誰しも必ず救われる、そんな噺があったなら。
機動隊壊滅事件の唯一の生存者・柏城は、怪異事件を扱う特殊事象対策係第九十九課へ配属される。
人を喰う絵画。
鏡の向こうから呼ぶ声。
忘れられてきた人の形。
怪異事件が終わっても、人の時間は止まらない。
抱きしめた温もりも。
「またね」という言葉も。
賑やかだった食卓も。
置いてきたはずの昨日は、時折追いついてくる。
九十九課は英雄の集まる場所ではない。
昨日を抱えたままの不器用な大人たちが、今日も働いている。
どうせまた、朝は来るのだから。
文字数 20,683
最終更新日 2026.06.18
登録日 2026.06.17