NAGOMIST

NAGOMIST

AIを使いながら官能小説を書いています。 私の構想のシナリオを大切にしながら可能な限りAIに落とし込んでいます。 普段は別の物を書いています。書きたい思いが爆発して手を出したのがきっかけになります。
1
エッセイ・ノンフィクション 完結 ショートショート
「どうせ俺なんて、一つもいいことねぇ」 18歳の健吾は、人生に絶望していた。駅のホームの隅でアコースティックギターを掻き鳴らし、自作の陰鬱な曲『死にたい』を吐き出す。 Dm(ディーマイナー)が夜の空気に虚しく響く、そんな夜。 そこに現れたのは、終電間際のホームには不似合いな、いや、あまりにも「終わりすぎている」ジジイだった。 額にはネクタイのハチマキ、ワイシャツのボタンは掛け違い、ズボンのチャックは全開。片手に芋焼酎の一升瓶を抱え、千鳥足で健吾に絡んでくる。 「かぁ〜!お前の歌は暗ぇ〜!聴いてるこっちが死にたくなるわ!」 最悪だ。渾身の曲を、こんなクソジジイの奇行のBGMにされた。 だが、健吾がガン無視を決め込むと、そのジジイは焦点の合わない目で、妙にギラついた光を放った。 「お前さん、そんなに死にてぇのか」 「……『死にたい』はな、結局『誰か俺を構ってくれ』って甘えなんだよ」 「俺はな、ここいらの誰よりも金を持ってる。そこのデカいビルも、あそこの土地も、全部俺のだ」 酔っ払いの戯言か。 だが、その手にした一升瓶は『森伊蔵』。腕には見たこともない複雑な腕時計が光っている。 そしてジジイは、靴が片方無いまま、高らかに笑った。 「新曲作れよ!タイトルは『生きたい』だ!ガハハハ!」 ――あんた、一体、何者なんだよ。 謎の『どん底』(に見える)ジジイとの出会いが、Dm(マイナー)に沈みきっていた健吾の旋律に、強引なD(メジャー)の光を差し込ませる。 これは、絶望の淵から這い上がる、一人の少年の『生』の歌 
24h.ポイント 0pt
小説 213,372 位 / 213,372件 エッセイ・ノンフィクション 8,446 位 / 8,446件
文字数 2,939 最終更新日 2025.10.20 登録日 2025.10.20
1