【完結】異世界転移特典で創造作製のスキルを手に入れた俺は、好き勝手に生きてやる‼~魔王討伐?そんな物は先に来た転移者達に任せれば良いだろ!~

アノマロカリス

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魔大陸編の章

第七話 魔王樹・デヴァルダムツリーの交渉

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 ルファリアは、ラックに放った光のマーカーを頼りに谷を移動していた。

 「街の住人の話だと、魔王樹はこの先にあるという話だけど?」

 ルファリアは慎重に進んで行くと、途中から焦げた何かの臭いが風の乗って漂って来た。

 ~~~~~ラックの場所では?~~~~~

 「言っておくが、俺には話なんてないぞ!」

 「ま、待つのじゃ! わらわはお主に対して交渉を行いたいと申しておるのじゃ‼」

 「交渉は不要だ! 後はお前を始末すれば俺の悪夢は開放されるんだからな‼」
 
 「わ、わらわを見逃してくれるのなら、後日お主に望みの物を叶えても良い‼」

 「後日じゃなくて今叶えろ! お前…後日とか言っているが、そのままバックレる気だろ?」

 魔王樹は、図星を差されたような顔をしていた。

 「な…何の事じゃ?」

 「嘘が下手な奴だな、交渉したいのならもう少しポーカーフェイスを勉強しろ!」

 俺はこんなのに構っている暇はない。

 さっさとコイツを始末して、次の街に行きたいだけだ。

 俺は溜息を吐くと、剣を構えて近付いて行った。

 「ま、ま、ま、待ってくれなのじゃ! お主は人間じゃろ? 人間ならば欲しい物は金や銀じゃろ?」

 「金や銀はいつでも作れるから別に要らん。 偉そうな態度を取っていた割には大した力はなさそうだな?」

 「そ…そうじゃ! まずは自己紹介をしよう。 わらわの名は…」

 「俺はお前の名前なんかに興味はない! これから始末される奴の名前を知りたいとは思わないしな!」

 「わ…わらわの名前は、魔王樹デヴァルダムツリーじゃ‼」

 「は?」

 魔王樹って…迷い人達の対象の魔王だったよな?

 魔大陸から魔界に引っ越して来たのか?

 「おい…多少の知恵があるからって名前を偽っているそこの樹! 嘘を吐くのならマシな嘘を吐け‼」

 「わらわは嘘なんか吐いてはおらんが?」

 「魔王樹って魔大陸にいると言われる厄災の権化の事だろう? そんな奴が何故魔界にいるんだよ?」

 「お主…頭は大丈夫かの?」

 「何だと? お前は俺の事を馬鹿だと言いたいのか?」

 俺は頭に来て剣を振り翳した。

 すると魔王樹デヴァルダムツリーは、その場で土下座をして頭を地面に打ち付けた。

 「す、済まぬのじゃ‼ 決してお主を馬鹿にしたのではなく…ここが魔大陸と言いたかったのじゃ!」

 「は? ここは魔界だろ?」

 「いえ、ここは魔大陸です。」

 俺は後ろを振り返ると、ルファリアが息を切らせながら会話に参加して来た。

 「ルファリアここは本当に魔大陸なのか? 俺はラッキから雲海の下は魔界と聞いていたんだが…」

 「ラッキ様も伝承で聞いていただけなので、雲海の下は魔界の大地と疑っていなかったみたいですね。」

 「つまり何か? 俺は勇者達と共に倒す筈の魔王を追い込んでいるのか?」

 「はい…まさかラック様が世界の厄災と呼ばれる魔王樹を1人で追い詰めていたなんて思いませんでしたわ!」

 俺はコイツに遭いたくなくて戦いを回避しよとしていたのに…まさか1人で追い詰めているとは思わなかった。

 「ふむ…? ならばお前を生かしておく理由は無くなったな!」

 「ま、待つんじゃ‼ そうじゃ、わらわを見逃してくれるのであれば…引き換えにお主の望む物を与えよう! お主は何を望む?」

 「ラック様、魔王との交渉何てしてはなりません!」

 「俺の欲しい物は…この世界全部だ‼」

 「「は?」」

 「俺の願いを叶えてくれるんだよな? ほら、さっさと叶えろ‼」

 「え…いや、あの…お主は世界を手に入れて何をする気じゃ?」

 「俺が世界を手に入れたら…逆らう者は蹂躙し、女や金銀財宝は全て手中にし、気に入らぬ物や人がいたら破壊してやろうと思っている。」

 「わ…わらわよりよっぽど魔王じゃないかえ!」

 「俺の願いを叶えてくれるんだろ? さっさと叶えて見せろ‼」

 「今のわらわにその力はない…」

 「そうか、なら死ね!」

 「ま、待つんじゃ! 今のわらわにはその力はないが、お主が世界を手に入れる手助けは出来るじゃろう!」

 「お前さっき、理由を付けてバックレようとしただろ? そんな奴のいう事を素直に信じると思っているのか?」

 「そ…それは! あ、そうじゃ! 先程までお主の願いを知っておらんかったからじゃ! 目的を知ったのなら協力は出来るのじゃ!」

 「お前、今思い付いた様な発言をしておいて俺が信じると思っているのか? お前は俺の事を単純な馬鹿だと思ってないか?」

 「そ…そんな事は思っとらんのじゃ! それでどうじゃ? わらわの力…使ってみる気はないかえ?」

 「不要だ! 俺は自分の力でもやり遂げられるからな! 口で誤魔化して裏切ろうとする奴のいう事をまともに聞く気はない!」

 俺は空の容器を魔王樹デヴァルダムツリーに放り投げてから、ガソリン+ニトログリセリンの入った物を投げ付けた。

 ガソリン+ニトログリセリンは魔王樹デヴァルダムツリーに当たると再びぶっ掛ける事に成功し、地面に手を触れてから鋼の球状で魔王樹デヴァルダムツリーを囲い始めた。

 そして穴が徐々に閉じて行く瞬間を狙ってマッチで付けた火を投げ込むと、すぐに穴を塞いだ。

 鋼の球状の中では勢い良く燃えて爆発し始めたのだった。

 鋼の球状で囲っているのなら酸欠で爆発しないだろうと思っているかもしれないが、その為の空の容器だった。

 本来なら何かの薬品を詰める為に用意したのだが、薬品が足りなくなって余ってしまったので空の容器に入っているのはただの酸素だった。

 つまり…本来なら酸欠になる筈の球状だが、爆発するにつれて空の容器も破裂する為に酸素が補充されて連鎖的に爆発力を生み出したのであった。

 ガソリンだけなら鋼の球状も問題は無かったのだったが、ガソリン+ニトログリセリンの威力は凄まじくて…内側から暴発して鋼の球状の形を変えて行ったのだった。

 「さすがにあの威力なら生きてはいないだろう…」

 「それよりもラック様、先程魔王樹との交渉の際に世界を手に入れて…という話は本当なんですか?」

 「あぁ、あれは嘘だ。 俺は世界をどうこうする気はない。 あの時は魔王樹の企みを知る為に聞き出そうとしていただけだ。」

 「その話…信じても宜しいのですか?」

 「俺は元の世界では居場所がないからな、こっちで新たに生活を始めようと思っているのに、世界を征服する気は無いし、怠くてそんなかったるい事はする気もない。」

 「それなら良いのですが…」

 「それよりも爆発音がしなくなったな。」

 俺は鋼の球状を解除すると、焦げて30㎝位に小さくなった魔王樹デヴァルダムツリーが「ポエェェェェ…」という声を発していた。

 「なんだ、まだ生きているのか?」

 「わ…わらわにはもう何も出来ぬ! このまま見逃してはくれぬか?」

 「どうするルファリア?」

 「仮にも魔王を名乗る者です…が、ここ迄小さくなったら何も出来ないしょう。」

 「…とルファリアが言っているので見逃してやる…」

 その言葉に魔王樹デヴァルダムツリーはニヤリと笑みを浮かべた。

 「何て言うと思っているのか? ほれ、除草剤!」

 俺はスプレー容器の中にある除草剤をあるだけ散布した。

 巨大なツリーの状態なら除草剤も効果が無いだろうが、ここ迄小さくなったら効果はあった。

 魔王樹デヴァルダムツリーは小さな悲鳴を上げながら徐々に縮んで行って…最後には綺麗さっぱり消滅したのだった。

 「よし、これで終わった!」

 「弱くなって命乞いをしているのに、何てえげつない事を…」

 「だがアイツが生きていると、各地の厄災の種はそのまま残っているんじゃないか? ただ本体が消滅すれば、種も消滅するだろ?」

 「それは…そうですが。」

 ルファリアは何処か納得していない顔をしていた。

 何はともあれ…迷い人である勇者達が倒す筈の魔王樹デヴァルダムツリーを倒す事が出来た!

 …で?

 倒したら何かしらの事が起きると思っていたが…何も起こらんな?

 小説とかの話だと、いきなり神の宮殿にでも飛ばされるかと思ったが…?

 アーダインの村にある転移陣に行かないと何も起きないのか?

 「あ、そうだルファリア! お前…俺に放った転移陣が使えなくなる魔法を解いてくれ!」

 「そうでしたね…諸悪の権現の魔王樹は討伐されたのですから、魔法は解いて差し上げますわ!」

 俺はルファリアから放った光が解除された。

 これで転移陣が使える様になる!

 「それにしても神からは何のコンタクトがないが…まさか魔王樹って他にもあるのか?」

 「あんなものが2つも3つもあるとは思えません。」

 「だよな…?」

 やはりアーダインの村の転移陣に行くしかないのかねぇ?

 俺はその場で少し休息してからダメルベーゼの街に向かう事しようとした。

 「ラック様、我がトラヴィスオーケア王国に一緒に赴いては貰えませんか?」

 「ルファリアの故郷だっけ? 俺が行って何かあるのか?」

 「魔王を倒した者として、我が国王陛下にお会いして欲しいのです。」

 何だか面倒な事が待っている気がしないな…?

 適当な理由を付けて逃げようとすれば、また転移陣を封じられる魔法とか掛けられそうだしな。

 ここは素直にいう事を聞く事にするか。

 そして俺はルファリアに着いてトラヴィスオーケア王国に向かったのだった。

 案の定…王国で待っていたのは厄介事なのだった。
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