新党「中道」に政権奪取はできるのか?明暗を分け得る経済政策の違い、立憲と公明が“打開”したこと

2026.01.27 Wedge ONLINE

 高市早苗首相の突然とも言える解散表明に対し、立憲民主党と公明党が新党「中道改革連合」を設立した。「中道」路線として、右傾化とも指摘されている自民党に対峙していくとしている。

(つのだよしお/アフロ)

 前回選挙の結果などのシミュレーションで、「政権交代も視野」といった指摘もされているが、実現し得るのか。政策から「中道」とは何かを見ていきたい。

政権を取るに必要な基本政策での一致

 日本の野党は政権を取れないと言ったら、取ったことがあるじゃないかと言われるだろう。もちろん政権を取ったことはあるが長続きしなかった。民主党政権は党内および連立内の政策の一致がなく、日米同盟関係を不安定にして、政権が安定しなかったのだ。

 連立を組むなら、安全保障、エネルギー、憲法が国家運営にかかわるものであるため、特に基本政策の一致が必要だ。ところが、立憲民主党と国民民主党といった野党連合内の合意がないだけでなく、立憲民主党の中でも合意がない政策もある。

 安全保障では、日米同盟をどのようにするのかが特に問われる。それにも関連して、集団的自衛権の行使や安保関連法制の容認、敵基地攻撃能力を含む防衛費の増額への意見の一致が必要となる。

 エネルギーで大きいのが、原発再稼働の容認だ。再生可能エネルギーは供給が不安定なので安定電源が必要になる。森林を伐採し、自然公園内に太陽光パネルを置いて発電するのがクリーンエネルギーとは言えない部分もある。「ベースロード電源」をどうするのかという問題だ。

 憲法では、第9条に自衛隊を位置づけるかどうかだ。憲法は自衛権を否定していないのだから、このままでも良いという説もある。憲法改正は、長期安定政権を作った安倍晋三元首相にもできなかったのだから、難しい問題であると言える。

 そうであるならば、防衛費を増額するか、しないかだけの問題になるのではないか。また、どこかの国が日本の近隣諸国を攻めてきて米軍が助けに出動した時に、日本が何もしない訳には行かないだろう。

 中道改革連合の党綱領・政策(1月19日発表)は、原発、エネルギー、安全保障政策のすべてで、立民が公明の現実路線に歩み寄ったようだ。公明は与党だったのだから、過去と矛盾しないようにすれば現実路線になるのは当然だ。立憲はこれらのことをすべて認めた。

 これは立民が政権を取るための現実路線に進めたということだろう。公明党としては、小選挙区議員4人(他に比例区議員20人がいる)が、自民党候補を立てられて落選する可能性もあったが、比例にまわり、当選を手中におさめた形となっている。

実は大きい与野党間での経済政策の違い

 政党が多いので公平に紹介できなくてもお許しいただきたいが、財政政策では自民党は責任ある積極財政、「経済あっての財政」を掲げ、戦略的投資や減税による経済成長を優先している。連立与党の維新も積極財政を唱えている。両党とも、中道改革連合に遅れて2年間の食料品についての消費税廃止を打ち出した。

 ただし、自民党は、食料品の消費税ゼロに向けて検討を加速するというものだ。加速してどうなるかはまだ分からない。

 一方、中道改革連合は、財政規律の重視を唱えている。食料品の消費税を2年に限って廃止するが、財源の手当てはすると言っている。

中道改革連合は街頭演説で「生活者ファースト」の立場を訴える(野田よしひこ氏のXより)

 実は、共産党も財政規律派である。消費税の5%への減税を行うが、大企業への課税強化により財源を確保するという。10%の消費税を半分にすることだから15兆円の減税になる。法人税は現状19.2兆円程度だから、法人税による税収を78%(15÷19.2)上げろということである(税収の数字は財務省「財政関係資料」2025年4月、などによる)。現行、地方法人税などと合わせて30%程度の法人税を53%(30×1.78)に上げろということだ。