聖女になんかなりたくない! 聖女認定される前に…私はバックれたいと思います。

アノマロカリス

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バックれ計画実行の章

第五十六話

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 「ダメだ…2人きりになるチャンスが無い‼︎」

 私はオメガに対して何度も接触を試みているが、一向に成功しない。

 考えてみれば、元々オメガは接触をされるのをあまり好まない。

 ならば、有名な偉人が名言した…「押してダメなら引いてみろ!」を実行する事にした。

 その日、私達は商業都市グランリーザと港の中継地点と呼ばれるカシリスの街にやって来た。

 中継地点という事でこの街も割と大きな街だったけど、歴史が浅い街の所為か神殿は存在しないので普通に宿屋に泊まる事になった。

 本来なら素通りをする筈だったが、グリフォンとの戦いでアルファとシーダの武器が破損し、ディーナの防具が破損をしていた為にやむ終えなく寄る事になった。

 3人が宿から出て武器屋や防具屋に行っている間、私の護衛はオメガのみになっていてチャンスだった筈なんだけど…?

 相変わらず歩み寄ろうとすると、あからさまに距離を取っていた。

 ここで偉人の名言の「押してダメなら引いてみろ!」を実践する事にした。

 私は扉を開けて部屋を出ようとすると、オメガは声を掛けて来た。

 「何処へ行く?」

 オメガの声を初めて聞いたけど、本当に凛々しい女性の声の様な感じだった。

 私はその声をもう一度聞きたいと思って聞き返そうとすると、オメガは黙ってしまった。

 仕方ないので扉を開けて出ようとすると、またあの声が聞こえて来た。

 3人がいないので、オメガだけだと不安になっているのか…オメガは接し方が分からないのか距離を取りながらもそれ以上の接触はしてこなかった。

 私はオメガを撒くために…

 「お花を摘みに行きますけど、一緒に来ますか?」

 …そう声を掛けると、オメガは目を閉じて手で行って来いという合図をした。

 この宿には便所は部屋には無いので、部屋から出ると…私はトイレに行かずに街に繰り出した。

 長い事戻らないとオメガは探し回る筈?

 まぁ、私用の追跡魔道具を持っているので簡単に追ってこれるだろう。

 私はオメガが来るまでの少ない時間の中で店を見て回っていた。

 極力武器防具屋から離れた場所で、オメガが付いて来れない店を探すと…それに相応しい店を見つけた。

 後はオメガが此方に来るまで適当に店を見て回っていると…オメガが険しい表情で此方に向かってくる姿が見えた。

 険しい表情の理由は単純に…便所に行くと言って宿から逃げ出したのが原因だ。

 ここで大人しく捕まってみても良いのだけど、今まで避けられていた腹いせをそんなに簡単に許せなかったので…私は先程の相応しい店に入った。

 オメガは追って来ようとしたが…店を前にして固まっていた。

 そこは女性用の下着専門店だった。

 流石のオメガも警護を理由に付いてくるという真似は出来ないエリアだったので、私が店から出てくるまで待ち構えていた。

 私は店の店員に「追われているんです、裏口はありませんか?」と声を掛けて、裏口からコッソリと出て逃げ出した。

 さて…私が逃げ出した事にいつ気がつくだろうか?

 オメガの声の特徴では、店員に声を掛けるという真似は出来ないはず…?

 私は出来るだけオメガから離れる為に走って行った。

 「オメガが追って来れない店は何処かに無いかな?」

 ところが、この通りにはオメガが入るには躊躇うような店は特に見つからなかった。

 魔道具屋にポーション屋、小物系の雑貨屋に食材の店等が並んでいた。

 各店を見ていると結構な品揃えだった。

 考えてみれば中継地点の街だけあって、外での移動で魔物の襲撃やキャンプする為の品揃えはピカイチだろう。

 それに此処には神殿は無いし、バシュハウアー王国の大神殿からもかなり離れている。

 無事にバックれたら、近くの森に拠点を築いてからこの街にポーションや小物や魔道具を卸しに来るのは良いかもしれない。

 そんな事を考えていると、前方にかなり怒り心頭のオメガの姿が見えた。

 私はオメガから逃げる様に避難出来る店を探すが見当たらなかった。

 そして追ってくるオメガに対して私は…ある秘策を思いついた。

 ただ、それをやるとシャレでは済まなくなるんだけど…大丈夫かな?
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