話しやすい人になれば人生が変わる

人に好かれまくる「聞き上手さん」がさり気なくしてること

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話しやすい人になれば、人づきあいも、仕事も、初対面も、出会いも、家族も、すべてがうまくいくようになります。しかも、ちょっとしたコツを押さえるだけで大丈夫。だれでも、いますぐ、カンタンに、話しやすい人になれます。人の輪が広がり、情報が集まり、仕事がスムーズに進み、人生が楽しくなる――こうした話しやすい人が得ているメリットを手に入れ、人生を前向きに変えましょう!
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人は基本的には、「自分の話を聞いてほしい」生き物

多くの人から話しやすいと思われるうえで不可欠な要素。それは、聞き上手になることです。

個人差はあると思いますが、人には基本的に、自分の話を聞いてほしいという欲求があるといわれています。特に、「恋人ができた」「試験に合格した」「欲しかったものを手に入れた」など、嬉しい出来事があった人は、誰でもいいから報告してまわりたい気持ちになるでしょうし、なんらかの悩みを抱えている人も、誰かに相談したいと思うでしょう。

さらに、世の中には、日常生活のささいなことを常に他者と共有したいというシェア欲求が強い人、とにかく自分のことを知り認めてほしいという承認欲求が強い人もいます。ですから、相手の話をきちんと聞くことができる人は、多くの人から話しやすい人と思われ、愛されるはずです。

沈黙は金、雄弁は銀

聞き上手になるためにまず大事なのが、しゃべりすぎないことです。

みなさんは「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉をご存じでしょうか? これは、沈黙には優れた弁舌以上に価値があるという意味のことわざです。
もちろん、発言を求められたとき、きちんと意見や要望を表明しないと、相手に自分の権利を侵害されてしまうようなときなどは、沈黙より雄弁のほうが価値があるでしょう。しかし、他者との会話においてはやはり沈黙に価値があると私は思います。
途中で余計な口を挟まれるより、相手が静かに聞いてくれたほうが、話し手にとって話しやすいのは、言うまでもありません。聞き手側も、沈黙を貫くことで、「あの話もしたい、この話もしたい」「何か言わなきゃ」といった気持ちから解放され、相手の話に集中することができ、理解度が高まります。

また、人と話しているとき、必要以上に口を開かない人は、他人に安心感を与えますし、そのような人が発するちょっとした一言は、それが実はさほど大した内容ではなくても、何か「熟慮の末の一言」といった説得力を感じさせます。
逆に、よく話す人は、頭の回転が速い人、知識が多い人、面白い人という印象を与えることもありますが――、それはあくまでも、本当に頭の回転が速く、知識が多く、話術が巧みな場合に限ります。そうでない場合は、相手の話の腰を折るだけ、物事を深く考えていないことを露呈するだけ、面白くない話を延々と聞かせるだけ……になってしまうこともしばしばあります。

中には、自分自身もしゃべりつつ、相手の話を引き出し、膨らませるのがうまい人もいますが、そういう人は話し上手であると同時に聞き上手です。
頭の回転が速く、相手の話を瞬時に理解し、深掘りできる点や新たな情報を追加して、面白くわかりやすく提示する、といったフローを脳内で一瞬で行うことができる、特殊技能の持ち主だといえるかもしれません。

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プロフィール

村本篤信
村本篤信

1972年大阪府生まれ。都立国立高校、一橋大学社会学部卒業。大日本印刷に入社後、フリーのライター、編集者に転身。 『3000円投資生活』シリーズ(アスコム/横山光昭)をはじめ、累計250万部以上 の書籍を手がけたほか、取材記事、社史などのライティングを行い、2021年には『ロジカルメモ』(アスコム)を刊行。 2012年に「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」優秀賞を受賞して以降は、ドラマや舞台の脚本も執筆。 一方で、90年代よりホラー系ドラァグクイーン「エスムラルダ」として、各種イベント、メディア、舞台公演などに出演し、2018年からは及川眠子・中崎英也のプロデュースにより、ディーヴァ・ユニット「八方不美人」を結成。エスムラルダ名義でのコラムや書籍のライティングも行っている。

著書

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村本篤信 /
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