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吉原の雑用勤めの三吉は、幼なじみでいまは遊女の笹百合に密かに恋心を抱いているが、遊者屋では売り物のそして格上身分の笹百合とは結ばれない運命と知っている。夏の日、浅草へ笹百合の愛しい男客、徳二郎が登楼に来るように願った手紙のふみつけの帰り道、土砂降りに遭う。端正な二枚目の男が差し出してくれた番傘に男同士の相合い傘で吉原へ帰る。徳二郎は来ていた。御利益が早速あったのか。徳二郎は吉原の外から食べ物を買ってきてほしいと頼む。夜の浅草を今戸へ急いでいると、浪人侍の強盗に遭う。窮地を救ってくれたのは番傘を貸してくれた男、当代きっての噺家・三遊亭円朝だった。やがて徳二郎は奈良から嫁をもらうと笹百合に文付けを送ってきた。むしろ喜ぶ笹百合。そして「いまひとたびのお越しを」としたためた文を三吉に託す。三吉が押上の徳二郎の店へ急ぐと、徳二郎はお縄にかけられるところだった。文を届けようと飛び出した三吉を十手持ちの手下たちが刃物で襲う。そこへ飛来する番傘。またも三吉の窮地を救ったのは円朝だった。深手を負った三吉を医者の元に運ぶ、円朝名指しの駕籠一丁。徳二郎の祝言の予定の朝、白無垢が笹百合を待っていた。
文字数 49,318
最終更新日 2026.05.28
登録日 2026.05.28
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