黒の創造召喚師

幾威空

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1巻

1-1

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 第0話 BAD ENDは手違いから


「――……ぇ……て」

 かすかに耳朶じだを打つ声。それはぼんやりとかすみがかった意識に小さく届く。

「ね――……ば、お……てよ」

 声が次第にはっきりと聞き取れるようになっていく。それにつれ、意識もクリアになる。

「う……うん……」

 ふわふわと心地よい気分を台無しにするかのような声に不機嫌になりつつ、うっすらとまぶたを開いていくと――

「よかったぁ~。ちゃんと起きてくれたね!」

 そこには、にこにこと微笑みながら見下ろしてくる幼い男の子がいた。フード付きの白いローブを身につけ、見つめる瞳はくりっとした可愛さを宿している。
 よほどローブが長いらしく、裾を引きっているのは愛嬌あいきょうだろう。

「こ、ここは……?」

 ゆっくりと上半身を起こす。目の前には見覚えのない、真っ白な空間が広がっていた。

「うん? ここがどこかってかれてもなぁ……」

 届いた質問に少しばかり苦笑を浮かべながら、隣に立つ男の子はハッキリと告げた。

「ここは――……冥界めいかいへの入口だよ」
「……はっ?」
「だから、『冥界への入口』なんだってば!」

 頬をふくらませてぷんすかと怒り顔になるが、全くもって怒っているという印象は受けない。

「冥……界?」

 意味が分からず、ただオウム返しにそうつぶやく。男の子はその言葉に気をよくしたのか、続けざまに衝撃的な言葉を告げる。

「そう、ここは死んだたましいが流れ着く場所だよ。さっくり結論から言っちゃえば、キミは死んだんだ――今から約一時間前にね。佐伯継那さえきつぐなクン」

 満面の笑みで告げられた死亡宣告に、継那と呼ばれた少年は固まるほかなかった。


  ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「俺が……死んだ?」

 あまりに唐突な宣告に、継那は思わず訊き返してしまう。できれば嘘であって欲しい、というわずかばかりの期待も……

「モチのロンだね。国士無双こくしむそうレベルで」
「国士無双って」
役満やくまんでも可」
「……麻雀マージャンかよ」
「テヘッ★」

 これでもかというほど可愛らしい笑みを浮かべながら、腹黒そうな男の子はさらりと受け流す。

「……ちなみに死因は?」

「冗談じゃないぞ」と思う継那だったが、ここで取り乱すのも格好が悪い。

(俺自身、誘拐とかに巻き込まれた記憶はない。病気、という線もあるが可能性は低いだろう……なら、なぜ?)

 継那がそう考えるのも無理はない。思い返せば、彼は大多数のうちの一人とも表現できる一般人――それも今年の春に高校に入学したばかりの学生であった。命をおびやかされるほどの深刻な病に侵された記憶もない。
 そんな人間に降って湧いた死亡宣告である。誰であれ、そうした唐突過ぎる宣告にこのような思いを抱くのは当然と言えば当然だろう。
 ふつふつと湧き上がる疑問と怒りを内に秘めつつも、せめて詳しい話を聞いた後で態度を明確にしようと、継那は感情を抑え込んだ。「冥界の入口」という言葉の真偽は分からないが、ここが見慣れた自分の部屋ではないことは明らかなのだ。

「う~んと、普通に事故死だね」
「事故? だって、俺は家でテレビを見てただけだぞ?」

 直前の記憶を掘り返して、告げられた死因に首をかしげるしかない継那だった。確か、いつものように居間でテレビを見ながら、夕食後の時間をだらだらと過ごしていたはずだ。

「まぁ、その後のことを知らないからそう感じるのかもね。あぁ、それとも死ぬ前後の記憶が飛んでるのかな? ボクとしてはその方が幸せだろうとは思うけどね……ただ、というのは事故かな、と」
「……えっ?」

 どんだけの確率だよ、と突っ込みたい衝動をどうにか呑み込み、継那は話の続きを待つ。

「キミの死因は事故死。家に車が突っ込んできて、運悪く直撃してしまったんだよ。すぐさま病院に運ばれるも、結局……っていうオチなわけ」
「なんとまぁ……」

 呆れるにもほどがある、と継那は自分の不運をなげいてしまう。そんな冗談みたいな原因と奇跡的な確率によって自分に死が訪れようとは。

「そうそう。このタイミングでキミが死ぬなんて、ボクたちにも予想ができなかったことなんだ」
「ボクたち? それじゃあ……お前は――」

 目を見開いた継那が推測を述べる前に――

「あぁ、言ってなかったっけ? ボクは神様だよ。キミたち人間が言うところの、ね」

 驚いた? とニコニコと微笑む少年にさらりと言われてしまう。

「あぁ~、うん。驚いた――」

 棒読みですげなく答える継那。

「ちょっと! ひどくない? わざわざボクがここまで出張ってくるなんて、フツーないんだよ?」

 膨れた頬としかめ面を継那に向けたあと、神様はころころと表情を変えた。


「でもさぁ、神様って唐突に言われてもな……」

 継那からすれば、ハッキリ言って「何本頭のネジが飛んでんだ?」と鼻で笑いたくなるお話だ。
 白く広い空間、よくよく見ればうっすらと透けている自分の身体……挙げればキリがないが、ここが「通常とは異なる場所」なのは明白。しかしそれと目の前の人物を信じられるかという話はまた別の問題である。

「ふむ。まぁ仕方ないよね。でも、どうしたら信じてくれる?」
「そりゃあ……神様なんだろ? 神様だったら知ってるようなこと……例えば俺の秘密でも話してくれればいいんじゃないのか?」

 どうすれば信じられるか、と問われても継那にも明確な基準はない。だが「自分だけしか知らない」ことを話せるなら、少なくとも信じるに足る人物だと認定できる。
「自分だけしか知らない」とは言ってみれば、その人の弱味なり秘密なりになる。悪意を持っている者であれば、それを利用しない手はない。咄嗟とっさに出した条件としてはまずまずのものだろう。
 継那がなかば投げやりにそう返答すると、目の前の少年はこくりと軽く頷いた。

「それもそっか。それじゃあ、経緯いきさつも含めて改めて話をしよっか」

 ニコニコとどこか黒味を帯びた微笑みをたたえながら、自称神様はすらすらと語り出した。

「キミの名前は佐伯継那クン。性別は男。年齢は十六歳。死因はさっきも言った通り事故死。それも、テレビを見ていた時に家に車が突っ込んできたことによるのが原因……って、確率的に奇跡だよね☆ 学校の成績は中の下ってトコかな? もう少し勉強しておいた方がよかったと思うけど?」
「ほっとけ」

 お前は俺の何なんだ、と言い返したい気分に駆られた継那だったが、ここで話を中断させるわけにもいかず、わずかに表情を曇らせるだけに留めた。

「趣味はゲームとラノベ。うっわ、完全にヲタク街道を走り始めてるね。まぁ十八禁には興味あるけど、まだ手を出してないところにウブさが感じられるね★」

 アイアンクローを決めようかと瞬時に手を伸ばした継那だが、するりと回避されて虚空こくうを掴む。「チッ」と小さく舌打ちをすると、神様は「残念でした」と言わんばかりに少しだけ目元を緩ませつらつらと話を再開する。

「んで、特技は……絵を描くこと、か。これは凄いね。何度か表彰受けてるじゃん!」
「たまたまだよ、たまたま」

 気恥ずかしくなってふいっと顔をそむけるも、褒められて悪い気はしない継那だった。

「ただ、昔はよかっただろうけど……今はねぇ。描いてるのがもっぱらケモミミ美――」
「だあああぁぁ! ちょっと待ったああぁぁ!」
「――なんてさ。親御さんが発見したらどーするの?」
「うっ……!」

 しまった、と後悔するももう遅い。こんな状態では今さら自分の秘蔵品をどうにかするなんて無理な話だ。完璧なる黒歴史である。封印しようにもできないのが痛い。そしてそれを身内に発見される可能性が大なところがさらに痛い。

「もういいだろ……それ以上俺の傷をえぐるな」

 思わず土下座したくなる気持ちもそのままに、継那は小さな声でそう呟くしかなかった。心のライフポイントは既に危険域レッドゾーンである。

「それじゃあ、ボクが神様って信じてくれた?」
「……」

 顔をおおってコクコクと頷く継那。

「そうそう、最近までノートに『我が前にきたれ! 顕現けんげんせよ! なんじわれの冥王の契約を~』とか何とか色々書いてる厨二病患者だったって付け加えた方がよかったかな★」
「ぐはっ!」

 さらにそんなことを言って笑みを浮かべる男の子によって、継那のライフは完全に削られたのだった。


「……それで? 一体俺に何の用なんだよ?」

 悪夢の尋問からしばらく経ち、なんとか精神的に回復を果たした継那は、神様である目の前の男の子に本題を切り出した。

「うん、あのね――」

 どこか困ったような表情を浮かべた男の子は、次の瞬間――

「ごめんなさい!」

 バッといきなり頭を下げた。

「へっ?」

 急転した態度に、思わずそんな高い声しか出ない継那だったが、神様は話を続ける。

「実は、キミは本当ならあの時死ぬことはなかったんだ」
「うん? でも『車が家に突っ込んできた』っつう事故で死んだんだろ? そんなこと、予想なんてできないだろうし、事実そうだったじゃないか」

 なんとなくフォローするように、継那は優しく声をかける。

「まぁ、ね……でも、ボクのような神様というのは、大きく分けて二つの役割があるんだ。一つは、一人一人に決められた寿命と運命に合わせて死を与え、来世へと導くこと。冥界が死者の魂で溢れないように、管理しなくちゃいけないからね」
「つまり、人間の死はスケジュール化されてる、とでも言うのか?」
「う~ん、まぁ厳密には違うんだけど、大雑把に言えばそうだね。だから、そのスケジュールが崩れないよう、予期せぬ事象には神様が介入して軌道修正を図るんだ。元のレールにその人が乗っかれるように。それが神様のもう一つの役割でもある」
「でも、俺は実際に死んだんだろ? それはつまり――」
「ボクの手違い、ですっ! あはっ☆」

 苦しまぎれのその微笑に、思わず拳を叩き込みたくなった継那だった。


 佐伯継那、十六歳。
 奇跡的な確率と冗談みたいな原因で彼に訪れた死は、神様の手違いによるものだった。



 第1話 手違いのお詫び


「それで、結局俺はどうなるんだ?」

 神様からの謝罪を受けた継那は、今後自分がどうなるかについて訊くことにした。
 理由はどうであれ、自分は死んでしまった。未だに実感が湧かない、というのが正直な感想だし、十六歳という年齢を考えても、まだまだ遊びたい思いはある。けれども、過去を振り返っても仕方がないのは明らかである。であるならばどうするか。
 現在と未来を見据えるほかない。
 佐伯継那は、こうした局面においても達観し、ポジティブに考えられる人間だった。何事も割り切り過ぎて周囲からは「ノーテンキ」という烙印らくいんを押されていたのだが。

「そう言ってくれて助かるよ……それで、キミのことなんだけどね」

 ほっと胸を撫で下ろした神様は、そう前置きした上で――

「――なんと! 佐伯継那クン! キミは見事、転生する権利を得ましたぁ~!」

 バンザーイと両手を上げて嬉しそうな顔をする。

「……転生、ねぇ……」

 一方の継那はなんとも微妙な表情だった。

「えぇっ? 嬉しくないの? だって、転生できるんだよ? 知識とか意識とかはそのままに生まれ変わって、新たな人生を送れるんだよ? はっきり言ってチートじゃね?」
「いや、そりゃ分かってるよ。そういう小説を何度も読んでるから」
「それじゃ、どーしてさ?」

 いぶかしむ神様に、グサリとひと言。

「――お前の手違いで死んだのなら、当然じゃね?」
「はうっ!」

 このひと言が効いたのか、ヨヨヨ……と崩れ落ちながら泣く(真似をする)神様。しかし、見た目と言動に反して存外肝が据わっていた。

「そりゃあコッチの手違いではあるけど、あんまりな物言いじゃない?」

 一瞬で復活を果たす。なかなかしぶとい神様である。

「そうか、悪かった……」

 すぐさま謝罪の言葉を述べる継那。だが彼もこの神様と同程度にしたたかな存在なのである。

「――でも、責任問われるのはお前じゃないのか?」
「ぐばっ!」
「さっき、『ボクたちには予想できなかった』って言ってただろ? ってことはだ、この世界は、お前のような神様が複数で管理していることになる」
「あっははは……ソンナコトイッタカナァ……?」

 相手の様子を窺いながらも、継那はすらすらと言葉をつむぐ。一方、神様の方は分かりやすいほどに目が泳ぎ、乾いた笑いを漏らしている。
 気まずい空気が二人の間に流れる中、継那はさらに言葉を続けた。

「いいのか? ここで時間を食ってたら、他の神様にも感づかれるぞ? そうでなくても、人の生き死にがスケジューリングされているんだろ? 些細な狂いであっても見落とさない神経質な神様がいたら? お前の行動が逐一調べ上げられた挙句、手違いで俺が死んだことがもしバレたら?」

 推測を重ね、想像を巡らせ、継那は少しずつ神様を追い込んでいく。最初は目が泳いでいただけであったのが、次第に身体が震え出し、冷や汗がドバドバと流れていく様子が見受けられるようになった。

「――……最悪、今の地位は剥奪はくだつだな」
「げばぁ!」

 よほどその一撃が効いたのか、雷に打たれたかのように一瞬ビクリと身体を震わせて、神様は倒れてしまった。

「そ、それ……で。キミは……何を?」
特典ボーナスでもよこせ」

 震える声で訊ねる神様に対し、継那はニヤニヤと強かな笑顔と共に、簡潔明瞭な要求を差し出した。


  ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 神様いわく、転生の条件として「同じ世界への転生は不可」とのことだった。加えて、「転生先は別に人という種族に限らなくてもいい」との言葉もあったが、別の種族として生きるというビジョンは継那には描けなかった。「転生後も人でいいよ」と告げ、代わりに「魔法が存在する世界」を望んだ。
 継那も男の子である。ご多分に漏れず、そういったファンタジーな世界に魅了されて育ったので、「魔法」という未知の概念や技術が存在する世界には、少なからず憧れを持っていた。

「オッケー、他に要望はある?」
「う~ん、特にはないかな」
「りょーかいっと……それじゃあ、ここなんかいいんじゃないかな?」

 神様が杖(どこから出したんだという継那の突っ込みはスルーされた)を一度るい、継那の目の前に映し出したのは、ある世界の光景だった。

「……ここは?」
「イグリア大陸っていうところ。ここには『ユスティリア王国』『メフィストバル帝国』『レバンティリア神聖国』っていう三つの国が存在してる」

 映し出されたスクリーンのようなものには、大きな楕円形の大陸が広がり、北はレバンティリア神聖国、南東にはユスティリア王国、西南にはメフィストバル帝国と記されている。

「魔法が存在していて、地球のような科学技術は発達していない……当然と言えば当然だけど。種族は人族・獣人族・魔族が主だね。獣人は細かく分かれてるみたいだけど、そこは割愛かつあいで!」
「へいへい……それにしても、国が少しばかり小さくないか?」

 地図を眺めながら、継那はふとそう漏らした。

「それは森林や山間部、海に魔物や魔獣と呼ばれるものがいて、領土を広げられていないからみたいだね。大陸中央に大きな森が広がっていて、そこは特に強力な魔獣が棲み着いている、と。ここを自国の領土とできれば、大陸の中央を押さえられるメリットはありそうだけど、そのためには多大な労力を払わなければならない。外敵から身を守りつつ、自国の領土を拡大させることは困難だろうしね。そんな犠牲を払うなら、いっそしない方がいい……そんな思惑から、どこも版図はんとを広げられていないようだよ」

 表示された世界地図を眺めつつ、神様は世界構成の解説をつらつら加えていく。話を聞きながらも「なるほど」と頷いた継那は「それじゃあこの世界で」と転生先の世界を決めた。

「それで……」
「うん? 何だよ」

 もごもごとどこか言いにくそうにうつむいた神様の様子を見て、継那はすぐに察しがついた。

「あぁ、特典ボーナスのことか?」

 そう指摘すると、「はうっ!」と奇声を上げて、神様はこくりと頷く。

「どうする? 特典、といっても形式は色々あるんだけど……」
「ってことは、過去に何度か特典付きで転生した奴がいるのか?」

 神様の言葉から気付くところのあった継那がそう訊き返すと「まぁ、無きにしもあらず、かな~」と乾いた笑い声を上げ、神様は言葉を濁す。

「ちなみに聞くけどさ」
「うん? 何かな?」
「俺は転生するんだろ? なら、その転生した先の世界で俺の起こした行為によって死んだ人間とかにも謝罪なり、何らかの便宜を図ったりするのか? 悪影響とか問題とか起きないのか?」

 継那はふと疑問に感じたことを訊ねてみた。
 これはタイムトラベルものの話によく出てくる問題と似ている。
 例えば過去にさかのぼって問題を解決するような場合、さかのぼった人間はその場にいる人間との接触を極力避けなければならない。なぜなら、接触をしたことで未来にどのような影響が及ぶのかが分からないからだ。
 現在の継那は、運命というレールから外れた存在である。その自分が転生を果たすことで、何か異常が起きないかと、この冥界――ひいては目の前の神様に対する危惧が生じたのだった。

「心配してくれてるの?」

 気にかけてくれるのが嬉しいからか、頬を緩ませて訊き返す神様。一方の継那はさらに言葉を続ける。

「いや、別に。もとはと言えばお前の責任だけど、影響が出ないかと単に気になっただけだからな」
「そんなことが理由なの?」
「寝覚めが悪いのが嫌いなんだよ」

 不機嫌そうにそう告げる継那とは対照的に、神様はただ肩をすくめるだけであった。

「もっと気楽に考えればいいのに……」
「初めてのことだから慎重になって当然だろ?」

 こんなことを気楽に、なんて考えられる人間なんていないだろうと思いつつ、継那はそれ以上何も言わなかった。

「そーゆーものなのかな? ボクとしては別にどうでもいいけどね。……んで、話を戻すけど、転生した先でキミによって殺された人がいたとしても、ボクは今回のように謝罪するとか便宜を図ることはないよ」
「なんでだ?」
「だって、キミは死んだからね。『死』という事象によって、運命というレールは終着点に至る。キミが転生を果たした先で殺された人は、別の何かの原因で死亡する。誰がいつ死ぬのかは決まっているんだ。その原因が様々なだけでしかない。ただ、キミの場合は例外だ。転生した先でまた新しいレールが敷かれるわけさ。中身は同じでも、入れる容器や貼られるラベルが違う……みたいなものだね」
「なんだかな……中身は今の俺でも、外見は違うって聞くと自分が自分じゃないみたいな感覚に陥りそうだ」
「う~ん。まぁ気にするだけ無駄だと思うよ?」
「――にしても、お前の説明、どこか上手過ぎやしないか?」
「あっははは……ソウカナァ?」
(あぁ……コイツ絶対、過去にも同じようなことをやらかしやがったな……)

 呆れるような視線を感じたのか、神様は乾いた笑みを貼りつけたままだった。


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