51 / 107
フューネの祝日・襲撃・お姉様side
しおりを挟む
ミリアと別れて、ガクとスケルを伴い中庭に出ます。
正直、ミリアは私より強いと思っていますが心配です。
そもそも、強く無ければ魔法師団に臨時とは言え即入団等無理な話しなのですから。
ヤーディング侯爵の御墨付きですし、スケルが庭で鍛練しているのを隠れて見ていたのも知ってます。
それでも心配なのは心配です!
本館に敵が居ない事を祈ります。
「……お嬢、集中してくれ。」
「分かってますわ!!」
「妹様なら大丈夫だって!付いてった執事が只者じゃね~。」
スケルが走りながら弓を構えます。
小さいですが、剣撃の音が聞こえてきました。
…………既に敵は侵入していた様ですね。
見えてきました。
敵は全身真っ黒です。
敵、味方の判別が楽ですわね!
3人の黒服に2人の男性が戦っています。
巨体の方が自身よりも大きな大剣を振り回し、細い方が動き周りながら弓を射って援護しています。
細い方の後ろに現れた4人目の黒服に、スケルが矢を放ちます!
「ぐああ!?」
黒服の右腕を貫いた様です。
細い方は一瞬驚き、直ぐに黒服3人に対して威嚇射撃を行いながら、聞いてきました。
「……有り難う御座います!貴女方は?」
「私はミリアの姉ですわ!先に援護に参りました!」
話す私の横をガクが走り抜け、スケルに肩を射られた黒服に大剣の横振り一閃。
黒服は吹き飛び、別館の壁に激突し動かなくなりました。
スケルも弓を仕舞い、ロングソードを抜きながら3人の内の1人に斬り掛かって行きます。
「……別館の中は?」
「既に入られてます!」
聞こえない程度の舌打ちをしながら、別館を見上げ……。
「ウィンドブラスト!!」
風の爆発が起こり3階の窓ガラスが吹き飛びます。
1枚だけを狙ったのですが……3枚……いえ、緊急事態ですわ。
問題ありません!!
それを見たガクが黒服とスケルの間に割って入り、
「……お嬢を頼んだ!」
「おう!任せろ…………お嬢!おれが先に行くぞ!!」
言うや、スケルは駆け出し2階迄跳ぶと、器用にスルスルと登り
「おりゃあ!」
と叫びながら剣を振り、3階へ飛び込んで行きました。
……敵が居たようです。
私も行きましょう。
「ここは任せましたよ!ガク!」
「ああ!スケルから離れ過ぎないで下さいよ。お嬢!!」
「分かってますわよ!」
風魔法を使い3階へ!
既に1人の黒服が倒れ(ガラスがめっちゃ刺さってる)、残る1人とスケルが斬り合っています。
更に窓から現れた私に気を取られた黒服がスケルに左脇腹を斬られ、怯んだ所に私が斬り掛かります。
背後に回ったスケルが黒服の背を斬り上げ、呻きながら倒れていく黒服の後頭部を思い切り蹴りつけます。
ゴズッッ!!
と鈍い音が廊下に響きます。
最後の蹴りは必要だったのかしら?
まあ、敵に情けは不要ですわね!
耳を澄ませば、下の階でも戦っている音が聞こえてきます。
が、3階に通してしまっているのでダメダメですわね!
「この先の部屋ですわね!行きますわよ!」
「はい、お嬢!!」
この先の部屋に居るのはジークフリード様の愛人……。
黒服の狙いがその愛人……。
只の愛人では無さそうですね。
帝国が狙ってくる程の人物……何者なのでしょう?
こうなってくると、本当に愛人なのか疑問ですが…………匿ってる内にそう言う関係になったとも考えられますけどね。
部屋のドアは開け放たれ、メイドが既に1人倒れています。
メイドの側にはロングソードが落ちています。
メイドに扮した女性騎士でしょう。
部屋に踏み込めば、1人の黒服と1人のメイドが斬り結び、その奥でドレス姿の女性がメイドの背に守られています。
私達の存在に気付いた黒服がメイドを蹴り飛ばし、後ろに飛び退き距離を取ります。
「……諦めて投降されては如何かしら?」
「……新手か、騎士団では無さそうだが、あんたが伯爵夫人か?」
「教えて差し上げる義理は御座いませんわよね?何者か聞いたら貴方は教えてくれますの?」
隣でスケルがキリキリと弓を引き絞る音がします。
「……いや…………無いな!!」
言い終わる前に黒服は姿勢を低くし突っ込んできます!
スケルの矢を器用に交わし、私は迫る黒服のショートソードを受け流し上段蹴りを見舞います。
黒服は上体を反らす事で交わし、続くスケルの剣も身軽に交わしてトントンとバックステップで元の位置へ戻ります。
「……1人ではキツイ……か。そもそも、今夜の襲撃事態が予想されていたか……?」
「今頃気づきまして?馬鹿なの?阿呆なの?無能なの?」
「…………上の奴等がな。私達は命令に従うだけ、だ!!ミスト!!」
「ウィンド!!」
黒服が出した視界を遮る霧を、瞬時に風で吹き飛ばします。
その一瞬で黒服はバルコニーから飛び降り、スケルが追い弓を連射していましたが、頭を軽く振って戻って来ました。
外から甲高い笛の音が響きます。
逃げられた上に、撤退の合図迄…………。
今の男がリーダー格で間違いないでしょう。
急いでミリアの安否確認に行きたい所ですが、愛人……を放置していく訳にもいきませんし……はぁ、早くガク来てくれないかしら?
正直、ミリアは私より強いと思っていますが心配です。
そもそも、強く無ければ魔法師団に臨時とは言え即入団等無理な話しなのですから。
ヤーディング侯爵の御墨付きですし、スケルが庭で鍛練しているのを隠れて見ていたのも知ってます。
それでも心配なのは心配です!
本館に敵が居ない事を祈ります。
「……お嬢、集中してくれ。」
「分かってますわ!!」
「妹様なら大丈夫だって!付いてった執事が只者じゃね~。」
スケルが走りながら弓を構えます。
小さいですが、剣撃の音が聞こえてきました。
…………既に敵は侵入していた様ですね。
見えてきました。
敵は全身真っ黒です。
敵、味方の判別が楽ですわね!
3人の黒服に2人の男性が戦っています。
巨体の方が自身よりも大きな大剣を振り回し、細い方が動き周りながら弓を射って援護しています。
細い方の後ろに現れた4人目の黒服に、スケルが矢を放ちます!
「ぐああ!?」
黒服の右腕を貫いた様です。
細い方は一瞬驚き、直ぐに黒服3人に対して威嚇射撃を行いながら、聞いてきました。
「……有り難う御座います!貴女方は?」
「私はミリアの姉ですわ!先に援護に参りました!」
話す私の横をガクが走り抜け、スケルに肩を射られた黒服に大剣の横振り一閃。
黒服は吹き飛び、別館の壁に激突し動かなくなりました。
スケルも弓を仕舞い、ロングソードを抜きながら3人の内の1人に斬り掛かって行きます。
「……別館の中は?」
「既に入られてます!」
聞こえない程度の舌打ちをしながら、別館を見上げ……。
「ウィンドブラスト!!」
風の爆発が起こり3階の窓ガラスが吹き飛びます。
1枚だけを狙ったのですが……3枚……いえ、緊急事態ですわ。
問題ありません!!
それを見たガクが黒服とスケルの間に割って入り、
「……お嬢を頼んだ!」
「おう!任せろ…………お嬢!おれが先に行くぞ!!」
言うや、スケルは駆け出し2階迄跳ぶと、器用にスルスルと登り
「おりゃあ!」
と叫びながら剣を振り、3階へ飛び込んで行きました。
……敵が居たようです。
私も行きましょう。
「ここは任せましたよ!ガク!」
「ああ!スケルから離れ過ぎないで下さいよ。お嬢!!」
「分かってますわよ!」
風魔法を使い3階へ!
既に1人の黒服が倒れ(ガラスがめっちゃ刺さってる)、残る1人とスケルが斬り合っています。
更に窓から現れた私に気を取られた黒服がスケルに左脇腹を斬られ、怯んだ所に私が斬り掛かります。
背後に回ったスケルが黒服の背を斬り上げ、呻きながら倒れていく黒服の後頭部を思い切り蹴りつけます。
ゴズッッ!!
と鈍い音が廊下に響きます。
最後の蹴りは必要だったのかしら?
まあ、敵に情けは不要ですわね!
耳を澄ませば、下の階でも戦っている音が聞こえてきます。
が、3階に通してしまっているのでダメダメですわね!
「この先の部屋ですわね!行きますわよ!」
「はい、お嬢!!」
この先の部屋に居るのはジークフリード様の愛人……。
黒服の狙いがその愛人……。
只の愛人では無さそうですね。
帝国が狙ってくる程の人物……何者なのでしょう?
こうなってくると、本当に愛人なのか疑問ですが…………匿ってる内にそう言う関係になったとも考えられますけどね。
部屋のドアは開け放たれ、メイドが既に1人倒れています。
メイドの側にはロングソードが落ちています。
メイドに扮した女性騎士でしょう。
部屋に踏み込めば、1人の黒服と1人のメイドが斬り結び、その奥でドレス姿の女性がメイドの背に守られています。
私達の存在に気付いた黒服がメイドを蹴り飛ばし、後ろに飛び退き距離を取ります。
「……諦めて投降されては如何かしら?」
「……新手か、騎士団では無さそうだが、あんたが伯爵夫人か?」
「教えて差し上げる義理は御座いませんわよね?何者か聞いたら貴方は教えてくれますの?」
隣でスケルがキリキリと弓を引き絞る音がします。
「……いや…………無いな!!」
言い終わる前に黒服は姿勢を低くし突っ込んできます!
スケルの矢を器用に交わし、私は迫る黒服のショートソードを受け流し上段蹴りを見舞います。
黒服は上体を反らす事で交わし、続くスケルの剣も身軽に交わしてトントンとバックステップで元の位置へ戻ります。
「……1人ではキツイ……か。そもそも、今夜の襲撃事態が予想されていたか……?」
「今頃気づきまして?馬鹿なの?阿呆なの?無能なの?」
「…………上の奴等がな。私達は命令に従うだけ、だ!!ミスト!!」
「ウィンド!!」
黒服が出した視界を遮る霧を、瞬時に風で吹き飛ばします。
その一瞬で黒服はバルコニーから飛び降り、スケルが追い弓を連射していましたが、頭を軽く振って戻って来ました。
外から甲高い笛の音が響きます。
逃げられた上に、撤退の合図迄…………。
今の男がリーダー格で間違いないでしょう。
急いでミリアの安否確認に行きたい所ですが、愛人……を放置していく訳にもいきませんし……はぁ、早くガク来てくれないかしら?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5,150
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる