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王都の飲食店で、夫の店の看板料理を作り続けてきたエルナ。けれど、名前を呼ばれることは一度もなかった。ある日、夫から離縁状を突きつけられる。
「……わかりました」
手元に残ったのは、母のレシピ帳と包丁だけ。持参金を返してもらい、地図で指さした辺境の町リンデンへ。馬車で十日かけてたどり着いた町で、エルナは自分の名前で小さな食堂を開くことを決める。
腹を空かせた騎士団、温かいスープを待つ人々。そして、毎日同じ席に座る無口な騎士団長ルーク。
やがて王都では、エルナの料理がなくなった店が傾き始め、元夫が後悔とともにやって来る。けれど、エルナはもう戻らない。
自分の料理で人を幸せにする、第二の人生が始まる。
文字数 6,579
最終更新日 2026.11.07
登録日 2026.11.07
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