【完結】ちょっぴり身長が高い女の子が望むのは、恋愛なんだけど相手が居ない!(自作品のクロスオーバーです。)

アノマロカリス

文字の大きさ
3 / 12

第二話 グロリアの勝利!

しおりを挟む
 グロリアは抽選会の会場に来ていた。
 そこでは32人の出場者が会場内にいたのだった。
 その中でひときわ身長の高いのがグロリアだった。

 「では抽選会を開始致します! 呼ばれた方はくじを引いて下さいね。 まずは…グロリア様!」
 「はい!」

 グロリアが呼ばれると、会場内は静まり返った。
 そしてグロリアがくじを引くと、Aブロックの1番だった。
 2つのブロックは合計で32人…つまり、Aブロックでグロリアに当たる者はほぼ敗者と言っても良かった。
 そして大会出場者が次々と呼ばれてくじを引いて行った。

 「おいおい…俺は初戦でグロリアだぞ!」
 「俺は勝てても2回戦で当たる!」
 「勝てても3回戦で…」

 そんな感じでグロリアと同じシードの出場者達は落胆の声を上げていた。
 一方、Bブロックの選手達は安堵の息を吐いていた。
 少なくとも決勝に行くまではグロリアに当たる事は無いからだった。
 ところがAブロックの選手の中にもグロリアに怯んでいない者もいた。
 実力が解らない訳ではないが、何か余裕を感じる者もいた。

 「では、抽選した最初の選手から試合を開始致します。 グロリア様、カース様会場へお進みください!」
 「優勝までまっしぐらよ!」
 「とりあえず…死なない様に頑張ろう!」

 グロリアとカースは会場に上がる前に意気込みを叫んだ。
 そんなカースの言葉に、他選手は声を掛けた。

 「カース、骨は拾ってやるぞ!」
 「うん、華々しく散って来い!」
 「不運だと思って諦めろ!」
 「とりあえず生き延びろ!」
 「お前等…少しはまともな応援は出来んのか⁉」

 カースはグロリアを見ると、グロリアはやる気に満ちていた。
 あ…終わった、カースは絶望感のまま会場に向かって行った。

 2人が会場に入ると、大きな歓声が沸いた。
 主に観客はグロリアに対する声援だった。
 グロリアはある意味、この国では英雄として扱われている。
 一方カースは…冒険者ギルドでそこそこの実力である。
 2人は向かい合うと、試合開始の合図が鳴った。

 「こうなれば勝てなくても、キズの1つでも付けてやる!」

 カースは大剣を構えて突進した。
 対するグロリアは武器も防具も身に付けてはいなかった。
 彼女にとって武具は必要ないのか?
 いや、そうではない!
 【アリス】の能力で武具を生み出せるからである。

 「モード・ガーディアンブレード‼」

 グロリアはそう叫ぶと、如何なる武器でも体まで届くのは無理な位の分厚い装甲に、全身から突き出た刃物の姿になった。
 この形態は、戦場で雑魚魔物を一掃する為の形態で…グロリアはこの状態で戦場で走りまくるだけで次々殲滅出来る形態なのだ。
 なので当然、カースも向かっては行ったが途中で足を止めたのであった。
 
 「あんな物にどうやって対処すれば良いんじゃい!」
 「来ないの? じゃあ、こっちから行くよ~!」

 グロリアはカースに向かって走りだした。
 するとカースは棄権を宣言して試合はグロリアの勝利となった。
 会場からは観客からの不満の声が出たが…あれなら仕方が無いという声もあり、カースは憐みの篭った拍手で会場を後にした。
 グロリアは2回戦に進む事になり、会場を後にした。

 「「俺は、2回戦でアレに当たるのか?」」

 第二試合の選手は、早くも絶望感を感じていた。
 グロリアは果たして…このまま勝ち上がって行くのだろうか?
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

英雄一家は国を去る【一話完結】

青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。 - - - - - - - - - - - - - ただいま後日談の加筆を計画中です。 2025/06/22

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

悪役令嬢が処刑されたあとの世界で

重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。 魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。 案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。

【完結】アル中の俺、転生して断酒したのに毒杯を賜る

堀 和三盆
ファンタジー
 前世、俺はいわゆるアル中だった。色んな言い訳はあるが、ただ単に俺の心が弱かった。酒に逃げた。朝も昼も夜も酒を飲み、周囲や家族に迷惑をかけた。だから。転生した俺は決意した。今世では決して酒は飲まない、と。  それなのに、まさか無実の罪で毒杯を賜るなんて。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...