特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?

アノマロカリス

文字の大きさ
32 / 65
第二章

第八話 その話は、興味がありません!

しおりを挟む
 バルーデンの街に着いた僕等は、真っ先に冒険者ギルドを目指した。
 そして受付でギルドカードを提示してから、ギルドホールにガルーダの死体を出現させて説明をした。

 「なるほど、ガルーダの所為でギャルクラド山の魔物が散らばっていたのですね?」
 「はい、ですので周辺の冒険者ギルドに報告をし、Cランク以上の冒険者にギャルクラド山の周辺の土地に人員を配置し対処に当たらせて欲しいのです。」
 「わかりました、テイト様の報告に偽りがないようですので、大至急各支部に通達致します!」

 受付嬢は、傍らにある真実の水晶という魔道具を確認しながら緊急クエストをクエストボードに貼り付けた。
 すると、Cランク以上の冒険者がクエストボードを確認すると、すぐさま冒険者ギルドから出て行った。
 緊急クエストに指定されたランクの冒険者は、拒否権が無い。
 まぁ、かなりの人数が出て行ったので問題なく対処が出来ると思い、僕等もホッとしていた。

 「冒険者テイト様、ギルドマスターがお呼びです!」
 「ギルドマスター…ですか?」
 「はい、事が事ですので!」

 僕は受付嬢に案内をされて、ギルドマスターの部屋に来た。
 そして冒険者ギルドのバルーデン支部のギルドマスターサトリと話をする事になった。

 「此度の件は大変ご苦労様でした。話は全て受付から届いております!」
 「それなら説明が省けて楽ですね。」
 「それにしても、ギャルクラド山の山の主であるグリフォンが進化してガルーダになったとは!俄かには信じられない話ですね。」
 「証明出来るものがホールに置いたガルーダの死体だけですからね。」
 「大丈夫ですよ、疑ってはおりませんので。それにガルーダの死体なんて、そうそう落ちている訳では無いですからね。」
 「あんなのが他にもいるとは考え難いですからね。」
 「確かに…それで、ガルーダの報奨金ですが…少し待っては戴けませんか?」
 「時間が掛かりますか?」
 「ガルーダともなると、伝承にある魔獣…いえ、魔神クラスの化け物ですからね。扱い的には、魔王の配下と同等くらいの強さですから、金額の設定が難しいのです。」
 「でしたら、グリフォンの報奨金でも別に構いませんよ。進化したとはいえ、元はグリフォンなので…」
 
 僕は会話を終わらせて、さっさと冒険者ギルドから出たかった。
 これ以上話をしていると、絶対に厄介な話が待っているからだった。

 「テイトさん、貴方はマクファーレン港の海獣クラーケンも討伐成されておりますよね?そこで英雄の称号を受け取ったと。」
 「巨大烏賊を倒したら、ギルドのランクと英雄を貰いましたね。英雄は別に要りませんが、ギルドランクが上がったのは良かったです。」
 「そして今回のガルーダ討伐なのですが、先程王国に問い合わせからの返事では、テイト様をSランクに昇格させろというお達しを受けました。」
 「王国に…ですか?それは本当にSランクの昇格だけですか?」
 「いえ、それと勇者に相応しい品格を兼ね揃えているかの確認もせよ!…と。」

 やっぱりこうなったか。
 偉業を達成すると、必ずって言っていい程に勇者の選出される資格を得るんだよな。
 これが嫌だったから早く帰りたかったのに。

 「Sランクになりたいけど、同時に勇者になれというのでしたらお断り致します。僕はAランクのままで良いので!」
 「ガルーダを討伐した者をAランクに留めて置く訳には参りません。勇者の辞退は構いませんが、せめてSランクは貰って戴かないとこちらが困ります。」
 「え?王国の勇者って断れるの?」
 「断れますよ、本人の意思が無ければね。そうじゃなければ、Sランクの人間のほとんどが全て勇者になっていますよ。」
 「確かに、国によってはAランクでも勇者になれますからね。」

 トールもSランクで勇者になった訳ではない。
 なんだ、断れるのなら焦らなくても良かった。

 「ではSランクはありがたく戴きますが、勇者になるというのは興味がありませんし、断らさせて戴きます!」
 「わかりました。此方も強制は出来ませんので…しかし珍しいですね。普通の冒険者は手柄を立てて英雄や勇者になりたがろうとするのに。」
 「勇者になると、あのクソ面倒な書類を押し付けられて冒険に出られなくなりますからね。あんな思いはもう2度としたくはないので!」
 「テイトさんは、勇者になった者の近くに居られたのですか?」
 「ついこの間、勇者を剥奪された勇者トールがいますよね?僕はアイツのパーティーメンバーでした。最も、アイツ自身は僕の事をパーティーの汚点だと思っていて、勇者パーティーのメンバー紹介の新聞の記事でも僕の名前は公表されませんでしたからね。」
 「それは…知りませんでした。」
 「王都の冒険者ギルドの職員に尋ねると良いですよ、トールがSランクパーティーに上がる条件に、僕を斬り捨てる事がギルド職員からの条件だったみたいですので。」
 
 さすがに他の支部のギルドマスターでは、この情報は伝わっていなかったか!
 まぁ、ここまで頑なに拒否していたら、勇者を進められる事は無いだろうな。

 「では、勇者の資格は辞退するという事で了承致しますが、代わりに英雄の称号は受け取って貰います。」
 「英雄の称号って…既に【民を苦しめていた海の悪魔を討伐した英雄】という称号はありますが?」
 「えぇ、それとは別に今回のガルーダを討伐した事により、【天災級クラスの魔神を討伐した英雄】という称号が加えられます。」
 「また大袈裟な称号が増えたな。まぁ、勇者になる位ならそっちの方がまだ気が楽なのは確かだけど。」
 「えぇ、受け取って戴き感謝致します。」
 「あと、この事はまた新聞に載るんですよね?前の新聞もそうでしたが、僕は勇者になる気が無いのに、今勇者に一番近い男とか書かれていて凄く迷惑したんですが。」
 「あれは新聞社が部数を販売する為に書いた事なので流して下さい。此方には削除申請が出来ませんので。」
 
 僕はギルドマスターの部屋を出ると、受付に行って手続きをした。
 僕はパーティーリーダーという事でSランクに昇格、ブレイドは変わらず現状維持だが、ダーネリアとルーナリアはBランクに昇格した。
 
 「さて、今回は少し街でゆっくりしようと思う。今回のガルーダの件が新聞に載るという話だが、王都の新聞社が新聞を発行して此方に来るまでに1週間近く掛かるという事なので、5日後に街を出る事にしよう。」
 「では、それまでは…自由時間か?」
 「あぁ、だがまずは宿屋を探してからな!拠点無しで動く訳にはいかないからな。」

 今回のガルーダ討伐の報奨金は、かなりの金額だった。
 僕はそれを四等分してメンバーに配った。
 そしてこのバルーデンという街はかなり大きい街なので、久々にゆっくりする為にこの街で3番目に大きいという宿屋に行って部屋を取った。
 部屋は大部屋で、かなり広くて風呂が付いていた。
 
 「あと、街の散策だが…僕とブレイドは大丈夫だが、ダーネリアとルーナリアは1人や2人でうろつくなよ。外出でたい時は僕かブレイドに頼れ!」
 「街の中だから大丈夫という訳じゃないの?」
 「街中でも危険エリアとかはあるからな。大きな街程、1つ裏手に入ると危険な場所も多い。スリはいるし、詐欺師も多いからな。」
 「確かに、自分ならこういった街は慣れているから問題はないが、2人だけだとすぐに絡まれるぞ!」
 「なので、ブレイドはルーナリアをエスコートしてやれ!僕はダーネリアをエスコートするから。」

 僕の意見にダーネリアとルーナリアは賛成する様に頷いた。
 あのキャンプの一見以降、2人で行動できる場所は無かったし、気を使ってやった。
 …というのは建前で、ブレイドを1人にすると好き勝手に行動して僕が2人の面倒を見る事になりそうだからだ。

 「まぁ、まずは腹ごしらえをしてからだな。その後に生きたい場所はあるか?」
 「私とお姉ちゃんは、下着が欲しいのだけど。」
 「そういえば、下着の類はあまり揃えていなかったな…構わないよ。」
 「今日くらいは特に分かれて行動する必要はないだろう。街を把握する為にも、皆で見て回ろうか!」
 「ブレイドがそれで良いなら、そうしよう。てっきり武器屋に行くとかいうと思っていたが?」
 
 僕達は宿を出てからまずは食堂に向かった。
 そこで食事をし終わった後にショッピングをする事になった。

 そして、今回のガルーダ討伐の新聞にはとんでもない事が書かれるのだが?
 今の4人には知る由も無かった。
しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった

黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった! 辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。 一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。 追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...