NATA

NATA

やっと一作書き上げられた。
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恋愛 完結 長編
古いラジオから、聞こえるはずのない声がした。 「——迎えに行く」 名家の令嬢・九条美緒、十七歳。父の言うことに「はい」としか答えられない。自分が何を好きで、何を嫌いで、何がしたいのか——考えたことすらなかった。 花嫁候補の選考会に出席した夜、意識を失い、目を覚ましたのは百年前の大正・浅草。 着の身着のまま放り出された異世界で出会ったのは、孤児たちを束ねる寡黙な青年と、生意気な少年と、私を敵視する少女。 なぜここに来たのか分からない。帰り方も分からない。 ただ一つ、確かなことがある。この場所で初めて、誰かのために料理を作り、「おいしい」と言ってもらえた。それだけのことが、十七年間で一番あたたかかった。 けれど、大正の浅草は優しいだけの場所ではなかった。この街には、この人たちには、私の知らない夜がある。 あの古いラジオが繋いでいたのは、電波ではなく——。 ここにいたいのか、帰りたいのか。。
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文字数 87,069 最終更新日 2026.05.06 登録日 2025.08.21
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