異世界ハーレム漫遊記

けんもも

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第七章 魔大陸編

魔大陸到達

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まあそんなこんなで、魔物の森での暮らしが何とか落ち着いた頃、魔大陸に向けて飛ばしていた俺の分身体が一週間かけてやっと到着した。龍山脈の向こう側って話だったんで直接山脈を越えて行こうかと思ったけど、確か帝国の皇帝をやっつけた時に山脈には龍族の監視の目が光っていて簡単に越えられないとか言っていたから、超大回りだけど、自由都市のイータリーから川に沿って海に出て、そこから海の上を延々と飛んで魔大陸に到達したのだ。

さてまずは魔大陸ってところを見て回るか。マリア達に言ったら付いてくるとか言いそうだしなぁ。こっちに分身体でも置いてごまかすか。しかしこれはすぐばれた。何故か5人には俺の分身体と本体がすぐに見分けがつくそうだ。能力値のせいか、愛情のせいか。俺としては後者のせいであって欲しいと思うところだ。

ともかく今は、分身体を魔大陸の内部に向かって飛ばしているところ。と言っても、ここって本当に魔大陸?って感じなんだよね。魔大陸に着くまでは、俺の中のイメージでは薄暗いじめじめした大地で、木とかも変形してておどろおどろしい世界を想像してたんだけど、全然そんなことないんだよね。山あり川あり、森ありって感じで。

そのまま2時間ほど飛んだ先にありました、街が。いや、城か?つまりあれだな、ここは。三○志とかでよく見たあれだ。碁盤目状になった道に奥にはひときは大きな建物が内裏みたいに建っていて、街全体をぐるりと高い城壁で囲んだ四角い街。そう、古代中国の城だよねきっと。
ただし中を歩いている人は、チャイナドレスとか着けてないし、人間でもない。肌の色が紫とか、赤茶とか、緑もいるし、顔が三つ目とか、角とか、牙とか生えてるやつもいるしね。おっと、人もいた。神眼でも人族になってる。でも能力低い。スキルも言語がLV1で後は何もない。亜人もいるな。完全に人型になっているんじゃなくて、尻尾は生えたままだし、体つきも亜人というより獣人って感じ。例えば、グレゴリーウルフ達の第一弾変化のみが終わった感じかな。
言語は魔族語のみって感じだな。魔族の亜種族の街みたいだ。人族、獣人などは全て奴隷。しかもスキルも能力値もかなり低い。魔族達のレベルは冒険者の上位って感じか。魔法力が概ね高くて特に火魔法はほとんどがLV3辺りになっている。他の属性魔法も割と高いなぁ。上位スキルを持っているやつがチラホラいる。クラスも「G」のやつがチラホラいるしな。全体的にこっちの大陸よりもレベルは高めって感じかな。

内裏の方に行ってみるか。おっと結界か。結界とか張ってるのって俺自身のもの以外で初めてみたかも。なるほど、この周囲の魔道具で結界を維持してるのか。内裏の中の広さは、京都の二条城ぐらいあるな。職種とかみても、武官、文官、神官、監督官、監察官みたいに分類されているようで、こっちの大陸とはまったく違う職制をとってる。
いずれにせよ、しっかり統治されてるってことだな。しかし、城壁や結界のことを考えると魔大陸が一枚岩で統治されている訳ではないってことだろう。
あっいた、一人だけ上級魔族だな。クラスが「F」ユニークスキル「賢者」を1つ持ってる。闇精霊魔法のレベルが高いからステイタスの隠蔽もかけてる感じだけど、俺の神眼で丸見えだな。能力値は2000前後。こっちの大陸に来たら天災級の魔人ってことになるのかな、多分。
こう言う部屋って、普通は資料とか本とかありそうだけど、何もないな。全部アイテムボックスに収納してるのか?こいつを瞬殺するのは簡単だけど、瞬殺しなきゃいけない意味がないからな。別にこいつらと戦いたい訳じゃないしな。街の様子を見る限り、統治者としてはしっかりいてる感じだからな。職業が太守になっている以上、こいつの上司に当たるやつがいるんだろうけど、そっちを探してみるか。

こうして、この街から伸びてる街道の内、一番大きくて綺麗に整備されているぽい街道に沿って、さらに探索を進めることにした。途中で、魔力切れを起こしそうだったので一旦戻って再度転移してからだけど。問題は、転移するのに通常だとMP200で済んでるのに、MP5000するようだ。なんだこれ?大陸が違うから消費MPが跳ね上がるにしてもぼり過ぎだろうって思ったけど、よく考えたら言ってる傍から消費したMPが即満タンになってるし、今の俺にMPって概念はないんだけどね。ちなみに表示はE-5000って感じ。Eって何だよって思うけど並行思考に質問しても、EはEだとしか答えてくれないので考えないことにした。ともかく、もう一度魔力を多めに分けた分身を飛ばした。魔大陸内だったら同じようにMP200で転移出来るのにね。何が問題なんだろう?

取り敢えず神覚を最大に広げて街道の上を索敵していった。途中最初に見た城よりも小ぶりな城や砦みたいなものもや、柵と畑しかない小さい集落みたいなものがあったけど概ね最初の城と同じ感じ。魔族が支配し人族や獣人は奴隷として使役されている。

そうして数日辿った先に、巨大な城?都市があった。紫禁城とか映画とかでしか見たことないけどあんな感じ。何重もの城壁に区切られ、迷路みたいに作られた巨大都市。その都市の中央にある巨大な建物のある一角に目当ての奴がいた。魔王だ。

都市は何重もの結界が張られていたけど俺にとっては何の障害にもならない。魔王がいる場所はそこだけで、最初にみた城と同じぐらいの広さがあり、ここだけで生活できるほど人と物が溢れていた。魔族の亜種族はかなりの数がいるけど、みんなどこかしらに色の付いた腕輪をしているところをみると、これで身分制度を現わしているのかもしれない。一番偉そうなやつら(全員が上級魔族)が赤い腕輪。その下が青い腕輪(上級魔族と下級魔族がいる)、緑の腕輪(下級魔族しかいないみたい)って感じみたいだ。ちなみに、目の前にいる魔王は紫の腕輪をしている。そう言えば最初に行った城の太守も青い腕輪をしてたな。
感じとしては、古代中国の影響を受けている感じだけどな。でも名前も姿も地球からトリップしてきたって感じじゃないしな。でも、ここまで見てきた感じだときちんとした統治機構があるみたいだし、文化レベルももしかしたらこいつらの方が高いかもしれない、俺達が今いる大陸よりも。建物や道具、調度品、絵画や、壺なんかもあるしね。こう言うある意味無駄な物の技を競う余裕があるってことだよな。

となるとこの国にはあれがはずだ。俺はこの魔王の城の中をくまなく探すことにした。
この城の中見れば見るほどしっかりしているな。薬院みたいなところもあるし、後宮に当たるんだろうけど魔族的には美人なのかな?いろんな亜種族の女だけが生活しているところもある。
五重塔の巨大版みたいな建物があった。入ってみるとビンゴ、書籍が壁一面に置かれている。一冊ずつコピーしてたら一年でも終わらない感じなのでここはサクッと建て物全部を中身ごとコピーして、後の検索は並列思考にお任せすることにした。

凄いなこれは。この魔大陸の歴史は今から数千年前に現れた108人の魔族の戦いから始まったようだ。それまでは、好き勝手に生きていて記録を残すと言うことはなかったようだ。ともかく数千年前に現れた108人の強大な力をもった魔族が徐々にまとめ上げ、淘汰されていって、長い年月をかけて現在8人の魔王を中心とする領土に分かれることになったっぽい。ここはチャニス国と呼ばれていて、魔大陸の中では比較的早い時期に今の体制で統治をはじめたようだ。
あと、魔族の平均寿命は150歳前後で、亜種族の数は50種族ほど。長命種であるドッペンゲルガー族やグール族は1000年ほど生きられると言われているけど、武力、魔法力が弱く現在は残っていないと思われているらしい。
魔族の特有なスキルとして、魔眼スキルを持つ者が数百万人に一人の確率で生れるらしいこと。こっちでもスキルの概念はあるけど、スキルレベルや、能力値の認識はないらしいことなどが分かった。つまり魔眼スキルで見えるのは神眼スキルのはるか劣化版って感じか。自己鑑定スキルのLV3かLV4程度なのかもしれない。
ともかく、国土を持ちきちんと統治機構を備えているのは8魔王の内3人だけで、残りの魔王は蛮族あるいは厄災と呼ばれているみたいだな。力のみが正義として、必要もないのに魔物を狩るのと同じ感覚で、他の魔族を狩って喜んでいるらしい。
あと、火精霊神殿を守護しているのはサラマンダー族で、上位魔族種みたいだ。3つの国のうち一番大きな国の領土の中にあるらしい。

俺は、並列思考をフル回転させて魔大陸の大まかな地図と勢力図を完成させることができた。そうして、俺の最初の目標となる一番近い所にいる蛮族の勢力圏に飛んだところで一旦魔大陸の探索を終了した。後はマリア達と相談してどうするか決めよう。
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