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まるでホテルの様ね! と噂にあがる、都内でも有名な六階建ての産婦人科病院。その豪華な病院の地下室で、いつも黙々と働いているアラサー男子がこの物語の主人公。めだたない男で、すれ違ってもそっぽ向いて挨拶をする女子が多かった。男の名前は高城ひろし。元産婦人科の医師だが、医療事故を起こし、今は身分を隠してこの病院で作業員として働いていた。
将来性も何も感じられない、誰からも注目されない男。もちろん、その男が元医師だとは誰も知らないし、何年いても一人の友人も出来なかった。顔見知りになっても、おざなりな挨拶だけの付き合いが普通で、最近はこんな環境にも慣れて来たが、特に不愛想でソッポを向いて挨拶する一人の娘に、高城は生意気女のあだ名をつけた。
無口で、ほとんど何も喋らない男。自分から環境に溶け込もうとしない高城にも責任はあるが、普通だったら、こんな二人の間に接点など出来そうもない。だが、ある恥ずかしい事件と偶然の出来事が重なり、なんと二人は付き合い始める事になる。
はじめ、その交際は上手く行くように見えた。だが、巨大な財力をもった御曹司が二人の前に現れ、生意気女は誘われるまま、初めて経験する豪華な華族の世界に夢中になる。
何時の間にか三角関係だが、そんな交際が上手くいく筈がない。当然の様に二人の仲は疎遠になっていき、このまま自然消滅かと思われた。だが、御曹司から聞いた彼の生い立ちの複雑さに高城は同情を覚える。そして次第に友情さえも感じる様になって行った。
まるで違う世界の三人が、ふれあい、対立し、挫折も感じながらも、何故か相手の事が心配になる。だが、今にもばらばらになりそうな、高城と御曹司と生意気女。そんな三人の前に意外な女性が現れ、元医師の高城に学生時代の記憶がよみがえる。
放棄していた、医師としての人生は蘇るのか。
医療事故のトラウマを、高城は乗り越える事は出来るのか。
だが、ラストで物語は意外な結末を迎える。
なお、この物語は現存するどの医療機関とも関係がありません。まったく架空の物語ですのでご了承下さい。
文字数 31,161
最終更新日 2026.09.23
登録日 2026.09.22
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