お金が「貯まる人」「貯まらない人」の決定的な差

全世代に通じる「お金が貯まる人の思考」とは? (写真:naka/PIXTA)
同じ仕事、同じ給料でも、いつのまにか「お金持ちになる人」と「そうでない人」がいる。その違いは普段の節約とは違う視点、「人生を長期でとらえる大局観」にあった──。「投資会社の新入社員姫野が大先輩ケイさんに聞く」シリーズ第2回。
世界株式アナリスト、ファンドマネージャーを歴任し、世界30カ国を渡り歩いてきた加藤航介氏。このたび『世界を見てきた投資のプロが新入社員にこっそり教えている 驚くほどシンプルで一生使える投資の極意』を6月に上梓した加藤氏が「大先輩ケイさん」として、投資会社の新入社員(姫野)に「お金が貯まる人の思考」についてレクチャーする。

全世代に通じる「お金との付き合い方」とは?

姫野:ケイさん、こんにちは。姫野、今日もオンラインで登場です。

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ケイ:やあ、姫野さん。画面越しでも元気そうなのは十分伝わるよ。

姫野:引き続きおうち時間、元気に楽しんでます! 今日は人生の大先輩であるケイさんに、「お金の貯め方」について聞いておきたくて……。私も社会人になって、自分のお給料で生活していかなきゃならないわけです。そのうえで、少しずつ貯金や投資をしていきたいし。

ケイ:おお。すばらしい心がけだね。

姫野:でも、洋服が大好きなだけに誘惑に駆られる毎日で……。お金をどう使っていけばいいのか、よくわからなくなっちゃったんですよ。長年社会人をやっているケイさんは、いままでお金とどう付き合ってきたんですか?

ケイ:確かに、自分がいま使いたいお金と、将来へ向けて貯めるお金のバランスを考えるのは、とても難しいよね。それは姫野さんのような若い世代だけじゃなくて、僕のようなアラフォー世代も、リタイア世代になっても、考えなくてはいけない問題だと思う。

姫野全世代に通じる「お金との付き合い方」! いますぐ教えてください!

ケイ:簡単に言おう。人生のお金との付き合い方でいちばん大切なのは「明るい未来や豊かさをどれだけ意識できているかどうか」ということだと僕は思っている。「本当にワクワクすることにお金を使っているか」とも言えるね。

「人的資産」と「金融資産」をしっかりイメージする

姫野:え? ワクワクすることにお金を使う? いったいどういうことですか?

ケイ:「お金が貯まる人」は、いつも長い目で見た明るい未来に向かっているんだ。そして、自分だけでなく社会全体を成長させ、豊かにする姿勢でお金と付き合っている。「貯まらない人」はその反対で、人を蹴落としてでも、いますぐお金持ちになりたいと考えている。投資でいえば、ギャンブルまがいの短期投資で儲けたいというような腹黒い考え方かな。こういう違いこそが、将来お金が貯まる人になるか、貯まらない人になるかの決定的な違いだと思っている。

姫野:ふむふむ。私の周りでも、前向きな考えでみんなに気を配れる人には、友人が集まっていきますね。反対に目先の損得を考えてばかりの腹黒い人からは、人が離れていきます……。

ケイ:貯まる人のキーワードである「自分と社会の成長と豊かさ」を、「投資」という切り口で考えてみよう。長い人生で「自分とお金」を考える軸となるのは、2つの資産をしっかりイメージすることなんだ。

姫野:2つの資産ですか?

ケイ:そう。「人生とお金」の幹になるのは次の2つ。