45 / 95
バックれ計画の章
第四十四話
しおりを挟む
この世界の服は色によって分けられる。
黒に近い色は貴族を表す色で、黒は公爵で紺は侯爵という感じになっている。
私達神殿の関係者は白色が多く、平民は黄色か土色、赤や青や緑といった色は騎士団の象徴する色だった。
何が言いたいのかというと、街の往来で人混みに飲み込まれて逸れたとしても…純白の様に真っ白だと遠目でも目立つ。
今日も街中を散策するという名目で街に繰り出してきたのだが、護衛の4人を撒く為に敢えて人混みの中に紛れたのだった。
護衛の神殿騎士団達との打ち合わせでは、仮に逸れてしまった場合はその場に留まって迎えに来るのを待つという物だったんだけど…私はその内容を無視して雑貨屋に入った。
どうせすぐに見つかるとは思うけど、その見つかる迄の僅かな時間を狙って平民の服を手に入れるのだった。
…とはいえ、この辺があざといのが護衛の者達が雑貨屋で購入した物を店員に聞いていちいち調べたりする。
そこで平民の服を購入したとなると、後で没収されてしまう。
物々交換で手に入れるという手もあるんだけど、それでも護衛の者達の口を割らずに黙っている店員はいない…ので、私は平民の服をパクる方向にしていた。
ただし…ただパクると流石に店員にバレる。
私は事前に作っていたポーションを10本を買い取りで店員に査定させて注意が逸れている間に、店の中の商品を見せて下さいと言いながら平民の服を収納魔法でパクるのだった。
ただパクる訳では無い。
ポーションの査定され提示された金額よりも多少安く換金する。
これなら心が痛むという事はないので…ウィンウィンな関係を築けたのだった。
(いえ、立派な犯罪行為です)
私はポーションの代金を受け取ったすぐ後に、シーダとディーナが店に入って来た。
「リアラ様、逸れたらその場に留まるようにと言ってありましたよね!」
「私の立っていた場所の背後が薄暗い裏通りに面していたので不安になってしまい…恐くて近くの店に入りました。」
「そういう理由ならやむを得ませんが…」
この言い訳にシーダは疑う事はなかった。
ただ、今後は逸れない様にと注意をされただけだった。
それにしても、逸れた時に結構離れた位置で良くこの店に私が居るって気付けたなぁ…?
そう思っていたら…シーダもディーナも手にヒラに収まる程の小さな石を持っていた。
その石は私の近くで薄っすらと光を放っていた。
私を見つける為の魔道具なのかな?
だとしたら…私の何に反応しているのだろう?
私は神殿に戻ってから自室でテルミガンに聞いてみた。
「それは恐らくですが…マスターの法衣に施された術式に反応している物だと思います。」
「この法衣なら良かったけど、本当に法衣だけよね?魔力に反応している訳じゃないんだよね?」
「人の魔力を測る魔道具は存在しますが、魔力反応で見つけ出せる魔道具は存在しません。」
テルミガンの話を聞いてとりあえずは安堵した。
魔力反応で追跡されたらまずアウトだけど、法衣なら脱げば問題無いし、今日手に入れた平民の服に着替えれば追跡されずにバックれる事が可能だからだ。
後はいつバックれるか…だけど、まだまだシーダとディーナとの親密度も足りないし、アルファとオメガもかなり手強い相手だった。
4人に信用させてから親密度を上げないと、バックれは絶対に成功しない。
私はとりあえず、シーダとディーナとの親密度を更に上げる方法を精を出そうと決めたのだった。
「次は、女性神官直伝のテクニック上級編を実践するぞぉ~!」
黒に近い色は貴族を表す色で、黒は公爵で紺は侯爵という感じになっている。
私達神殿の関係者は白色が多く、平民は黄色か土色、赤や青や緑といった色は騎士団の象徴する色だった。
何が言いたいのかというと、街の往来で人混みに飲み込まれて逸れたとしても…純白の様に真っ白だと遠目でも目立つ。
今日も街中を散策するという名目で街に繰り出してきたのだが、護衛の4人を撒く為に敢えて人混みの中に紛れたのだった。
護衛の神殿騎士団達との打ち合わせでは、仮に逸れてしまった場合はその場に留まって迎えに来るのを待つという物だったんだけど…私はその内容を無視して雑貨屋に入った。
どうせすぐに見つかるとは思うけど、その見つかる迄の僅かな時間を狙って平民の服を手に入れるのだった。
…とはいえ、この辺があざといのが護衛の者達が雑貨屋で購入した物を店員に聞いていちいち調べたりする。
そこで平民の服を購入したとなると、後で没収されてしまう。
物々交換で手に入れるという手もあるんだけど、それでも護衛の者達の口を割らずに黙っている店員はいない…ので、私は平民の服をパクる方向にしていた。
ただし…ただパクると流石に店員にバレる。
私は事前に作っていたポーションを10本を買い取りで店員に査定させて注意が逸れている間に、店の中の商品を見せて下さいと言いながら平民の服を収納魔法でパクるのだった。
ただパクる訳では無い。
ポーションの査定され提示された金額よりも多少安く換金する。
これなら心が痛むという事はないので…ウィンウィンな関係を築けたのだった。
(いえ、立派な犯罪行為です)
私はポーションの代金を受け取ったすぐ後に、シーダとディーナが店に入って来た。
「リアラ様、逸れたらその場に留まるようにと言ってありましたよね!」
「私の立っていた場所の背後が薄暗い裏通りに面していたので不安になってしまい…恐くて近くの店に入りました。」
「そういう理由ならやむを得ませんが…」
この言い訳にシーダは疑う事はなかった。
ただ、今後は逸れない様にと注意をされただけだった。
それにしても、逸れた時に結構離れた位置で良くこの店に私が居るって気付けたなぁ…?
そう思っていたら…シーダもディーナも手にヒラに収まる程の小さな石を持っていた。
その石は私の近くで薄っすらと光を放っていた。
私を見つける為の魔道具なのかな?
だとしたら…私の何に反応しているのだろう?
私は神殿に戻ってから自室でテルミガンに聞いてみた。
「それは恐らくですが…マスターの法衣に施された術式に反応している物だと思います。」
「この法衣なら良かったけど、本当に法衣だけよね?魔力に反応している訳じゃないんだよね?」
「人の魔力を測る魔道具は存在しますが、魔力反応で見つけ出せる魔道具は存在しません。」
テルミガンの話を聞いてとりあえずは安堵した。
魔力反応で追跡されたらまずアウトだけど、法衣なら脱げば問題無いし、今日手に入れた平民の服に着替えれば追跡されずにバックれる事が可能だからだ。
後はいつバックれるか…だけど、まだまだシーダとディーナとの親密度も足りないし、アルファとオメガもかなり手強い相手だった。
4人に信用させてから親密度を上げないと、バックれは絶対に成功しない。
私はとりあえず、シーダとディーナとの親密度を更に上げる方法を精を出そうと決めたのだった。
「次は、女性神官直伝のテクニック上級編を実践するぞぉ~!」
1
あなたにおすすめの小説
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の侯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした侯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親は必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のない、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
満場一致で削除されましたが、世界は問題なく回っております』
鷹 綾
恋愛
王太子アルベルトは、ある日、貴族全会の満場一致によって廃嫡された。
断罪もなければ、処刑もない。
血も流れず、罪状も曖昧。
ただ「順序を飛ばした」という一点だけで、彼は王位継承の座から静かに削除される。
婚約者だった公爵令嬢エリシアは、婚約破棄の時点で王都の構造から距離を取り、隣国との長期協定を進めていく。
彼女の世界は合理で動き、感情に振り回されることはない。
一方、王太子が選んだ“新たな聖女”は、どこまでも従順で、どこまでも寄り添う存在だった。
「殿下に従わない者は、私が処理しておきます」
その甘い囁きの裏で、王都では“偶然”が重なり始める。
だが真実は語られない。
急病も、辞任も、転任も、すべては記録上の出来事。
証拠はない。
ただ王太子だけが、血に濡れた笑顔の悪夢を見る。
そして気づく。
自分のざまあは、罰ではない。
「中心ではなくなること」だと。
王都は安定し、新王は即位し、歴史は何事もなかったかのように進む。
旧王太子の名は、ただ一行の記録として残るのみ。
婚約破棄のその後に始まる、静かな因果応報。
激情ではなく“構造”が裁く、最強レベルの心理ざまあ。
これは――
満場一致で削除された男と、最初から無関係な位置に立っていた令嬢の物語。
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
悪役令嬢発溺愛幼女着
みおな
ファンタジー
「違います!わたくしは、フローラさんをいじめてなどいません!」
わたくしの声がホールに響いたけれど、誰もわたくしに手を差し伸べて下さることはなかった。
響いたのは、婚約者である王太子殿下の冷たい声。
わたくしに差し伸べられたのは、騎士団長のご子息がわたくしを強く床に押し付ける腕。
冷ややかな周囲のご令嬢ご令息の冷笑。
どうして。
誰もわたくしを信じてくれないまま、わたくしは冷たい牢の中で命を落とした。
病弱設定されているようです
との
恋愛
『あのようにご立派な家門にお産まれになられたのに⋯⋯お可哀想なご令嬢だそうですのよ』
なんて噂が流れているけれど、誰も会ったことがないミリー・ミッドランド侯爵令嬢。
ネグレクトなんて言葉はない時代に生まれ落ちて、前世の記憶を取り戻したら⋯⋯。
前世の記憶と共に無双します!
再開しました。完結まで続投です。
ーーーーーー
恋愛小説大賞27位、ありがとうございました(感謝)
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定。
完結確定、R15は念の為・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる