上司1年目は“仕組み”を使え!

「一生ついていきます!」と思わせる、デキるリーダーの目標の掲げ方

2022.09.15 公式 上司1年目は“仕組み”を使え! 第34回
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成績が振るわない、メンバーが互いに無関心でいっさい協力し合わない、仕事を作業と思っており楽しそうに働いていない、離職者が多く人の入れ替わりが激しい……。これらは日本の多くの職場で見られる光景です。こうした環境に疲弊し、働くことに希望を見出だせない人が増えています。
この絶望的な状況を変えられる唯一の方法が「チームづくり」です。チームづくりがうまくいけば、すべてが劇的に変わります。部下も会社もあなた自身もラクにする、チームづくりのノウハウを指南します。
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ルフィに学ぶ、目標の掲げ方

チームを引っ張るには目標を掲げることが必要ですが、日本の多くの組織でこの目標提示がうまくいっておらず、組織が機能不全に陥っています。そんななか、目標提示が抜群にうまいリーダーがいます。

漫画『ワンピース』の主人公、ルフィです。
彼は、人々を自然と共感させる目標の提示がとても上手です。「海賊王に、おれはなるっ!!!!」というのは大変有名なセリフですが、チームづくりの観点から見てもきわめて示唆に富んでいます。

よくよく考えてみると、海賊王という目標がどんなものなのかよくわかりません。皆さんはわかりますか? 海賊王ってどんな人のことなのでしょうか?

100巻を超えるコミックスを読み続けている私もよくわかっていません。それにもかかわらず私は、ルフィが海賊王になったらいいなあと応援する気持ちを持っています。こういう人に、海賊王になってほしいと思っている気がしますし、多くのファンたちも同様に思っていることでしょう。ルフィの仲間たちは、私たち以上にそう思っていると思います。

この、ルフィの掲げる目標から学び取れることがあります。それは、他人に共感してもらえる目標は、その中身自体はじつは重要ではない、ということです。

WhatよりもWhyを大事にする

再度、我々に目を向けます。なぜ我々は人々に共感してもらえるような共感目標を掲げることができないのか。それは、「What(何か)」にこだわりすぎているからです。共感目標は、Whatよりも「Why(なぜ)」が重要です。何をしたいかよりも、なぜそれをしたいのか。

あなたは目標を掲げようとしたときに、何を目標にしたらいいかわからないと立ち止まってしまうことはないでしょうか。
私にはあります。
だからあえて言います。なんでも大丈夫です。

・日本で一番〇〇な会社になる
・〇〇に悩む人を救う商品を作る
・〇〇の力で世界を変える

この〇〇に皆さんのビジネスを当てはめるだけで問題ありません。
ただし、この目標を共感させるには、みんなにWhyが伝わるような伝え方をしなくてはなりません。

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
2020年よりYouTubeチャンネル『タカ社長のチームD大学』を開設。2023年6月現在、チャンネル登録者約3万5000人、総再生回数380万回。
2021年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「上司1年目は“仕組み”を使え!」をスタート。改題・改稿を経て、このたび出版化。
著書に『その仕事、部下に任せなさい。』(アルファポリス)がある。

著書

チームづくりの教科書

チームづくりの教科書

高野俊一 /
成績が振るわない。メンバーが互いに無関心で、いっさい協力し合わない。仕事を...
その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

高野俊一 /
通算100万PVオーバーを記録した、アルファポリス・ビジネスのビジネスWeb連載の...
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