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駅裏の路地に、ひっそりと佇む一軒の質屋。
そこでは時計や宝石だけでなく、記憶、痛み、怒り、悲しみ、才能――人間が「いらない」と思ったものなら、どんなものにも値段がつく。
借金から逃れたい男。痛みから解放されたい病人。悲しみを忘れたい人。
彼らはそれぞれ、大切な何かを差し出し、望んだものを手に入れていく。
だが、不要だと思っていたものには、失って初めて分かる役割があった。
そんな店で働く青年・キョウもまた、自分の両目、両腕、両脚、そして「大切な記憶」を質屋に差し出した一人だった。
なぜ自分は、それほど多くのものを手放したのか。
失った記憶の中に何があるのか。
何でも買い取る謎の店主と、店の外で客を探す女・レイ。
そして、さまざまなものを手放しに訪れる人々。
これは、「いらない」と捨てたものの価値を巡る、少し奇妙な質屋の物語。
文字数 102,610
最終更新日 2026.10.05
登録日 2026.10.04
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