hisa

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恋愛 連載中 ショートショート
暗い、暗い夜更け。 いつもの曲をイヤホンで聴きながら、寒い街中を一人、あてもなく歩く。 玄関を出ると、まず冬の匂い。 夜空には綺麗な星。 誰もいない、一人だけの道。 自販機。昼間は陰なのに、今はやけに眩しい。 よくわからないメーカーのジュースを買って、また歩き出す。 最寄りの駅。 深夜なのに光がついていて、どこか不気味だ。 公園の前を通り、ブランコに腰を下ろす。 静かに揺れながら、息が白く空に溶けていく。 いつもの陸橋。 遠くを眺めると、光がきらめく。 冬なのに、まるで蛍の群れみたいだ。 コンビニの前でタバコを吸う。 白く漂うのは煙か、吐息かわからない。 そして、ひたすら同じ曲を流し続ける。 僕は今日も歩く。 僕は、虚無だ。 深夜二時。 まだ歩くのをやめられない。 まるで何かを探し、答えを求めているかのように。 歩みを止め、白い息を吐き、また歩き出す。 自分でも、何をしているのかわからない。 ただ、答えを探しながら彷徨うだけ。 終わりのない、暗く長い一本道を。 答えなんて、見つかるはずがない。 先にあるのは、闇だけだ。 それでも僕は、歩き続ける。 愚かで、哀れなままに。 僕は歩く。 君のことを思いながら。 誰もいない夜の街を。 僕は虚無だ。
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文字数 495 最終更新日 2025.11.12 登録日 2025.11.12
恋愛 完結 ショートショート
「不確定な誓い」 君のことが好き。 いつも君のことを考えてばかりで病んじゃう。 君と会う当日、ワクワクドキドキだ。 目に入った瞬間、恋に落ちた。 最初はツンツンデレデレ、速攻情緒不安定。 買ったお揃いの洋服を着てゲーセンへ。 可愛い君と2人で、水色とピンクのわたあめ。 一緒に、せーので「甘ったるい」。 夜は添い寝で、ぐーすかぴー。 君のことが好き。 君のこと考えてばかりで病んじゃう。 初日のこと、絶対忘れない。 あたふたして顔もまともに見てくれない君。 ゲームでとってくれたぬいぐるみ、ずっと大事にするよ。 あなたと2人で、ピンクと水色のわたあめ。 一緒に、せーので「甘くておいしい」。 ずっと「可愛いね」って、「好き」って言ってくれる。 あなたのこと、誰にも取られたくない…。 夜は添い寝で、ぐうすかぴー。 僕と私、ずっとそばにいたい。 ずっと愛してる。
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文字数 350 最終更新日 2025.11.12 登録日 2025.11.12
恋愛 完結 短編 R15
「果実」 「ねえ、私のこと愛してる?」 私のこと愛してる? 私のこの愛、受け止めて。 わたしと会うと、ほっぺが紅くて りんごみたいになるあなた。 朝、「おはよう」のメッセージ。 数分後に返ってくるあなたの返事。 いつもほっぺが桃みたいにピンクな、 あの子とお昼ご飯 後のメッセージー返事がこない。 「今、忙しいのかな?」 深夜頃に返ってきたメッセージ。 「今晩は寝落ち? それとも私ひとり?」 そう聞くと、あなたは曖昧に答える。 ねえ、私のこと愛してる? 私のこの愛、受け止めて。 今日もメッセージが遅い。 その日、見た。 あの子と手を繋いでるあなた。 私といる時よりも、 ほっぺがいちごみたいに真っ赤な君と、 いつものあの子。 あなたへの気持ちを抑えるために、 つけた手首の傷。 飲んだ錠剤。 陰で見てた、 私とのSNS。 よく1人で散歩した、 君の帰り道。 そして、あなたに捧げた「初めて」も。 もう全て、終わりなんだ。 あの子とあなたを、いっそのこと私も一緒に。 そして、三人でザクロの苗を植えよう。 ねえ、私のこと愛してる? 私のこの愛、受け止めて。 ねえ、私のこと愛してる? 私のこの愛、受け止めて。 「さよなら」
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文字数 473 最終更新日 2025.11.12 登録日 2025.11.12
恋愛 完結 ショートショート
「あなたは魅力的で人を虜にする存在だ」 ある日、僕は何気なく、いつものように動画サイトのショートを見ていた。 そしたら、たまたま?いきなり?君のライブの切り抜きが出てきた。 最初に受けた印象は、歌唱力のすごさ。 美しい黒の長髪と容姿。 そして、美しいあなたからは想像もできない強烈な声、まるで性別を問わず、あらゆる人間を虜にしてしまうような魔性の声。 その数十秒の動画で、僕は虜になった。 頭の中は、あなた一色に染められた。 そこから、あなたの曲を聴き始めた。 そして、あなたのことがもっと好きになった。 心地いい音源を何度も繰り返し聴き、そして歌詞を見た。 僕はその時、崖から突き落とされたような感覚に陥った。 若いのに、まるで何百年も生きているかのような美しさ。 時には大人の悪女のようなワードセンス。 そこから、あなたの曲は僕の生活に欠かせない存在になった。 この文章を書いている今も、あなたの曲を聴きながら書いている。 音に敏感で、少しでも何か聞こえると集中できない僕が、不思議なことにすらすらと書けている。 あなたの美学・センスはどこから生まれたのだろうか。 生きてきた環境のせいなのか。 それとも、物心ついた時に自分で学び得た知識なのか。 聞いてみないとわからない。 教えてほしい。 そのセンスある言葉選びと歌詞の構成、音源の作り方を。 もちろん、聞いたところで僕には真似すらできないだろう。 僕の中の「ウワサのあの子」は、生活の中で、すぐに死を選びたくなる僕の心に豊かさを与えてくれた。 僕は常にあなたの曲を聴き続けている。 家事をしている時も、出かける時も、文章を書く時も。 僕はあなたに、たくさんのことを助けられている。 だが、僕はあなたに抱いてはいけない想いを抱いてしまった。 まだ会ったことすらない、そして生涯会えるかもわからないあなたに。 いや、僕は会えていないからこそ、あなたに惹かれているのだろうか。 真相は闇だ。 たくさん人がいる中で、僕は「交流したい」と思い始めた。 こんな僕がそんなことに発展する確率は「0」ではないが、まずあり得ないだろう。 もし対面することがあれば、それは僕にとって、とても「光栄」なことだ。 僕は今日も聴く。 あなたの魔性の声を。 僕は「寿命」が尽きるまで、あなたのことを応援したいと思う。 「惚れたら終わり、人生崩壊」 常に「死」を考えている僕。 しかし、あなたは僕に生きる糧を与えてくれた。 僕はあなたに生かされている。 あなたは本当に、「魔性の女」だ。
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小説 212,715 位 / 212,715件 恋愛 61,705 位 / 61,705件
文字数 996 最終更新日 2025.11.12 登録日 2025.11.12
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