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まずは準備運動です

お茶会という名の召集

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 母と弟に見送られ、私は侍女と一緒に部屋へと着替えに行き、準備を済ませ待っていた父と兄と一緒にお茶会会場でもある、王宮の中庭へと連れて行かれた。
 流石はクラスター王国が誇る王城の中庭ですね、色取り取りの綺麗な花が所狭しとばかりに咲き誇っていて、丁度今が見頃といった所でしょうか。そんな中庭にも、小さな令嬢達の色取り取りのドレスがふわりと広がっていて


(…ああ、このまま此処で眺めるだけにしていたい)


 私、思いっきり気後れしてます。はい。
 
 可愛いなぁ、微笑ましいなぁって思考がヤバイでしょうか?でも、目の前には着飾った可愛い可愛いショ(…ごほんっ)上位貴族の小さな令嬢達が揃っています。いや、見てませんよ!?可愛い男の子ばっかり見てませんからね!?うちのお兄様とラーヴァが一番可愛いとか、ブラコン丸出し精神はしっかりと心の中に隠してますからね!

「どうしたの?アリア。皆と一緒にお菓子を食べに行かないの?」
「ええーっと…」

 アイクお兄様の腕に掴まって、しっかりとエスコートされてやっては来ましたが。こんなキラキラした風景に私が紛れ込んでもいいのだろうか。公式通りにいくなら、アリアはツンッと気取って、一人でも優雅にお茶を楽しんでも可笑しくないんです。今はアイクお兄様が一緒なので、兄妹で揃ってやるのか…。

「アイクお兄様…、人が、多いです」
「アリアは変わってるね、本を読んだり魔法の勉強は喜んでやるのにお茶会は苦手なの?」
「そ、そうですか?そんな事ありませんわよ?」
「女の子ってドレスとかキラキラした物が好きなのかと思ったよ?あ、だけど庭師のアルが薬草や花が多くなってお母様が喜んでるって言ってたな」
「それは、良かったです。お母様も庭を散歩する良い口実になりましたわ」

(世間一般的な女の子、若しくは貴族令嬢ならそうかもね)

 しかし、私は前世では買い物以外では、なるべく家で本を読んだりして引きこもっていたい人だったんです。ニートって訳じゃないよ?パートだってしてたけど、だからって外で高い金を払っておしゃべりしながら、ママさん達とランチやお茶をするってのが苦手だったんだ。

(金額によりけりだけどさぁ、アレ一回で家族で外食いけんだよ!?なら家族で行く方がいいよ)

 美味しいご飯は家族で楽しみたい信念の人だったので、こういう風に集まってきゃあきゃあしましょうって精神が家出してたんだよね。折角旦那が汗水掻いて働いてきてくれたんだから、還元するなら家族がいい思いする事にしなきゃ!なので、ママ友達とはお菓子持ち寄りのお家でお茶会のが多かったから、少数しか免疫がないんだよね。
 一先ずアイクお兄様と一緒にテーブルに着き、執事や王宮メイドさん達が用意してくれるお茶を楽しむ事にする。お菓子は沢山用意されていたけど、どれもコレも甘味が過剰過ぎて美味しくない。

(ケーキとかに乗ってる砂糖菓子みたい)

 私が暮らしているクラスター王国は緑豊かな森を背に、大きな湖を東に持つ立地に恵まれた国。湖から引かれた川が王国内を循環していて、四季は日本と同じで、春と秋が長め。獣人と魔法が普通に存在するという国。
 食べるには困らないんだけど、どうしても甘味はやっぱり高価なものだから、ただ甘いだけの砂糖菓子が高級品になってしまっている。

(こんな事なら、屋敷で魔法の基礎練習してたいわー…)



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