【完結】虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!

アノマロカリス

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第五章 悲恋の章

第一話 不穏な気配

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 見知らぬ男達に拉致られる1週間前…

 私は普段通りに店の中で働いていた。

 正直言って、ティファルさんが優秀過ぎて私は暇を持て余していた。

 そして閉店時間が来たので店を閉めてから、仕事終わりのミーティングを開始した。

 「では、ミーティングを開始致します。」

 「副店長!」

 「はい、ティファルさん。」

 「女性客の方々から、薔薇以外の香料を求める声があります。」

 「石鹸や洗髪剤で…ですよね?」

 「ハーブ系の香料で、ラベンダーやカモミールといった物が欲しいという声も…」

 「やはり来ましたか…花と違ってハーブ系の抽出方法が難しくて行き詰まっているんですよねぇ。 かろうじて出来たミントとラベンダーの石鹸や洗髪剤は試作品でありますので、今夜にでも効果の程を検証してみて下さい。」

 「分かりました、ラベンダーの石鹸と洗髪剤を使用してみますね。」

 ティファルさんは今迄住んでいた家を出て、今は店の2階の私に部屋の隣を使って貰っている。

 当然だけど、この店には風呂場も備えてあるので…試作品を使用するにはもってこいだった。

 「副てんちょ~良いかにゃ?」

 「はい、フリッツ!」

 「最近は冷却用の魔道具が売れ過ぎて在庫が乏しくなっているにゃ。」

 「冷却用の魔道具かぁ…材料は氷属性の魔物が素材になっているから、すぐには揃えられないかなぁ?」

 「どんな魔物にゃ?」

 「アイスバッドとフローズンベアーと…アイシクルホーンね。」

 「うっ……どれも無理にゃ!」

 「フリッツだと難しいかもね? 冒険者ギルドで依頼を発注しておく…いえ、フリッツは明日此処に来る前に冒険者ギルドに行って発注掛けておいて…」

 「了解にゃ!」

 フリッツが使う猫魔法は、基本的に攻撃系の魔法があまりない。

 全く無いわけではないんだけど、冷却用の魔道具の素材はランクC以上になるので、ランクEだったフリッツには荷が重かった。

 「お嬢!」

 「何、ブリオッシュ?」

 「最近では軽食のお客の中に獣人族が結構来る様になり、犬狼族は肉類を…猫人族は魚類の料理を注文して来るのですが…」

 「地下貯蔵庫に氷室を作って在庫を揃えておくわ、肉と魚と…他は無い?」

 「そういえば、師匠…スイーツ系を好まれるお客様も増えましたよね?」

 「あ、そうですね。 卵と砂糖も多めに揃えて下さると…」

 「それも発注掛けておくわ。」

 ティファルさんは料理もそこそこ出来るんだけど、ブリオッシュの腕には敵わないという話だった。

 ティファルさんはブリオッシュの料理の腕に惚れて色々教わっているという話だった。

 その為にティファルさんはブリオッシュを尊敬の念を込めて師匠と呼んでいる。

 ブリオッシュに腕は無いんだけど、どうやって教わっているんだろう?

 「最後に私から…魔道具の素材集めに為に何度か店を開けてしまうかもしれないので、ティファルさんとフリッツは店番をお願いね。」

 こうして閉店後のミーティングは終了した。

 フリッツはブリオッシュから晩飯と朝食分の御飯を貰って帰って行き、ティファルさんは試作品のラベンダーの石鹸と洗髪剤を持って風呂場に入って行った。

 私は最後に商品棚のチェックをしてから部屋に戻ると、何かの気配を感じて身構えていた。

 「リア、安心して…ボクだよ。」

 「パテット…まさか貴女は⁉︎」

 「ん?」

 「遂に盗みを働く様になってしまったの⁉︎」

 私はそう言うと、パテットは盛大にコケた。

 「あ、あのねぇ…」

 「それとも…夜這いに来たの⁉︎ サキュバス族って男女見境ないのね…」

 「誰がリアなんか狙うか! そうじゃなくて…」

 「パテット、何があったかは分からないけど…今なら罪は軽いわよ! さっさと白状しなさい‼︎」

 「ボクが何か犯罪行為をした様な言い方をするのは辞めてくれないかなぁ? ボクは誓って何もしてないよ。」

 「罪人や犯罪者も皆そう言うのよ、素直に話して…怒らないから。」

 パテットは溜め息を吐くと、私の方に近寄って来てから小声で話し掛けて来た。

 「ここ最近…リアの店を見張る様に見知らぬ奴等が彷徨いているから、リアは決して1人になっては行けないよ。」

 「パテットが部屋に居たのと関係があるの?」

 「リアがボク達以外が建物に入れない様に結界を張っているのは知っていたんだけど、奴等は魔道具らしきものを持ち出して屋根から侵入しようとしていたからね。 周囲にいる奴らは無視できるけど、流石に屋根にいるのは見過ごせなくてね。 それで大丈夫だとは思ったけど、一応部屋に入って気配を飛ばしていたんだよ。」

 「狙いは…やはりポーション絡みかな?」

 「1番の可能性はそれかもね。 だからリア、外に行く用事があっても…極力1人で出歩かないで誰かと合流してからにして。」

 「分かったわ!」

 しばらくの間は私も極力お店から出ない様にしていたんだけど、これと言って何も起きずに油断をしていた。

 そしてある日に、冒険者ギルドのギルドマスター直々に依頼をされて街の外に出てしまった。

 パテットがせっかく忠告をしてくれたにも拘らずに、私は男達に掴まって拉致されたのだった。

 果たして…奴等の目的は一体何なんだろうか?
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