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目を覚ますと、昨日とまったく同じ朝だった。
大学生の水城透は、奇妙な違和感を覚えていた。
スマートフォンの日付は昨日と同じ。
テレビのニュースも同じ。
友人との会話も、昨日と一言一句変わらない。
そして午後10時。
昨日と同じように、大学の旧校舎で一人の女子学生が殺される。
透は事件を防ごうとするが、どれだけ行動を変えても、午後10時になると必ず彼女は死んでしまう。
しかし、繰り返すたびに少しずつ違うものが見えてくる。
一度目には気づかなかった血痕。
二度目には存在しなかったメッセージ。
三度目には、被害者自身が残した謎の言葉。
「私を殺す人を探さないで」
「昨日を殺した人を探して」
透は意味が分からないまま、事件の真相を追い始める。
やがて分かったのは、同じ一日を繰り返しているのは透だけではないということだった。
事件に関わる人物たちもまた、それぞれ別の「昨日」を覚えていた。
誰かは犯人を知っている。
誰かは被害者を救おうとしている。
そして誰かは、事件そのものを繰り返すために動いている。
何度目かの午後9時。
透はついに、事件が起きる前の旧校舎で一人の人物と出会う。
その人物は透を見るなり、こう言った。
「やっと、ここまで来たんだね」
そして告げられたのは、透自身がこの事件の最初の被害者だったという事実だった。
では、今まで透が繰り返していた一日は、一体誰のためのものなのか。
最後の一日で、透は事件の真相と、自分が忘れていた「あの日」の記憶にたどり着く。
そして午前0時。
長かった一日が、ようやく終わる。
――そう思っていた。
翌朝、透が目を覚ます。
スマートフォンの日付は、昨日と同じだった。
文字数 2,485
最終更新日 2026.09.22
登録日 2026.09.22
空から星が消え始めた世界。
星が消えるたびに、世界から一つの「記憶」が失われていく――。
小さな村で暮らす少年・ルカは、ある夜、空から落ちてきた青白い光を目撃する。
光の中にいたのは、銀色の髪を持つ少女だった。
少女は自分の名前以外の記憶をすべて失っていた。
「私の記憶を探して。そうしないと、この世界から全部なくなる」
少女の言葉を聞いた直後、村から一つの記憶が消えた。
村人たちは、長年ともに暮らしてきた老人の存在を誰も覚えていなかった。
ルカだけが、その老人を覚えていた。
やがてルカは、少女とともに星が消える原因を探す旅に出る。
旅の途中で二人が知ったのは、世界の果てにある「星喰いの塔」と、そこで眠る巨大な魔物の存在だった。
しかし、魔物を倒せば星が戻るわけではなかった。
星を消していたのは、魔物ではない。
そして少女が記憶を失った理由にも、世界の運命そのものに関わる秘密が隠されていた。
失われていく記憶。
戻っていく過去。
そして、最後に残される一つの選択。
ルカは世界を救うため、あるものを犠牲にすることになる。
その選択をしたとき、空には再び星が輝き始める。
けれど、その夜。
ルカの隣には、もう誰もいなかった。
文字数 2,238
最終更新日 2026.09.20
登録日 2026.09.20
大学生の高橋蓮は、友人たちと過ごした夜の翌朝、一通のメッセージを受け取る。
「昨日のこと、誰にも話さないで」
送り主は、昨夜一緒にいたはずの友人・美咲だった。
しかし、美咲はその夜、自宅の部屋で亡くなっていた。
部屋は内側から施錠され、窓も閉まっている。凶器も見つからず、警察は自殺の可能性を含めて捜査を始める。
ところが蓮には、一つだけ引っかかることがあった。
美咲から届いたメッセージには「既読」がついていない。
美咲が亡くなった時刻より後に送られたはずなのに、なぜかメッセージは届いていた。
さらに、美咲のスマートフォンには、亡くなる直前まで五人の友人とのグループチャットが残されていた。
そこには、誰も送った覚えのないメッセージが一つだけ残されていた。
「この中に、嘘をついている人がいる」
蓮は友人たちに話を聞く。
全員が「何も知らない」と答える。
しかし、一人ずつ話を聞いていくにつれ、それぞれの証言に小さな食い違いが見つかっていく。
やがて蓮は、美咲が死ぬ直前に残した「ある仕掛け」に気づく。
それは犯人を示す証拠なのか。
それとも、犯人を別の人物に見せるための罠なのか。
そして最後に明らかになるのは、密室そのものよりも恐ろしい「五人の秘密」だった。
すべての謎が解けたと思ったとき、蓮のスマートフォンに一件の通知が届く。
美咲とのトーク画面。
そこには、今まで存在しなかった一つのメッセージが表示されていた。
「本当に、それで全部だと思う?」
そのメッセージには、既読が一つだけついていた。
文字数 2,881
最終更新日 2026.09.20
登録日 2026.09.20
大学生の朝倉湊は、幼なじみの七瀬から奇妙な相談を受ける。
「昨日の夜、一時間だけ記憶がないの」
午後11時から午前0時まで。七瀬には、その一時間だけ記憶がなかった。
ところが、スマートフォンには午前0時ちょうどに撮影された一枚の写真が残っていた。
そこに写っていたのは、十年前に廃校となった小学校と、暗闇の中に立つ人影。そして写真の裏には、七瀬自身の筆跡で一言だけ書かれていた。
――「次は、あなたの番」
調べていくうちに、十年前、その場所で一人の少女が失踪していたことが判明する。
なぜ七瀬は事件のことを知らないはずなのに、廃校を訪れていたのか。
なぜ彼女は一時間だけ記憶を失っているのか。
そして、十年前の失踪事件と現在の出来事には、どんなつながりがあるのか。
湊は七瀬とともに過去の事件を追い始める。
しかし、二人が真実に近づくほど、七瀬の中に眠っていた記憶が少しずつ蘇っていく。
そして午前0時。
最後の記憶が戻ったとき、二人は十年間隠されていた「ある事実」にたどり着く。
すべての謎が解けたように思えた、その瞬間。
湊のスマートフォンに、一枚の写真が届く。
撮影日時は――十年前。
写真に写っていたのは、廃校の前に立つ二人の子どもだった。
そのうち一人は、確かに湊だった。
そして、もう一人は――。
物語はそこで終わる。
ただ、写真の隅に残された小さな時計だけが、午前0時を指していた。
文字数 2,519
最終更新日 2026.09.20
登録日 2026.09.20
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