異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第六章 魔物の森の街建設編

竜人族の移住準備

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次は雷精霊神殿。こっちは、ホブリンのところで懲りたので、教皇の所に行くことを念話で連絡した後あまり大げさに出迎えないでって言っておいたので、数人だけの出迎えで済んだ。

「久しぶり。あれから、どんな感じ?」

「これは、お御使い様、お陰さまで無事に竜人族の避難は完了しております。まだ丞相にはこちらの動きは掴まれておりません。」

「はじめておめにかかります。神殿の近衛騎士団長をしております、カルボといいます。この度は、我ら竜人族をお導き下さり、心よりの感謝と忠誠を申し上げます。」

あーこのガルボってやつ、この前アンパパの停戦会議の時に、帝国の元帥の護衛をしていたやつだ。その前はゲス勇者の回復役の魔法使いを守る役をしてたしね。レベル的にも相当高いしね。

「まー、竜人族に被害が出てないんだったらよかった。これからだろうけど。ガルボもいろいろ苦労してるね。帝国の軍人だから、意に沿わない役目も負わされて、まああの混戦の中ゲス勇者たちのせいで殺されなくてよかったよ。」

「やはり、御使い様は、戦場にいらしたのですね。この場で拳勇者の最期の状況を聞いて、あの夜の他の3勇者たちの最期と同じ様子だったので御使い様が処断されたのだと思っておりました。特にあの槍勇者は、我ら竜人族を卑怯な手段で殺した大敵でございました。一族の恨みを晴らして頂きありがとうございました。また拳勇者に殺された者たちを奇跡の御技で生き返らせて頂いたこと、未来永劫、一族の感謝を。」

「そんなに大したものでもなかったんだけど、竜人族の大敵を俺が横から屠ってしまって申し訳なかった。なんなら今からあいつらと立ち会ってみる?俺があいつらの屍もってるよ。」

「「「な、なんですと。」」」

そこにいた3人が素っ頓狂な声を上げた。まあそれはそうか、死体を持ち歩いてるって引くよね。

「御使い様のお手をわずわせて申し訳ありませんが、もしも願いをお聞き入れくださいますなら、是非私にやつらを討つ機会をお与えください。」

「あー別にいいけど。どこがいい?相手の武器はどうする?」

「できますれば、この裏手にある鍛錬場にて。武器はやつの武器をそのままお与えください。」

「拳勇者の方はどうする?それと槍は預かってるドボルザークの雷槍使う?一族の果し合いならそれがいいんじゃない?」

「では、雷槍をお貸頂きたく。拳勇者も同時で構いません。共に討ち果たしましょう。」

あんまり大げさにしたくはなかったけど、一族の果し合いってことで、急遽、守備兵達も鍛錬場に集まってきた。俺はガルボに雷槍を渡した。俺が持ってると、雷槍から俺の方に淡い光の膜が覆っているのが皆にも解ったようだ。ガルボはそんな俺から震える手で雷槍を受け取り所定の位置についた。俺はアイテムボックスからゲス2人の屍を出して、武器はカリーに渡していた槍のコピーをアイテムボックス内で作って側においた。カイザーナックルもコピー品を置いておいた。武具は要らないだろう。ガルボもつけてないしね。能力値とスキルを付加してゲス2人を復活させた後、2人を蹴って覚醒させ、サッサと戦えと言ってその場からマリア達のいる観客席に戻った。

「な、なんだここは。また異世界転移したのか?」

「ジョー、なんかまずい感じだぜ、ここって竜人族のやつらの所じゃねえか?」

そんなことを日本語で喋ってたけど、流石にゲス野郎なだけあって、自分達に向けられた殺意の中で、一番危険なものを放っているやつに向かって油断なく立ち上がった。まあ、ゲス達の棒術LVは、ガルボと同じにしてるんで、いい勝負するだろうきっと。ガルボも、それなりに手ごたえがないと達成感がないだろうしね。

「ともかく、あのガルボを始末するぞ。あいつだけは別格だからな。二人でいくぞ。」

腹を決めたゲスが一気にガルボに迫った。
ゲス野郎達は戦い慣れているんだろう、うまく隙をついてゲス拳の方がガルボの後ろに回り込む。その瞬間ゲス槍が一気に間合いを詰め連続の突き技。目を狙ったり、足先を狙ったり、なかなか巧みだ。それに合わせて、ゲス拳が足払いを混ぜながらラッシュをかける。間に立つガルボは、両方の動きを全て紙一重の間合いで回避し、一撃すら許していない。1分ほどの猛ラッシュが続いた後、呼吸を止めてラッシュしていた二人が間合いを取るために同時に離れた。ガルボもなかなかに凄いけど、このゲス達、カリー達の訓練用に十分使えるなぁとぼんやり考えていた。

「もう終わりか、槍勇者よ。貴様には、死んだ仲間が負わされた14の傷と同じ傷の痛みを味わって死んでもらう。そして、拳勇者よ。貴様には死の痛みを味わされた32名の痛みを味わって死んでもらう。」

ガルボが、そう宣言した。
ノクターン語LV2を2人に付加してるので、ガルボの言葉も理解できるはずだ。

「ひいひい泣いて詫びていたやつらか?あいつらは死んで俺の経験値になったんだから名誉の死だ、へ、へ、へ。」

「勘違いするな、拳勇者。貴様に殺された者などおらん。我らの一族で死んだのは、槍勇者の卑怯な手で殺された者だけだ。」

「な、なにを」

ゲス槍はガルボの意識がゲス拳にそれた一瞬を狙って攻め込んできた。それに一拍遅れる形で、ゲス拳もガルボに襲いかかる。

グサ、ドカ、グサ、ドカ、ドカ、グサ・・・・

ガルボは淡々と槍を奮う。ゲス2人は最初に顔面を攻撃されたんでうめき声みたいなくぐもった声しかでない。ガルボは恐らく死んだ仲間につけられた傷をそのままゲス槍に付けているんだろう。顔面、四肢、わざわざ背中を傷つけ後、口腔内に槍を突きた立て絶命させた。ゲス拳野郎はもはや人間サンドバック状態だ。最期は心臓に槍の背を突き立てて絶命させた。こっちは全部打撃痕だけだ。徹底してるなガルボ。

俺がガルボの前に行くと、ガルボは平服して、

「一族の無念と恨みを晴らすことが出来ました。本当にありがとうございました。」

「じゃあ、こいつらの処分は俺に任せて貰うな。」

そう言ってゲス達の屍を回収した後、浄化をかけて鍛錬場を綺麗にしてやった。ガルボが雷槍を捧げて差し出しているので、

「じゃあ、もう一度、この槍は俺が預かっておく。必要な時が来たら遠慮なく言ってくれ。」

ガルボの後ろには、観戦していた守備兵が全員平服している。教皇もガルボの横で平服してるから、

「まあ、何か不足があるなら言ってくれ。可能な限り援助するし。でこのまま何もなければ問題ないけど、帝国内にいるのが困難なら他の場所に皆で住めるようにするし言ってくれ。」

「御配慮ありがとうございます。しかしながら、我ら竜人族は、一族を存続させるためには、巨大な魔力が必要になります。この大陸でここ以上に魔力貯まりが深い場所は3つの迷宮と、アルスラン王国の聖精霊神殿のある場所以外にございませんので、我らはこの場を死守せねばならぬと考えております。」

「ん?魔力貯まり?こっちより、魔物の森の中央部にある貯まりの方が深いんじゃないの?あっちではダメなの?」

「御使い様なら問題なきことと思いますが、あの地の近くには竜が住んでおります。竜の側では我らは住むことはできません。」

「あー竜ねー。」

「ねーリュウ、言ってあげてもいいんじゃない。帝国領の中心でこの場に永遠に住むことなんかできないんじゃない。」

マリアが念話で俺に言ってきた。
まあ、そうなんだけどね。ここまで言ったしいいか。

「あー、その竜、俺が屠ったから。俺、今その竜が住んでた場所辺りに住んでるし。」

「「「「「「「えーっ」」」」」」」

一斉に大合唱だ。

「御使い様、あの伝説の竜を御使い様が屠られたと。」

声を震わせて、教皇が再度訊ねてきた。

「あのっていうのが何を指すのかわからないし、伝説の竜って言ったって一撃だったからなぁ。そんなに大層なものじゃなかったと思うよ。」

「「「な、なっ」」」

何人かは絶句してる。

「まあそう言う訳であの辺りは今俺の縄張りなんだけどね。まだ魔物の森の全部を把握してないから、もっと強い奴がいるかもしれないけど。」

「お兄ちゃん、何人か案内してあげたら?眷族だし、秘密は大丈夫でしょう?」

綾も念話で言ってきた。

「なんなら、何人か現場を見てみる?住めそうなら、住んだらいいし。」

「ご案内頂けますなら、是非お願いします。」

あー本当は、教皇たちも限界を感じてたのね。こんなにすぐ反応するところをみると。

「じゃあ、教皇とガルボと、」

と言ったところで、この場に唯一女性で居合わせた竜人族の女性が、

「是非、私もお連れ頂ければと思います。」

ラルリアと言う20歳の美人さんだ。ザ秘書って感じの目元がきりっとして、メガネかけたら似合いそうな女性。観戦中にマリア達といろいろ話をしていたけど、マリア達の反応が良かったのは、この女性から現状をいろいろ聞かされていたのかもね。

「じゃあ、取り敢えず、俺が作りかけている街に行くか。マリア達もいい?」

俺の神スキルで範囲にいる人全部を一気に送れるんでそれで転移した。
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