【完結】ちょっぴり身長が高い女の子が望むのは、恋愛なんだけど相手が居ない！（自作品のクロスオーバーです。）

第五話 怒れるグロリア

　「ところで、プランBとは何だ？」
　「プランBというのはですね…」

　インテリ眼鏡のアレクセイは、上官に伝えると…上官は青い顔をしたのだった。

　「お前…恐ろしい事を考えるな！　もしもグロリアがキレたら、会場そのものがなくなるぞ‼︎」
　「まぁ、守護結界を張っていますから大丈夫でしょうし、ルール上では殺人は即刻失格ですからね。」
　「だからと言ってな！」
　「では…このまま2人が恋仲になって、グロリアが騎士団を除隊する事になる結末を望みますか？」
　「いや…それは断じてならん！」
　「では、御任せを…」

　インテリ眼鏡のアレクセイは、観客席の最前列に行くと拡声魔法を発動した。

　「ガイアン、華々しく散ってくれ！」

　ガイアンは未だにグロリアに激しいハグをしていた。
　そしてグロリアも顔を真っ赤にしてとろけそうになっていた。
　アレクセイはこの後の展開がどうなるのか楽しみで仕方がない！
　アレクセイは大きく息を吸い込むと、大声でガイアンとグロリアに聞こえるように叫んだ。

　『ガイアン、グロリアはもうすっかり腑抜けている！　芝居はそこ迄にして、グロリアにトドメを刺せ‼︎』
　「「はぁ⁉︎」」

　アレクセイの言葉に、ガイアンとグロリアは疑問系な叫び声を上げた。
　ガイアンは純粋な気持ちでグロリアに接していた。
　グロリアもガイアンに応えるべく、体を許していたのに…アレクセイの言葉でそれが嘘だとガイアンの腕を振り解いて突き飛ばした。

　「貴方も…私の事を騙していたのね！　口ではあんな言葉を振っておいて…」
　「違う！　俺は真剣な気持ちをお前にぶつけていた‼︎」
　「今のその言葉…少し前の私だったら、貴方の言葉は信じていたでしょう。　ですが、今となっては信じられません‼︎」
　「信じてくれ！　アレクセイあの男が勝手に言っているだけだ‼︎」
　「よくも…乙女の純情を弄んでくれたわね！　モード・バスターキャノン‼︎」

　グロリアは巨大な大砲を出現させて、銃口をガイアンに向けた。
　すると、ガイアンの背後にいる観客達は逃げ出した。

　「この大会では、殺しは禁止されています。　けど、瀕死の重症なら許されます！　私の怒りを思い知って‼︎」
　「俺は…嘘は一切言ってない。　本当にお前を…」
　「まだ言いますか！　バスターキャノン・充填完了！　喰らいなさい、フルバースト‼︎」

　巨大なレーザーがガイアン目掛けて放出された。
　だけどガイアンは両手を広げて目を閉じると、グロリアのバスターキャノンを正面から逃げずに受け止めた。
　そして大爆発が起きてから煙が晴れていくと…瀕死な重症になりながらもガイアンは立っていた。

　「何で…貴方だったら避けられたでしょう？」
　「俺…は嘘じゃ…ないこ…とを証明し…たかっただけだ！」
　「本当に私の事を騙していたんじゃないのね？」
　「だから…最初に…言っただ…ろ、お前に…一目惚れ…だ…と」

　ガイアンはそのまま気を失って前に倒れると、グロリアは抱き上げてから医務室に運ぼうとしていた。
　グロリアは、アレクセイを見付けて睨み付けると…そのまま会場の医務室に駆け込んだのだった。
　そしてグロリアは、次の試合が始まるまで間…ガイアンの看病をしたのだった。
　真実の愛を手に入れたグロリアに、これ以上の戦いは無意味だと思っていたが…
　そうは問屋が卸さないのだった。
　
　アレクセイは再びグロリアを大会に参加させる様に仕向ける。
　それは…非常に姑息な手だった。