かるかもしれませんが。」
 「気に入った物が見付かるまで、好きなだけ見て来ると良い。僕とブレイドは、前の通りの店にいるから。」

 僕とブレイドは、前にあるオープンカフェで注文しながら待つ事にした。

 「ルーナリアが少しという話だから、店の前で待てば良いんじゃないか?」
 「甘いな、女性の少しは1時間単位だぞ。」
 「なぬ?そんなに待たされるのか⁉」
 「ブレイドは、以前のパーティーの時はポンコツ以外は女性だったんだろ?買い物に付き合った事とか無かったのか?」
 「あぁ、自分はその時は別行動をさせて貰っていたからな。」
 「そうか、僕の時は勇者パーティーの荷物持ちだったから、自分が待つのを辞めて離れると、後で鬼の様に責められた挙句、仕置きをされるという事があったからな。まぁ、アイツ等とは違うから大丈夫だとは思うが、それでも2時間~3時間は覚悟しないとだな。」
 「そんなに待つのか⁉なら、どうやって時間を潰す?」
 「丁度良いから、これからの旅の事でも話して待つとしよう。」

 僕とブレイドは、話をしながら店を見ていた。

 「これからこの街を出てから、3つの村を過ぎた場所にテオドール温泉村がある。その背後にある山がデオドリア火山だ。」
 「そこがクラスチェンジが出来る石碑がある場所か!」
 「ブレイドの現在のジョブが、ウォーリアだと…次にクラスチェンジが出来るのは、グラディエーターになるぞ!」
 「ナイトでは無いのか?」
 「ナイトになる為のファイターのジョブは、盾を持たないとファイターには認定されない。なんだ、ブレイドはパラディンにでもなりたかったのか?」
 「いや、そういう訳ではないが…」
 「ブレイドのジョブの両手剣装備者は、闇クラスに属する為に…最終的なジョブは何だったっけ?」
 「ん?クラスチェンジって1回だけじゃないのか⁉」
 「クラスチェンジの事を知っていても、そこまでは知らなかったのか。クラスチェンジは5段階あり、ウォーリアの場合は、グラディエーター→デュエリスト→ベルセルク→???になるはず。」
 「最後の???はどういう意味だ?」
 「さぁな、ベルセルクだけでも剣聖より上のジョブだからそれ以上になるのだろうけど、ハッキリとした事は解らない。」

 伝承の魔剣使いがベルセルクまでクラスチェンジした話は、文献か何かで知っているが。
 それ以上の存在を知って、ベルセルクの魔剣使いがその方法を探ったが…道半ばで倒れてからその所在が分からなくなったという話だった。
 一部でささやかれているのは、魔界に行くとその手掛かりがあるという話だが?
 憶測の域を脱しない話なので、本当かどうかを知っている者はいないだろう。

 「テイトもクラスチェンジはするのか?」
 「僕の場合は、良く解らん。アンノウンというジョブ自体がまず何なのかが解らないし、それ以上があるとも思えないんだよね。【獲得経験値数〇倍】や【派生】のスキルの効果がそのままか、それ以上の効果になるのならクラスチェンジはしてみたいとは思うけど。」
 「下手したら失う可能性があるという事か?」
 
 僕は頷いた。
 こればかりは本当に解らない。
 もしかしたら…という可能性も信じてみたい気はするが、アンノウン…正体不明の上位が何になるのかが思い付かない。
 派生も別に問題なく使えるスキルだから、僕は別にクラスチェンジは望まなくても平気だろう。
 
 「ルーナリアとダーネリアはどうするのか?」
 「この国での目的を果たしたら、別の大陸に行くので…強くなるに越した事は無いので、クラスチェンジをさせようと思う。」
 「黒魔道士や白魔道士の最上位って何だ?」
 「黒魔道士は、確か魔人か賢者だったかな?白魔道士は、導師か聖女だった気がする。」
 「何か曖昧だな?」
 「僕は魔道士系はあまり興味が無かったのでな。」

 クラスチェンジは一応、クラス3までの方法は伝承に残っているが、クラス4の方法は記されていない。
 時代と共に失われたのか、魔王に匹敵する程に危険なのかも不明だった。
 まぁ僕は、グルメ旅行がメインなのでそこまで強くある必要はないと思っていた。

 「それにしても長いな?」
 「時間的には1時間は経ってい入るが、まだ出て来ないな。」
 「これだけ時間があるのなら、訓練場でソニックブームのやり方を学べたかもしれんな。」
 「あ~~~訓練場じゃなくても、ここでも出来るが?」

 僕は空間魔法からショートソードを取り出した。
 そしてショートソードを握ってから、刀身にオーラを纏わせてみせた。

 「こんな感じでこのショートソードにオーラを纏わせられるようになれば、ソニックブームは可能だ。」
 「それはショートソードでしか出来ないんじゃないか?」
 「剣の長さは然程問題では無いんだ。鍔の部分から剣先までオーラを纏わせられるかが鍵になる。」
 「どうすれば出来る様になる⁉」
 
 僕は両手を頭1つ分離した状態で構えると、目を閉じて静かに集中してから体内に流れるオーラを手に集中させた。
 すると、両手の間から光の様な物が出現すると、両手の中心に光の球の様な物に姿を変えた。

 「これがオーラの源だよ。これからやり方を説明するから練習してみると良い。」
 「わかった!」

 ブレイドは僕と同じ様に手を広げて集中していた。
 だが?

 「体中に流れるオーラを手に集中させるんだ。手に力を入れれば良いという訳じゃない!」
 「難しいな…自分でも出来るだろうか?」
 「ブレイドは魔法が使えないから、感覚で身に付けるしかないんだよね。僕は魔法が使えるから、それと同じ方法で何となくコツはすぐ掴んだけど。」

 人には向き不向きがある。
 そういう意味では、ブレイドは戦闘では器用だが…それ以外では割と不器用な方である。
 オーラの活用法は、一度身に付けてしまえば問題はないが、身に付ける迄が結構苦労がある。
 なので、こればかりは地道に練習して行くしかないのだが…?

 「ブレイド、街から出た時に本格的なオーラ修業をするとしよう。本格的なオーラ修業は、この街では狭すぎるし、何より周りに被害が及ぶからな!」
 「わかった。」

 それにしても覚悟していた事だが、2時間は経過しているが一向に戻って来る気配がない。
 好きに見て来ると良いと言ったのは僕だし、待っているしかないのだが?

 「なぁ、テイト…向こうの方が何か騒がしくないか?」
 「ん?何か人だかりが出来ているな!」

 僕とブレイドが向いた方向に、人だかりが出来ていた。
 僕とブレイドは、店員に2人の女性が来たら待っている様にと伝えると、その人だかりの方に向って行った。
 するとそこには、ガラの悪い男達に囲まれていた僕と近い女の子と年が下の男の子がいた。
 何やら厄介事の様だったので無視をしようとしたが、ブレイドが中に入ってガラの悪い男達を叩きのめしてしまった。 
 僕は手で頭を押さえると、ブレイドが連れて来た女の子と男の子は少し怪我をしていた。
 僕とブレイドは、その2人を連れてカフェに戻ると、回復魔法を掛けて手当てをしてあげた。

 「先程は助けていただき、ありがとうございました。私の名はミレイ、こっちは弟のラキです。」
 「あのガラの悪そうな奴等は何だったんだ?」
 「あの者達は………」

 どうやらこの2人は訳ありの姉弟みたいだった。
 話を聞こうとした時、丁度ダーネリアとルーナリアが戻って来た。
 すると…?

 「貴女は…ミレイ?」
 「黒…それに白⁉」

 この街でダーネリアとルーナリアの顔馴染みに会ったのだった。
 そして僕達はミレイの話を聞く事になったのだった。
 
 休暇の為にこの街で滞在する筈が、また厄介事に巻き込まれるのであった。
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