ディズニーも実践、「尻込み人生」を変える思考

人間関係を「損得勘定」で考えてみると、なんとなくうまくいかない人生が変わるかもしれません(写真:mits/PIXTA)
「いつもうまくいかないけど、変わるのは面倒」「何をやってもうまくいかないけど、どうすればいいか、わからない」――。
そんな漠然とした思いを抱えた人は、無意識のうちに「変わらない決断をしている」から、自分を変えることができないのかもしれません。損を減らし、得を増やすだけで、なんとなくうまくいかない人生が変わるとしたら、どうでしょうか。
今回は、『損か得か いつもうまくいかない人生を変える18の思考法』を上梓した習慣力のエキスパートである三浦将氏が、人との関係で“損”を減らす方法を解説します。

他人の目を気にするのは“損”

人に嫌われないように気をつけるあまり、他人の目を気にして、自分を取り繕い、本来の自分を発揮できていない人がいます。やりたいことや夢があっても、周りの人に何と言われるかを気にして、発言できないのかもしれません。

例えば、友達とランチに行ったとき、友達が「パスタを食べたい」と言ったから、本当はラーメンが食べたいのに、「私もパスタが食べたい」と自分の意見を言わない人がいます。「ラーメンが食べたい」と言うことで友達に嫌われるかどうかわからないにもかかわらず、周りの人に嫌われないように自分の意見を曲げる。これはすごく“損”なことです。

「20-60-20の法則」というものがあります。これは、20%の人は何があってもあなたを応援し、20%の人はあなたが何をしても気に入らず、60%の人はあなたの言動次第で対応が変わるというものです。

(出所)『損か得か いつもうまくいかない人生を変える18の思考法』

つまり、全員に好かれることはかなり難しく、何人かに気に入られないのは仕方がないのです。

先の例でも、あなたが「ラーメンを食べたい」と言ったことに対し、友達が怒ってしまったら、それはあなたと友達の相性やあなたの発言のタイミングといった組み合わせが悪かっただけ。気にする必要はないのです。

このように、日頃のちょっとしたことであっても、自分がやりたいことや自分の考えなどを発信するようにしましょう。その中で誰かに批判などをされても、「組み合わせが悪かった」と思うことで、自分自身を否定されたのではないと、周りの目を気にしなくなるのです。

理論や理屈を最重要視するのは“損”

世の中は予測不能なことや想定外のことだらけです。そんな中、理屈ばかり言っている小利口な人は、つねに根拠を求めるので、行動よりも思考にエネルギーを使ってしまいます。

彼らは、なぜ行動できないのでしょうか。それは「失敗したら格好悪い」「傷つきたくない」「ムダなことがあると嫌だ」などの思い込みが強く働いているからです。

賢くたくましい人は、やたらに根拠を求めません。余分なことを考えている暇があったら、とっとと走り出すのです。走りながら考え、考えながら走ることで、次々に起こる出来事へ対応することができ、目標に近づきやすくなるからです。

そんな人たちを見て、小利口な人は「あいつはバカだなー」「無鉄砲だと痛い目を見るぞ」とバカにしています。自分はチャレンジをすることもしないのに……。

ミッキーマウスの生みの親であるウォルト・ディズニーは、事業を考えるときに「ドリーマーの部屋」「リアリスティックの部屋」「クリティックの部屋」の3つを行き来していたという話があります。

(出所)『損か得か いつもうまくいかない人生を変える18の思考法』

部屋にはそれぞれの役割があり、「ドリーマーの部屋」では、笑われるようなことでも、バカにされるようなことでもいいので、自由に物事を考える。「リアリスティックの部屋」では、ドリーマーの部屋で考えたことをどうすれば実現できるのか考える。そして、「クリティックの部屋」では、ここまで考えたことを建設的に批評し、実現可能性やリスクをチェックするというものです。