友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

「1日誰とも会話をしていない…」でも、明るく元気になれる方法

心の安定のためにやっていること

復職後しばらく経って、精神的に安定してきたわたしは、オフィスでも音楽ではなくラジオを聞くようになりました。そして気づくと、オフィスにいる間でも、笑みをこぼせるくらいにまで余裕が出てきました。

仕事中にラジオ聞くなんてとんでもない! って思う人もいるかもしれないけれど、電話や打ち合わせの声、足音にいちいちビクビクしながら脂汗かいて仕事してるフリをしていたときに比べたら明らかに仕事のスピードも質も上がった(まぁ元が低すぎたというのもあるけど)ので、どうか許してほしいです。

ラジオを聞きながら仕事をし、気づいたらラジオが聞こえなくなるほど集中して、仕事もひと段落していた、ということが起きるようになりました。こうして私は、少しずつ回復していきました。

当時と比べていまは、メンタルもだいぶ落ち着いてきましたが、それでも声を聞くのは相変わらず続けています。仕事中は無音の方が集中できるからオフにしてますが、それ以外のときは基本、ずっと音声を聞いているのです。お風呂でも、散歩でも、筋トレでも、ドライヤーで髪を乾かしているときも、寝る前も。元気なときは教育系YouTubeチャンネルとかオーディオブックなんかも勉強のつもりで聞いています。

疲れたり凹んだりして何も考えたくないときは、いまだに伊集院さんのラジオや『水曜どうでしょう』の音声に逃げます。もう何度も聞いていてオチまで知ってるけど、それでも昔から聞いていた話を繰り返し聞くのは落ち着くんですよね。しかも何度聞いても面白いし。

夜はアラビアンナイトの朗読を聞きながら寝るのがマイブーム。入れ子構造の物語展開が深い没入感を与え、眠りに入りやすくなるんだと思います。最近は余裕があって、瞑想や食事に集中するなど、マインドフルネスに取り組むこともできるようになってきて、より情緒が安定してきました。

1日誰とも話せないなら、声を聞こう

人が怖いけど、人と繋がっていたい。関心を向けてほしいし、話しかけられたい。こんなわたしでも、人とのコミュニケーションを欲する気持ちがあります。

声を聞く、というのは人とのコミュニケーションの一種の擬似体験になっているんだと思います。双方向じゃないので実際はコミュニケーションとは言えないのだけれど、わたしはいつも無意識に、自分も関係者としてその場にいるように想像しながら聞いています。

たとえば伊集院さんのラジオでは、放送作家さんなどに向かって話しかけることがよくあるんですね。そのスタッフ人の一人として、自分もラジオブースのガラスの向こう側で伊集院さんがしゃべるのを見ながら、他のスタッフ人と目配せしたり笑いあったりしながら聞いているイメージが脳内に勝手にでき上がっていたりします。
『水曜どうでしょう』だったら、自分ももう一人のカメラマンとして車とか深夜バスに同乗して、いろんなところを気のいい仲間たちと楽しく旅をしている感覚になっています。

それにもう一つ。ちょっと恥ずかしいのですが、どの音声も、純粋に楽しむだけというよりは、自分も会話の中でこんな風に面白いフレーズで切り返せたら、もっといろんな人とスムーズに交流できるかもなっていう下心ありきで聞いています。これはこの記事を書きながら、はじめて認識したくらい自覚はなかったですが。

自分が笑えたフレーズはメモに残していて、しかも、何度も読み返して覚えようとしたり、何も考えなくても口から出るようにならないかな、と、何度も繰り返し同じ話を聞き続けるということもやっていました。というか、今でもやっています(笑)。いつか誰かと話す機会があったらその時に面白い返しとしてこのフレーズを繰り出せたら、面白い人って思ってもらえるかも、って。

実は、これもコミュニケーションの擬似体験になっているかもと思います。つまり、人に対して、自分が伊集院さんみたいに面白トークを繰り広げて笑わせてるイメージを無意識に思い浮かべて、それだけで人の繋がりを感じ、ちょっと満足しちゃっている、みたいな。

一人遊びに夢中になっているみたいで少し恥ずかしいのですが、それでも孤独感が慰められているのは事実だと思います。
いまは多くの人の行動が制限され、交流が断たれ、孤独になることを強いられています。孤独は不調をもたらします。一人でいることが得意なわたしでもそうだったのだから、そうでない人にとってはなおさらでしょう。
そんなとき、声が救いになります。孤独にさいなまれたときは、ぜひラジオなどの声に耳をかたむけてみてください。

今回紹介したような、コミュ障向けのハックをまとめた書籍『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』が、大好評発売中です。

コミュ障で本当に辛い思いをしている人たくさんいると思います。私も同じように悩んで、苦しみ続けてきた人間の一人なのでよくわかります。完璧じゃないですが、克服できたこともあるので、同じように悩んでいる皆さんに、多少は参考にしてもらえるところもあると思います。ぜひ一度、お手にとって読んでみてください。

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まとめ

・1日誰とも話さないのはやっぱりつらい
・不調の原因は、コミュケーションの飢えかも
・声を聞くと、孤独が慰められる(ラジオが手軽でオススメ)

 

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プロフィール

末岐碧衣
末岐碧衣

コミュ障で友達0人のシステムエンジニア。早稲田大学理工学部卒業。新卒でITコンサルティング企業に入社したものの、コミュ障が爆発し、人間関係が崩壊する。うつにより休職した後は、コミュ障の自覚を持ち、チームプレイを避けて一人でできる仕事に専念するようになる。2015年フリーランスとして独立。一度も営業せず、独立前の年収3倍を達成。

著書

友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

末岐碧衣 /
「コミュ障」で「友達が0人」という、社会にうまく適応できない著者が、多くの...
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