波紋を呼ぶ高市首相の「睡眠時間0~3時間」投稿…精彩欠いて責任を果たせないのは本末転倒!

2026.08.03 Wedge ONLINE

 「睡眠時間0~3時間」という高市早苗首相のSNS投稿が波紋を呼んでいる。私生活の一端をも晒した率直すぎる投稿に対して、「長時間労働を強いられている人への配慮に欠ける」、「危機管理上問題だ」など、批判が少なくない。

首相官邸ホームページより

 内閣総理大臣の印綬を帯びたからには、肩代わりしてもらえることは人にまかせ、睡眠、休養を十分に取り、天下国家に思いを致し、危機対応に備えるべきだろう。 

国会でも議論に

  7月28日、「令和8年熊本地震」の発生を受けて、高市首相は随時、マイクの前で被害状況、救援活動などについて説明した。「睡眠0~3時間」問題が報じられた直後だけに、首相の様子をはらはらしながら見ていた国民も少なくなかっただろう。

 その前日に開かれた衆院予算委員会の集中審議でも、この問題はとりあげられた。

 階猛氏(中道改革連合)が、「0から3時間睡眠が常態化するほど働いてきたにもかかわらず、支持率が低下する原因をどう考えるか」と皮肉交じりに質問したのに対して 首相は「私自身が分析することは困難だ。わからない」と答え、戸惑っていることをうかがわせた。

 首相が7月20日、「海の日」に行ったX(旧ツイッター)への投稿は生々しい内容だった。

 「平日は公邸に戻ってから、風呂掃除、入浴、夕食、夕食後の洗い物、洗濯、簡単な掃除まででプライベートな時間は精一杯で、後の深夜時間帯は明け方まで官邸から持ち帰りの資料や国会答弁資料読みに追われる」「今日のお休みは本当に有難く、久々に5時間も睡眠を取れた上(就任後、0ー3時間が常態化)、昼からは手付かずだった大量の洗濯後のハンカチやインナーのアイロンかけ、お裁縫(スカートの裾のほつれのまつり縫いやジャケットの緩んだボタンの補強)を一気に処理」――。

高市首相の公式Xより 写真を拡大

 内閣総理大臣自ら台所に立って食後の皿洗い、風呂の掃除、洗濯までしている姿は想像できないが、本当だとすれば、時間がいくらあっても足りまい。党内外からは案の定、賛否両論の反響が巻き起こった。

 昨年の自民党総裁選で首相と争い、今は政権を支える小林鷹之自民党総務会長は「仕事量も尋常ではないけれど、よく寝てくださいと進言した」と明らかにした(7月23日の記者会見)。木原稔官房長官も、「働きすぎ」という指摘を念頭に、「ワーク・ライフ・バランスを否定するものではない」(22日の記者会見)と弁明した。 

 野党側からは、「仕事量を調整し、責任を他に任せることはリーダーの資質だ」(国民民主党、玉木雄一郎代表)、「難しい政策判断ができるのか」(共産党、小池晃書記局長)などと疑問符のついたコメントが目立った。

英紙「サッチャー倣おうとして反発招く」

 7月25日づけの朝日新聞は、各国首脳の睡眠時間をとりあげ、米国のトランプ大統領4~5時間、インドのモディ首相3時間半、ドイツのメルケル元首相「5、6日ならわずかでも乗り切れるが、その後は10、12時間必要」、イスラエルのネタニヤフ首相「7、8時間、できれば9時間」などと伝えた。あわせて、「日本の首相、サッチャー首相を倣おうとして反発招く」という見出の英紙インディペンデントの論評を紹介している。

 インディペンデント紙は、「高市氏はサッチャー氏が4、5時間時間睡眠だったことに自らを重ねようとしたのかもしれない」「献身のシンボルとして、国の指導者が極端な睡眠不足を公表することが適当かどうか、国会を中心に議論を呼んでいる」とやや懐疑的なトーンで伝えた。

国会答弁でも、睡眠不足嘆く

 人気急落の中、睡眠不足をいとわずに職務に励んでいることをアピールする狙いなのか、庶民ぶりを印象づけ親近感を持ってもらおうという思惑か、それとも単なる愚痴か。投稿の意図は判然としないが、高市首相が外に向かって極端に少ない睡眠時間に言及するのは、これが初めてではない。