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第三話 インテリ眼鏡の第一の刺客
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初戦を突破したグロリアは、2回戦に進み…
1回戦で出現させた鎧を2回戦でも使うと、対戦相手は棄権して不戦勝となった。
観客からは不満の声が上がったが、対戦相手の一言で収まった
「お前等…そんなに言うのなら、アイツと戦ってみろ‼︎」
こう言われたら観客も黙るしか無かった。
グロリア的には戦いは好まないので不戦勝は有り難かった。
そして3回戦に進んだグロリアだったが、この対戦相手が曲者だった。
「おい、このままだとグロリアが不戦勝を続けて優勝するのでは無いか⁉︎」
「いえ、次の相手は…そう簡単には行かないでしょう。」
「ほぉ…その根拠は?」
「3回戦でグロリアと戦うのは、英雄のチームの格闘士で…サーテイルの闘技場で九連勝を成した男です!」
「サーテイルの闘技場だと、この武道大会よりランクはかなり高いぞ! そこで九連勝なら期待は出来るか?」
「いえ、まともに戦えば…グロリアが勝利するでしょう…ですが?」
「何かの秘策があるのだな! インテリ眼鏡、お前を信じるぞ!」
「はっ!…って、インテリ眼鏡って自分の事ですか?」
「お前の名を知らんのでな。」
「自分はアレクセイであります!」
「そうか…覚えておこう。」
インテリ眼鏡の名前はアレクセイ…リュカの幼馴染アレックスの兄である。
アレクセイの人となりは…いずれ話す時が来るかもしれないが、それよりもグロリアだ!
『3回戦の対戦カードを発表する! これまで不戦勝で勝ち進んで来たグロリア! その対戦相手は、サーテイル闘技場で九連勝を達成させた格闘士ガイアンだ!』
する会場から歓声が湧き上がった。
観客達の中には、サーテイル闘技場の噂を知る戦いマニアが何名かいるからだ!
観客達は、グロリアに勝てないまでも良い勝負が出来ると睨んでいた。
「私は優勝をしないといけないの! こんな所で足を止める訳にはいかないわ‼︎」
「優勝か…そんなに賞金が欲しいのか?」
「賞金はいらないわ! 私が欲しいのは、神々の恩恵よ!」
「神々の恩恵…純粋な者の願いを叶えると言うマジックアイテムか。 あんたはそのアイテムに何を望むんだ?」
「私は…この高すぎる身長の所為で今迄フラれてばかりいるの! 私は神々の恩恵に身長を低くしてもらう事を望むのよ‼︎」
「フラれてばかりか…あんたをフった奴らは見る目がなかったんだな。 良かったじゃ無いか!」
「それはどういう意味ですか?」
「小さい方が可愛いとか、自分よりも身長が高いから嫌だとかというのは、その人間の器が小さいという事だ! 俺はそんな見方はしないぞ。」
「貴方も自分よりも身長が高い女性は嫌でしょう?」
「俺は器が小さくは無いからな! そんな事は気にしないし、それは個性でもあるから否定もしない。 俺は自分より強い者が数多くいる事を知っているし、自分よりも背が高い奴もいる事を知っている。 それ等はその人物が持つ個性であり、それ等を否定する権利は無いからな!」
グロリアはそんな事をいう男性に会ったのは初めてだった。
上辺だけで利用する人間の考えを持つ者には何人も会って来たが、こんなにも真剣な目付きで真摯に向かって来る男性は初めてだった。
「私は…身長が196cmもあるのよ!」
「俺は身長が193cmあるが、たった3cmなんて気にはしないぞ!」
「なら…私が付き合って欲しいと言ったら、付き合って貰えますか?」
「それは寧ろ俺から言いたい位だ! お前に一目惚れした、俺と付き合って欲しい‼︎」
グロリアの人生で、そんな熱烈な告白を受けたのは初めてだった。
免疫の無いグロリアは思わず了承しようとしたが、すぐに我に帰った。
「そんな事を言って…私を騙して勝ち上がりたいだけでは無いですか?」
「なら、お前と付き合えるのなら…勝利を手に入れたら大会を棄権しても良い。 これでは証明にはならないか?」
グロリアはガイアンの真剣な眼差しに対して、ガイアンの顔をまともに見る事が出来なかった。
グロリアの鼓動は未だかつて無いほどに躍動していたのだった。
「それでは証明にならない…そう言ったらどうしますか?」
「なら、その証拠を見せてやるよ!」
ガイアンはグロリアに近付いて行き、グロリアを強く抱きしめた。
グロリアは父親以外の男性に抱き締められたのは初めてだった。
そしてガイアンの顔を見ると、決してイケメンでは無いが精悍な漢らしい顔付きで、グロリアの目を真っ直ぐ見つめていた。
「あれは一体何をしているんだ?」
「グロリアは戦闘経験は豊富でも、恋愛経験は乏しいですからね…自分とあまり変わらない身長で真っ直ぐな心で攻められたら、グロリアも太刀打ちは不可能でしょうから…」
「つまり…精神攻撃か?」
「まぁ、精神攻撃と言えばそうなるのですが…あのガイアンという男は天然なのでしょうか? 彼の発言には嘘偽りなどは感じられません。」
「どうするんだ! グロリアが優勝して神々の恩恵を手に入れて身長が低くなるのも問題だが、あのガイアンという男と一緒になる為に騎士団を辞める事になったらそれこそ本末転倒だぞ‼︎」
「これは計算外でした…仕方ないですね、プランBを発動しますか!」
インテリ眼鏡…アレクセイのプランBとは一体⁉︎
グロリアは一体どうなってしまうのか⁉︎
1回戦で出現させた鎧を2回戦でも使うと、対戦相手は棄権して不戦勝となった。
観客からは不満の声が上がったが、対戦相手の一言で収まった
「お前等…そんなに言うのなら、アイツと戦ってみろ‼︎」
こう言われたら観客も黙るしか無かった。
グロリア的には戦いは好まないので不戦勝は有り難かった。
そして3回戦に進んだグロリアだったが、この対戦相手が曲者だった。
「おい、このままだとグロリアが不戦勝を続けて優勝するのでは無いか⁉︎」
「いえ、次の相手は…そう簡単には行かないでしょう。」
「ほぉ…その根拠は?」
「3回戦でグロリアと戦うのは、英雄のチームの格闘士で…サーテイルの闘技場で九連勝を成した男です!」
「サーテイルの闘技場だと、この武道大会よりランクはかなり高いぞ! そこで九連勝なら期待は出来るか?」
「いえ、まともに戦えば…グロリアが勝利するでしょう…ですが?」
「何かの秘策があるのだな! インテリ眼鏡、お前を信じるぞ!」
「はっ!…って、インテリ眼鏡って自分の事ですか?」
「お前の名を知らんのでな。」
「自分はアレクセイであります!」
「そうか…覚えておこう。」
インテリ眼鏡の名前はアレクセイ…リュカの幼馴染アレックスの兄である。
アレクセイの人となりは…いずれ話す時が来るかもしれないが、それよりもグロリアだ!
『3回戦の対戦カードを発表する! これまで不戦勝で勝ち進んで来たグロリア! その対戦相手は、サーテイル闘技場で九連勝を達成させた格闘士ガイアンだ!』
する会場から歓声が湧き上がった。
観客達の中には、サーテイル闘技場の噂を知る戦いマニアが何名かいるからだ!
観客達は、グロリアに勝てないまでも良い勝負が出来ると睨んでいた。
「私は優勝をしないといけないの! こんな所で足を止める訳にはいかないわ‼︎」
「優勝か…そんなに賞金が欲しいのか?」
「賞金はいらないわ! 私が欲しいのは、神々の恩恵よ!」
「神々の恩恵…純粋な者の願いを叶えると言うマジックアイテムか。 あんたはそのアイテムに何を望むんだ?」
「私は…この高すぎる身長の所為で今迄フラれてばかりいるの! 私は神々の恩恵に身長を低くしてもらう事を望むのよ‼︎」
「フラれてばかりか…あんたをフった奴らは見る目がなかったんだな。 良かったじゃ無いか!」
「それはどういう意味ですか?」
「小さい方が可愛いとか、自分よりも身長が高いから嫌だとかというのは、その人間の器が小さいという事だ! 俺はそんな見方はしないぞ。」
「貴方も自分よりも身長が高い女性は嫌でしょう?」
「俺は器が小さくは無いからな! そんな事は気にしないし、それは個性でもあるから否定もしない。 俺は自分より強い者が数多くいる事を知っているし、自分よりも背が高い奴もいる事を知っている。 それ等はその人物が持つ個性であり、それ等を否定する権利は無いからな!」
グロリアはそんな事をいう男性に会ったのは初めてだった。
上辺だけで利用する人間の考えを持つ者には何人も会って来たが、こんなにも真剣な目付きで真摯に向かって来る男性は初めてだった。
「私は…身長が196cmもあるのよ!」
「俺は身長が193cmあるが、たった3cmなんて気にはしないぞ!」
「なら…私が付き合って欲しいと言ったら、付き合って貰えますか?」
「それは寧ろ俺から言いたい位だ! お前に一目惚れした、俺と付き合って欲しい‼︎」
グロリアの人生で、そんな熱烈な告白を受けたのは初めてだった。
免疫の無いグロリアは思わず了承しようとしたが、すぐに我に帰った。
「そんな事を言って…私を騙して勝ち上がりたいだけでは無いですか?」
「なら、お前と付き合えるのなら…勝利を手に入れたら大会を棄権しても良い。 これでは証明にはならないか?」
グロリアはガイアンの真剣な眼差しに対して、ガイアンの顔をまともに見る事が出来なかった。
グロリアの鼓動は未だかつて無いほどに躍動していたのだった。
「それでは証明にならない…そう言ったらどうしますか?」
「なら、その証拠を見せてやるよ!」
ガイアンはグロリアに近付いて行き、グロリアを強く抱きしめた。
グロリアは父親以外の男性に抱き締められたのは初めてだった。
そしてガイアンの顔を見ると、決してイケメンでは無いが精悍な漢らしい顔付きで、グロリアの目を真っ直ぐ見つめていた。
「あれは一体何をしているんだ?」
「グロリアは戦闘経験は豊富でも、恋愛経験は乏しいですからね…自分とあまり変わらない身長で真っ直ぐな心で攻められたら、グロリアも太刀打ちは不可能でしょうから…」
「つまり…精神攻撃か?」
「まぁ、精神攻撃と言えばそうなるのですが…あのガイアンという男は天然なのでしょうか? 彼の発言には嘘偽りなどは感じられません。」
「どうするんだ! グロリアが優勝して神々の恩恵を手に入れて身長が低くなるのも問題だが、あのガイアンという男と一緒になる為に騎士団を辞める事になったらそれこそ本末転倒だぞ‼︎」
「これは計算外でした…仕方ないですね、プランBを発動しますか!」
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