ビジネス書業界の裏話

有名になって本を出すか、本を出して有名になるか

2016.12.22 公式 ビジネス書業界の裏話 第22回

日は沈み、日はまた昇る

フツーの人にとっては不利なことばかりだが、わたしはそう長く不利な状況が続くとは思っていない。出版界が斜陽であることは紛れもない事実であるため、出版物がこの先に激増することはないだろう。フツーの人にとって、作家デビューのチャンスが急拡大することもない。しかし、それでもチャンスは巡ってくると考えている。

なぜなら、現在の大物・有名人のネーム頼みという状況は、そう長くは続かないからだ。同じ人が同じことを書いていれば、そのうち読者にあきられる。それが道理というものだ。いまの出版界は、あまりにもひと握りの大物・有名人に頼りすぎている。

ビジネス書に限っていえば、大物・有名人の持ち歌、十八番は大体ひとつだ。新しいジャンルを開拓するという作家は、稀(まれ)中の稀である。社会の状況が変わってさえも、大物・有名人の主張は変わらないことが多い。

それでも、出版社は行列をつくって次々とオフォア―してくる。いまがピークの作家本人にとってみれば、なんとも住み心地のよい環境であろう。しかし、盛者必衰は世の習いである。いまがピークの大物・有名人は、日が西に傾くようにして、やがて沈むことになる。それは時間の問題といってよい。大物・有名人たちが消えた後にだれが来るか。フツーの人の作家デビューは、そう遠い時期ではないとわたしは思っている。

 

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プロフィール

ミスターX
ミスターX

ビジネス雑誌出版社、および大手ビジネス書出版社での編集者を経て、現在はフリーの出版プロデューサー。出版社在職中の25年間で500人以上の新人作家を発掘し、800人を超える企業経営者と人脈をつくった実績を持つ。発掘した新人作家のうち、デビュー作が5万部を超えた著者は30人以上、10万部を超えた著者は10人以上、そのほかにも発掘した多くの著者が、現在でもビジネス書籍の第一線で活躍中である。
ビジネス書出版界の全盛期となった時代から現在に至るまで、長くビジネス書づくりに携わってきた経験から、「ビジネス書とは不変の法則を、その時代時代の衣装でくるんで表現するもの」という鉄則が身に染みている。
出版プロデューサーとして独立後は、ビジネス書以外にもジャンルを広げ文芸書、学習参考書を除く多種多様な分野で書籍の出版を手がけ、新人作家のデビュー作、過去に出版実績のある作家の再デビュー作などをプロデュースしている。
また独立後、数10社の大手・中堅出版社からの仕事の依頼を受ける過程で、各社で微妙に異なる企画オーソライズのプロセスや制作スタイル、営業手法などに触れ、改めて出版界の奥の深さを知る。そして、それとともに作家と出版社の相性を考慮したプロデュースを心がけるようになった経緯も。
出版プロデューサーとしての企画の実現率は3割を超え、重版率に至っては5割をキープしているという、伝説のビジネス書編集者である。

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