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剣乱武闘編
防御型の魔鎧
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「魔鎧(フラム)!!」
ボウッ……!!
レノは右腕に紅炎を想像させる魔鎧を形成させ、構える。アルトは一瞬だけ、森人族の血が流れているレノが火属性と思われる魔法を使用したことに目を見開くが、すぐに彼がダークエルフだという事を思いだし、構わずに突進を続ける。
「終わりだ!!」
「っ……!!」
ドォンッ!!
アルトが大きく踏み出し、恐るべき速度で大剣を振り払う。このデュランダルは振り抜く際は重量を軽減させ、衝突の寸前で重量を増加させる事が出来る。だが、レノは敢えて自分も踏み出して右腕を構える。
ドガァアアンッ!!
「ぐはっ……!!」
「やった……!?」
大剣の刃に右腕の魔鎧が衝突し、そのままレノの身体が派手に吹き飛ぶ。アルトは笑みを浮かべるが、すぐに手元の感触に違和感を抱き、立ち止まる。
「……っと」
ズザザザッ……!!
吹き飛ばされたはずのレノは何事も無いように地面に両足を擦らせ、何とか勢いを殺して着地する。その姿にアルトは驚愕の表情を浮かべ、すぐに顔を歪ませる。
「……何をした!!」
「見ての通りだよ」
「くっ……ふざけた事を!!」
右腕の魔鎧により、先ほどのデュランダルの攻撃は完全にとは言えないが衝撃を受け流す事に成功した事に安堵の息を吐く。
――この状態のレノの魔鎧(フラム)はソフィアと違って攻撃型ではなく防御型であり、あらゆる衝撃に対して強い耐性を持つ。例え、デュランダルの衝撃波であろうと、魔鎧の弾力性で衝撃を上手く別方向に受け流す事に成功出来た。
もしもソフィアの状態の魔鎧で受けていたとしたら、間違いなくデュランダルの一撃で魔鎧が崩壊し、そのまま戦闘不能に陥っていただろう。そう考えると現在の防御型の魔鎧の方が相性が良かった。
それでも完全に衝撃を無効化出来た訳ではなく、右腕に軽い痣が出来ており、動かす分には問題は無い程度である。これ以上、あのデュランダルを真面に受ける事は危険過ぎる。
「まあいい……行くぞ!!」
「来るなよ……」
「減らず口はそこまでだ!!」
ブォンッ!!
大剣を振り上げ、アルトは無数の衝撃波をレノに向けて放つ。流石に衝撃波を全て右腕だけで防ぎきる事は不可能であり、すぐに瞬脚を発動させて回避行動を取る。
ドガァアアアンッ!!
「派手にやるな……!!」
地面や建物が衝撃波によって破壊され、激しい土煙が舞う。だが、その土煙も新たなに送り込まれる衝撃波によって掻き消され、執拗にレノを狙い続ける。
この衝撃波というのが一番の厄介であり、威力だけならばレノの乱刃の3倍近くの出力はある。正面から受ければ一発で戦闘不能に陥ってしまう間違いなく、仮にソフィアの強化術を発動したとしても、数発耐え切れるかどうかだ。
「ちょこまかと……くたばれ!!」
「本音出てるぞ!!」
ドゴォオオオオンッ!!
アルトは地面に向けて大剣を振り落とし、衝撃波が地面に伝わって向かってくる。先ほどの地走という技であり、空中に回避する以外に方法は無い。
「しつこい!!」
ダァンッ!!
空中に飛び上がり、地走の衝撃波が地面を抉る。アルトは追撃として大剣を構えるが、流石に疲労が蓄積したのか動きが鈍い。
「撃雷」
バチィイイイッ!!
一旦、レノは魔鎧を解除して右腕に螺旋状に渦巻く風雷を纏わせ、アルトに向けて構える。直接打撃を与えられる距離ではないが、
「弾!!」
ズドォオオオンッ!!
「なにっ!?」
右腕の撃雷が射出され、螺旋状の魔弾がアルトに放たれる。以前にゴーレムを相手に撃雷を使用した場面を見ていたため、完全に至近距離用の技だと思い込んでいたアルトは意表を突かれ、慌てて大剣で防ごうとするが、
バチィイイイッ!!
「ぐあっ!?」
刃が魔弾に触れた瞬間に電流がアルトの肉体に流れ込み、彼は跪く。電流自体はそれほどの物ではないが、大きな隙を生み出す。その間にもレノは地面に着地し、アルトに向けて突進する。瞬時に「二重(セカンド)・肉体強化(アクセル)」を発動させ、最大限に身体能力を強化させる。
「雷爪!!」
バチィイイイッ!!
左腕の聖爪に電流を送り込み、攻撃を仕掛ける。アルトは咄嗟に回避しようとしたが、レノの方が遥かに速い。
ズバァアッ!!
「ぐああっ!?」
聖爪がアルトの左腕に喰いこみ、彼は腕を振り払うとレノは即座に距離を取り、デュランダルに備える。
「くっ……卑劣な……!!」
「よそ見してる場合か!!」
バチィイイイッ!!
右腕に雷槍を発動させ、レノは電撃の槍を突き刺す。慌ててアルトは無数に繰り出される槍を躱し、懐から魔石を取りだす。
「フラッシュ!!」
「くっ……!!」
カッ!!
眩い光が辺りを多い、一瞬だがレノの目が眩む。その間にもアルトはデュランダルを抱えて距離を取り、抉れた左腕を確認して舌打ちする。
「くそ……正々堂々と戦えないのか!!」
「これが俺のやり方だ……騎士を相手に戦っているつもりか?」
目を擦りながら見当違いの言葉を発するアルトに呆れた表情を向け、レノは身構える。出来れば先ほどの攻撃でアルトに聖爪を貫き、体内に電流を直接送り込んで戦闘不能に追い込みたかった。
ボウッ……!!
レノは右腕に紅炎を想像させる魔鎧を形成させ、構える。アルトは一瞬だけ、森人族の血が流れているレノが火属性と思われる魔法を使用したことに目を見開くが、すぐに彼がダークエルフだという事を思いだし、構わずに突進を続ける。
「終わりだ!!」
「っ……!!」
ドォンッ!!
アルトが大きく踏み出し、恐るべき速度で大剣を振り払う。このデュランダルは振り抜く際は重量を軽減させ、衝突の寸前で重量を増加させる事が出来る。だが、レノは敢えて自分も踏み出して右腕を構える。
ドガァアアンッ!!
「ぐはっ……!!」
「やった……!?」
大剣の刃に右腕の魔鎧が衝突し、そのままレノの身体が派手に吹き飛ぶ。アルトは笑みを浮かべるが、すぐに手元の感触に違和感を抱き、立ち止まる。
「……っと」
ズザザザッ……!!
吹き飛ばされたはずのレノは何事も無いように地面に両足を擦らせ、何とか勢いを殺して着地する。その姿にアルトは驚愕の表情を浮かべ、すぐに顔を歪ませる。
「……何をした!!」
「見ての通りだよ」
「くっ……ふざけた事を!!」
右腕の魔鎧により、先ほどのデュランダルの攻撃は完全にとは言えないが衝撃を受け流す事に成功した事に安堵の息を吐く。
――この状態のレノの魔鎧(フラム)はソフィアと違って攻撃型ではなく防御型であり、あらゆる衝撃に対して強い耐性を持つ。例え、デュランダルの衝撃波であろうと、魔鎧の弾力性で衝撃を上手く別方向に受け流す事に成功出来た。
もしもソフィアの状態の魔鎧で受けていたとしたら、間違いなくデュランダルの一撃で魔鎧が崩壊し、そのまま戦闘不能に陥っていただろう。そう考えると現在の防御型の魔鎧の方が相性が良かった。
それでも完全に衝撃を無効化出来た訳ではなく、右腕に軽い痣が出来ており、動かす分には問題は無い程度である。これ以上、あのデュランダルを真面に受ける事は危険過ぎる。
「まあいい……行くぞ!!」
「来るなよ……」
「減らず口はそこまでだ!!」
ブォンッ!!
大剣を振り上げ、アルトは無数の衝撃波をレノに向けて放つ。流石に衝撃波を全て右腕だけで防ぎきる事は不可能であり、すぐに瞬脚を発動させて回避行動を取る。
ドガァアアアンッ!!
「派手にやるな……!!」
地面や建物が衝撃波によって破壊され、激しい土煙が舞う。だが、その土煙も新たなに送り込まれる衝撃波によって掻き消され、執拗にレノを狙い続ける。
この衝撃波というのが一番の厄介であり、威力だけならばレノの乱刃の3倍近くの出力はある。正面から受ければ一発で戦闘不能に陥ってしまう間違いなく、仮にソフィアの強化術を発動したとしても、数発耐え切れるかどうかだ。
「ちょこまかと……くたばれ!!」
「本音出てるぞ!!」
ドゴォオオオオンッ!!
アルトは地面に向けて大剣を振り落とし、衝撃波が地面に伝わって向かってくる。先ほどの地走という技であり、空中に回避する以外に方法は無い。
「しつこい!!」
ダァンッ!!
空中に飛び上がり、地走の衝撃波が地面を抉る。アルトは追撃として大剣を構えるが、流石に疲労が蓄積したのか動きが鈍い。
「撃雷」
バチィイイイッ!!
一旦、レノは魔鎧を解除して右腕に螺旋状に渦巻く風雷を纏わせ、アルトに向けて構える。直接打撃を与えられる距離ではないが、
「弾!!」
ズドォオオオンッ!!
「なにっ!?」
右腕の撃雷が射出され、螺旋状の魔弾がアルトに放たれる。以前にゴーレムを相手に撃雷を使用した場面を見ていたため、完全に至近距離用の技だと思い込んでいたアルトは意表を突かれ、慌てて大剣で防ごうとするが、
バチィイイイッ!!
「ぐあっ!?」
刃が魔弾に触れた瞬間に電流がアルトの肉体に流れ込み、彼は跪く。電流自体はそれほどの物ではないが、大きな隙を生み出す。その間にもレノは地面に着地し、アルトに向けて突進する。瞬時に「二重(セカンド)・肉体強化(アクセル)」を発動させ、最大限に身体能力を強化させる。
「雷爪!!」
バチィイイイッ!!
左腕の聖爪に電流を送り込み、攻撃を仕掛ける。アルトは咄嗟に回避しようとしたが、レノの方が遥かに速い。
ズバァアッ!!
「ぐああっ!?」
聖爪がアルトの左腕に喰いこみ、彼は腕を振り払うとレノは即座に距離を取り、デュランダルに備える。
「くっ……卑劣な……!!」
「よそ見してる場合か!!」
バチィイイイッ!!
右腕に雷槍を発動させ、レノは電撃の槍を突き刺す。慌ててアルトは無数に繰り出される槍を躱し、懐から魔石を取りだす。
「フラッシュ!!」
「くっ……!!」
カッ!!
眩い光が辺りを多い、一瞬だがレノの目が眩む。その間にもアルトはデュランダルを抱えて距離を取り、抉れた左腕を確認して舌打ちする。
「くそ……正々堂々と戦えないのか!!」
「これが俺のやり方だ……騎士を相手に戦っているつもりか?」
目を擦りながら見当違いの言葉を発するアルトに呆れた表情を向け、レノは身構える。出来れば先ほどの攻撃でアルトに聖爪を貫き、体内に電流を直接送り込んで戦闘不能に追い込みたかった。
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