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バックれ計画実行の章
第五十四話
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私が目を覚ましたのは…戦いが終わってからキャンプをして4人が話しているところだった。
「リアラには色々驚かされるな。」
「あの魔法の事?」
「複合統一魔法なんて…太古の大魔導師が使用出来ていたという位に伝説の技法だぞ!」
「魔法は本来は1種類の身で、2つの魔法を組み合わせる何て普通は出来ないからね。」
「魔術学院の校長や宮廷魔術師様でも不可能でしょう。それをこんな子供が…」
4人は私の方を見て溜息を吐いた。
私はまだ起き上がる訳には行かないと思って、目を閉じたまま耳を傾けていた。
「それにしても…今日ほど逃亡のチャンスがあったと思うのに、逃亡どころか私達の手助けまでしてくれたよね?」
「やはり王子のリアラが逃亡するという話はデマだったんじゃないか?」
うんうん、良い具合に私の事を信用してくれているみたいね!
「王子から渡された魔道具を使おうか迷っていたが、使わなくて正解だったな!」
…ん?魔道具?
「王子の話では隙を見て逃亡する計画を練っているから、その素振りを見せた時には拘束の魔道具で逃亡させない様にしろと言って渡されたのよね。」
「あれは出発の2日前だったかしらね。」
「最悪なら奴隷紋も刻んでも良いって言っていた位だから…」
あのお花畑王子…私のバックれをバラしただけじゃなくて、そんな危ない物も渡していたのね。
これは流石に寝ている場合じゃないわね。
「随分物騒な事を話しているみたいだけど、何の事を言っているのかなぁ?」
「リアラ、起きていたの⁉」
「耳元の近くで私に対して物騒な話をしていれば寝ている訳には行かないわよ!」
私は溜息を吐くと、今此処に居ないお花畑王子を良い事に嘘を並べ立てる…以外に王子に不利になる発言も並べ立てた。
「私が逃亡するとか言っているみたいだけど…逃亡計画を考えていたのは寧ろカイル殿下の方だよ。」
「え?」
「僕は王子である身分を捨てて、広い世界で冒険者になって活躍をする為にリアラの旅に着いて行く。そして隙を見て逃亡するって…その為の準備を私にさせていた位なんだから。」
「な、何だと⁉」
「私も聖女になんかなりたくないし、王子と結婚する気もない!…そうカイル殿下に伝えたら、結婚を回避する方法として逃亡計画を持ち掛けられたんだから!」
「なら…この魔道具を渡して来た理由は?」
「どうせ自分の計画が失敗したものだから、自分の計画をバレない様にする為に本来は自分が逃亡するという話を私に置き換えて嫌がらせの為に渡して来たんじゃないかな?」
「ならリアラが逃亡するという話は?」
「全く無いしあり得ないわ!私は魔法は使えるけど、伝承の聖女様の様に無詠唱魔法なんて出来ないし…あくまでも護衛の背後で守られながらではないと魔法の詠唱をしている間に狙われて終わりよ!」
本当は無詠唱は使えるんだけどね。
皆の前では極力バレない様に詠唱を使って見せているのだった。
「だからわかった?私は皆に守られながらじゃないと、武器もロクに使えない小娘が見知らぬ土地で逃げ出そうなんて全く考えてないの。もしも私が皆を見捨てて逃亡するような人間だったら、グリフォンが襲って来た時に皆に犠牲になって貰ってその隙に逃げ出しているわよ!」
「確かにそうだな、グリフォンの風魔法の時も前に出て結界で防いでくれていたしな。」
4人は私の言葉を疑っている様子は無かった。
これで…私への疑いは晴れただろう。
なのでこの先は私に対する監視が緩くなって…隙を見てバックれる成功率が上がるってもんよ!
後は…最後にトドメの一言を言ってあげれば疑いは完全に無くなる筈。
「私にとって…アルファお兄ちゃんもオメガお兄ちゃんも、シーダお姉ちゃんもディーナお姉ちゃんも大事な家族だと思っているから。私は家族が傷ついたり酷い目に遭ったりするのが自分が傷つくよりも耐えられないよ。」
私は涙を浮かべた目で4人を見た。
テリガン侯爵家で奴隷のような生活を送っていた際に、涙の流し方と泣き真似はマスターしている。
なので年下の女の子が涙を浮かべて訴えて来たら…疑われる様な事はない。
アルファとオメガは照れくさそうな感じの仕草をし、シーダとディーナは私を抱き締めてくれた。
アルファは拘束の魔道具をその場で叩き壊してから、私の頭を撫でてくれた。
これで完全に信用して貰えただろう。
それにしても何てチョロい4人だろうか?
いずれは…そのチョロい甘さの所為で盛大に裏切られるというのに。
私は表面で涙を流して泣いていて、心の中では高笑いをして嘲笑っていた。
さて、バックれ計画も成功率はかなり上がったみたいだし…?
次の魔笛の使用でマジでバックれるとしますか!
…ところが次の魔笛での使用がグリフォン以上にとんでもない物を呼び寄せてしまったのだった。
~~~~~~~~~~~~
この作品の感想などをお待ちしております。
全く感想が無いもので、面白く読んで下さっているのかが解らなくて…(;^_^A
「リアラには色々驚かされるな。」
「あの魔法の事?」
「複合統一魔法なんて…太古の大魔導師が使用出来ていたという位に伝説の技法だぞ!」
「魔法は本来は1種類の身で、2つの魔法を組み合わせる何て普通は出来ないからね。」
「魔術学院の校長や宮廷魔術師様でも不可能でしょう。それをこんな子供が…」
4人は私の方を見て溜息を吐いた。
私はまだ起き上がる訳には行かないと思って、目を閉じたまま耳を傾けていた。
「それにしても…今日ほど逃亡のチャンスがあったと思うのに、逃亡どころか私達の手助けまでしてくれたよね?」
「やはり王子のリアラが逃亡するという話はデマだったんじゃないか?」
うんうん、良い具合に私の事を信用してくれているみたいね!
「王子から渡された魔道具を使おうか迷っていたが、使わなくて正解だったな!」
…ん?魔道具?
「王子の話では隙を見て逃亡する計画を練っているから、その素振りを見せた時には拘束の魔道具で逃亡させない様にしろと言って渡されたのよね。」
「あれは出発の2日前だったかしらね。」
「最悪なら奴隷紋も刻んでも良いって言っていた位だから…」
あのお花畑王子…私のバックれをバラしただけじゃなくて、そんな危ない物も渡していたのね。
これは流石に寝ている場合じゃないわね。
「随分物騒な事を話しているみたいだけど、何の事を言っているのかなぁ?」
「リアラ、起きていたの⁉」
「耳元の近くで私に対して物騒な話をしていれば寝ている訳には行かないわよ!」
私は溜息を吐くと、今此処に居ないお花畑王子を良い事に嘘を並べ立てる…以外に王子に不利になる発言も並べ立てた。
「私が逃亡するとか言っているみたいだけど…逃亡計画を考えていたのは寧ろカイル殿下の方だよ。」
「え?」
「僕は王子である身分を捨てて、広い世界で冒険者になって活躍をする為にリアラの旅に着いて行く。そして隙を見て逃亡するって…その為の準備を私にさせていた位なんだから。」
「な、何だと⁉」
「私も聖女になんかなりたくないし、王子と結婚する気もない!…そうカイル殿下に伝えたら、結婚を回避する方法として逃亡計画を持ち掛けられたんだから!」
「なら…この魔道具を渡して来た理由は?」
「どうせ自分の計画が失敗したものだから、自分の計画をバレない様にする為に本来は自分が逃亡するという話を私に置き換えて嫌がらせの為に渡して来たんじゃないかな?」
「ならリアラが逃亡するという話は?」
「全く無いしあり得ないわ!私は魔法は使えるけど、伝承の聖女様の様に無詠唱魔法なんて出来ないし…あくまでも護衛の背後で守られながらではないと魔法の詠唱をしている間に狙われて終わりよ!」
本当は無詠唱は使えるんだけどね。
皆の前では極力バレない様に詠唱を使って見せているのだった。
「だからわかった?私は皆に守られながらじゃないと、武器もロクに使えない小娘が見知らぬ土地で逃げ出そうなんて全く考えてないの。もしも私が皆を見捨てて逃亡するような人間だったら、グリフォンが襲って来た時に皆に犠牲になって貰ってその隙に逃げ出しているわよ!」
「確かにそうだな、グリフォンの風魔法の時も前に出て結界で防いでくれていたしな。」
4人は私の言葉を疑っている様子は無かった。
これで…私への疑いは晴れただろう。
なのでこの先は私に対する監視が緩くなって…隙を見てバックれる成功率が上がるってもんよ!
後は…最後にトドメの一言を言ってあげれば疑いは完全に無くなる筈。
「私にとって…アルファお兄ちゃんもオメガお兄ちゃんも、シーダお姉ちゃんもディーナお姉ちゃんも大事な家族だと思っているから。私は家族が傷ついたり酷い目に遭ったりするのが自分が傷つくよりも耐えられないよ。」
私は涙を浮かべた目で4人を見た。
テリガン侯爵家で奴隷のような生活を送っていた際に、涙の流し方と泣き真似はマスターしている。
なので年下の女の子が涙を浮かべて訴えて来たら…疑われる様な事はない。
アルファとオメガは照れくさそうな感じの仕草をし、シーダとディーナは私を抱き締めてくれた。
アルファは拘束の魔道具をその場で叩き壊してから、私の頭を撫でてくれた。
これで完全に信用して貰えただろう。
それにしても何てチョロい4人だろうか?
いずれは…そのチョロい甘さの所為で盛大に裏切られるというのに。
私は表面で涙を流して泣いていて、心の中では高笑いをして嘲笑っていた。
さて、バックれ計画も成功率はかなり上がったみたいだし…?
次の魔笛の使用でマジでバックれるとしますか!
…ところが次の魔笛での使用がグリフォン以上にとんでもない物を呼び寄せてしまったのだった。
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