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遥か遠い昔、神々が創った国フィルメーシュに大厄災が訪れた。
空一面に降り注ぐ赤黒い星々、太古の人々はそれを『綺羅星の涙』と名付けた。それはかつて、この地に生き、無残にも殺された古代竜が流した多くの血の様に大地に降り注いだ。草花は生き絶え、人々もまた多くの命を失った。人は天を見上げ、神々と多くの光に願った。
「どうか、私たちの祖が犯した罪をお許しください」と
しかし、人の願いは届くことなく厄災はこの国に降り注いだ
その時、誰もが諦めていた空から、ふわりと小さな女神が一本の苗木を抱えて舞い降りた。女神は苗木を天に翳すと優しい光が国全体を包み込み、降り注ぐ厄災はやがて霧のように消えた。
女神は人に苗木を渡し、それを誰にも知られない深い森に植えるよう言い渡すと天へと姿を消した。人は、荒れ果てた大地を歩き続け、そして厄災を逃れた不思議な森を見つけた。人は苗木を森の奥に植え、静かに祈った。すると、苗木は瞬く間に大樹へと育ち、木漏れ日が差し込む。人は大樹に『月慈ノ母樹』と名付けこの萌黄に囲まれた場所をフルアの森と呼んだ。
人は女神との約束を果たし、そして数千年経った。
大地には、様々な種族が暮らしていた。古い約束が眠っているフルアの森にも木霊の子供達が森を守りながら暮らしていた。これは、木霊の男の子ルノと行方不明の妹を探す竜人族の王子グレンが出会い、そして再び訪れる厄災に立ち向かう為の旅へと向かう。これは、優しくて切ない、さよならの御伽話。
文字数 4,016
最終更新日 2026.09.06
登録日 2026.09.06
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