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フューネの祝日・襲撃
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伯爵家の馬車に乗り込み、ビル爺に大急ぎで帰って貰います。
事故らない程度ですよ?
馬車にはお姉様とガクとスケルも乗ってます。
伯爵邸に着くや否や、自分でドアを開け飛び降ります。
続くお姉様達。
「ビル爺はそのままカッツェの所へ!」
「……御武運を!」
「大丈夫だから心配しないで!お姉様、私は本館に居るチェリエの元へ向かいます!」
お姉様とハグを交わします。
「気を付けてね!」
「お姉様も!ガク、スケル、お姉様をきっちり守ってね!」
「給料分はきっちり殺る。」
「任せとけ~!」
因みにガクは大剣、スケルはロングソードと弓、背負ってます。
頼もしい!
セバスさんと目配せをし駆け出します!
お姉様達はそのまま突っ切り中庭へ。
私とセバスさんは階段を登って行きます。
チェリエが居るとしたら、私の部屋でしょうからね!
■■■黒い一団■■■
全身を黒一色で統一した集団が居た。
その先頭を行く2人の男。
「リーダー(笑)~?」
「……何だ?」
「思ったより人の気配がしないんだけど~?特にあっちの建物さぁ。ああ!でも、オレの勘が女の子だと訴え掛けてくる~。あっは、オレ、先にあっち見てくるわ~♪」
両腕を頭の上で組み、何でもない様にリーダー(笑)に話し掛ける。
「……ターゲットを優先しろ。」
「ああん?何?指図すんの~?オレに~?」
「ぐっ……リーダー命令だ!!」
ギリリと奥歯を噛み締めるリーダー(笑)に対して、少し先に行き立ち止まると、振り返りニヤリと笑う。
そこは丁度、伯爵邸に張られた結界のギリギリのライン。
「あっはっ、聞こえないな~♪」
「……ブィーア!!」
ブィーアと呼ばれビクリと反応する男。
ゆっくりとリーダー(笑)に向けて、右手を伸ばす。
「……死ねよ。」
ブィーアの言葉と同時に、リーダー(笑)の首に下から伸びた闇の手が締まる。
「ぐっ!?」
必至に闇の手を解こうともがくが、闇は掴めない。
目の前がチカチカし始めた頃フッと手が消え、リーダー(笑)は立っていられずその場に膝まづいた。
「げほっ……がっはあ、はあ、はあ」
「あっは!死ぬと思ったあ?あはは、殺さないよ~♪オレも怒られるのや~だ~し~♪」
両手を伸ばし、その場でクルリと楽し気に回る。
伸ばした手を腰に当て、前屈みになるとリーダー(笑)の顔を覗き込み、
「……行っても良いよね~♪」
「……好きにしろ!!」
「あっは!リーダー(笑)チョロ!じゃ~ね~♪」
笑いながら影の中へブィーアは沈んで行った。
■■■本館・チェリエ■■■
ミリアが舞踏会に出掛けてから、みんな出掛けて行きました。
ケイト達が気を使って、「一緒に行こう」「二時間は戻って来ないでしょう?」と誘ってくれたけど残りました。
嬉しかったけどね!
だって、ミリアの行動は読めませんからね。
最初はミリアのドレスをチクチク手直ししたりしてて、今はいっぱいになってしまったぬいぐるみを、箱に詰めています。
ミリアが孤児院に寄付すると言っていたので。
大きなパンダ?以外は要らないと言ってたから、それ以外をせっせと箱詰め……結構な時間が掛かってます。
早く終わると思ってたんですがね?
箱が2つ、3つと増えていきます。
…………どんだけだよ!!
て、思った時です。
「あっは~!やっぱり、女の子居た~。うんうん。オレの勘は当たるんだよね~♪」
いきなり、部屋の中で男の声が!?
見れば、全身真っ黒な服で鼻から下も布で覆っている為、目しか見えません。
……ミリアと同じ黒。
「あ、あああなた、誰何ですか!いったいどこから……!?ここが伯爵夫人の部屋と知っての狼藉ですか!!」
男はコテンと首を傾げて……笑いました。
「あっは~♪元気だね~?オレね、ブィーアとか4番目とか呼ばれてんの!ムカツクよね~?そっかぁ、ここ嫁ちゃんの部屋か~♪」
言いながら、男は部屋の中を物色し始めました。
止めさせなきゃって思うのに、身体が震えて立てません。
……ミリア、ごめん。
ごめんなさい。
なんか、この人怖い!!
怖い…………怖いよ、ミリア、ミリア、ミリア!!
涙が溢れて零れていきます。
声が震えます。
「で……で、出てって……」
「あっ!これって宝石箱~♪オレ、宝石大好きなんだ~。キラキラしててキレイだよね~♪……裏切らないし、動かないし、話さないし。コレはルビー、コレはトパーズ?サファイアに……木彫り?よく分っかんないけど貰ってくね~!君の瞳の代わりに……。」
男の顔がゆっくりと私を捕らえます。
「……ひっ」
「残念だよね~?茶色とか、もっと珍しい色だと良かったんだけど~。」
一歩ずつ男が近付いて来ます。
「あぅ……やっ…だ………来ないで!」
私は座ったままズリズリと後ろへ下がります。
でも、直ぐに背中に硬い物が当たり下がれなくなって……。
「……満たされないんだぁ。何をやっても……。犯して、目を抉って、肉を削いで、切り刻んで、殺して殺して殺してぇ!!何をやってもやってもやってもやっても満たされない!!」
男が私の側にしゃがみ、私の前髪を掴むと上向かせポロポロと涙を流す顔を見て笑います。
「君はこんなオレを満たしてくれるかな?」
事故らない程度ですよ?
馬車にはお姉様とガクとスケルも乗ってます。
伯爵邸に着くや否や、自分でドアを開け飛び降ります。
続くお姉様達。
「ビル爺はそのままカッツェの所へ!」
「……御武運を!」
「大丈夫だから心配しないで!お姉様、私は本館に居るチェリエの元へ向かいます!」
お姉様とハグを交わします。
「気を付けてね!」
「お姉様も!ガク、スケル、お姉様をきっちり守ってね!」
「給料分はきっちり殺る。」
「任せとけ~!」
因みにガクは大剣、スケルはロングソードと弓、背負ってます。
頼もしい!
セバスさんと目配せをし駆け出します!
お姉様達はそのまま突っ切り中庭へ。
私とセバスさんは階段を登って行きます。
チェリエが居るとしたら、私の部屋でしょうからね!
■■■黒い一団■■■
全身を黒一色で統一した集団が居た。
その先頭を行く2人の男。
「リーダー(笑)~?」
「……何だ?」
「思ったより人の気配がしないんだけど~?特にあっちの建物さぁ。ああ!でも、オレの勘が女の子だと訴え掛けてくる~。あっは、オレ、先にあっち見てくるわ~♪」
両腕を頭の上で組み、何でもない様にリーダー(笑)に話し掛ける。
「……ターゲットを優先しろ。」
「ああん?何?指図すんの~?オレに~?」
「ぐっ……リーダー命令だ!!」
ギリリと奥歯を噛み締めるリーダー(笑)に対して、少し先に行き立ち止まると、振り返りニヤリと笑う。
そこは丁度、伯爵邸に張られた結界のギリギリのライン。
「あっはっ、聞こえないな~♪」
「……ブィーア!!」
ブィーアと呼ばれビクリと反応する男。
ゆっくりとリーダー(笑)に向けて、右手を伸ばす。
「……死ねよ。」
ブィーアの言葉と同時に、リーダー(笑)の首に下から伸びた闇の手が締まる。
「ぐっ!?」
必至に闇の手を解こうともがくが、闇は掴めない。
目の前がチカチカし始めた頃フッと手が消え、リーダー(笑)は立っていられずその場に膝まづいた。
「げほっ……がっはあ、はあ、はあ」
「あっは!死ぬと思ったあ?あはは、殺さないよ~♪オレも怒られるのや~だ~し~♪」
両手を伸ばし、その場でクルリと楽し気に回る。
伸ばした手を腰に当て、前屈みになるとリーダー(笑)の顔を覗き込み、
「……行っても良いよね~♪」
「……好きにしろ!!」
「あっは!リーダー(笑)チョロ!じゃ~ね~♪」
笑いながら影の中へブィーアは沈んで行った。
■■■本館・チェリエ■■■
ミリアが舞踏会に出掛けてから、みんな出掛けて行きました。
ケイト達が気を使って、「一緒に行こう」「二時間は戻って来ないでしょう?」と誘ってくれたけど残りました。
嬉しかったけどね!
だって、ミリアの行動は読めませんからね。
最初はミリアのドレスをチクチク手直ししたりしてて、今はいっぱいになってしまったぬいぐるみを、箱に詰めています。
ミリアが孤児院に寄付すると言っていたので。
大きなパンダ?以外は要らないと言ってたから、それ以外をせっせと箱詰め……結構な時間が掛かってます。
早く終わると思ってたんですがね?
箱が2つ、3つと増えていきます。
…………どんだけだよ!!
て、思った時です。
「あっは~!やっぱり、女の子居た~。うんうん。オレの勘は当たるんだよね~♪」
いきなり、部屋の中で男の声が!?
見れば、全身真っ黒な服で鼻から下も布で覆っている為、目しか見えません。
……ミリアと同じ黒。
「あ、あああなた、誰何ですか!いったいどこから……!?ここが伯爵夫人の部屋と知っての狼藉ですか!!」
男はコテンと首を傾げて……笑いました。
「あっは~♪元気だね~?オレね、ブィーアとか4番目とか呼ばれてんの!ムカツクよね~?そっかぁ、ここ嫁ちゃんの部屋か~♪」
言いながら、男は部屋の中を物色し始めました。
止めさせなきゃって思うのに、身体が震えて立てません。
……ミリア、ごめん。
ごめんなさい。
なんか、この人怖い!!
怖い…………怖いよ、ミリア、ミリア、ミリア!!
涙が溢れて零れていきます。
声が震えます。
「で……で、出てって……」
「あっ!これって宝石箱~♪オレ、宝石大好きなんだ~。キラキラしててキレイだよね~♪……裏切らないし、動かないし、話さないし。コレはルビー、コレはトパーズ?サファイアに……木彫り?よく分っかんないけど貰ってくね~!君の瞳の代わりに……。」
男の顔がゆっくりと私を捕らえます。
「……ひっ」
「残念だよね~?茶色とか、もっと珍しい色だと良かったんだけど~。」
一歩ずつ男が近付いて来ます。
「あぅ……やっ…だ………来ないで!」
私は座ったままズリズリと後ろへ下がります。
でも、直ぐに背中に硬い物が当たり下がれなくなって……。
「……満たされないんだぁ。何をやっても……。犯して、目を抉って、肉を削いで、切り刻んで、殺して殺して殺してぇ!!何をやってもやってもやってもやっても満たされない!!」
男が私の側にしゃがみ、私の前髪を掴むと上向かせポロポロと涙を流す顔を見て笑います。
「君はこんなオレを満たしてくれるかな?」
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